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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
一章 パンデミックがやってきた編
7/76

7話 頭から離れないCMってすごい

書きたい時に書いてます

「アズマくん、嬉しい情報をあげるわ」

「なんすか」

「もう一仕事よ!」

「は?」


 互いの自己紹介が終わると会長が頭のおかしなことを言ってきた。


「無理です。他を当たってください」

「いやあ、それがね?三階の人達にもう大丈夫だから降りてきていいよーって言ったら教室の外に変質者がたくさんいて出れないーって言うのよ。二階にはそんなに居なかったって聞いたのになんで三階にたくさんいるんだろって思ったでしょ?私もそう思って言ってみたらペラペラペラ」

「全然人の話聞かないなこの人」

「キシシ、めっちゃ喋るね」


 会長の話を要約すると

 ・三階に避難した人達がいる

 ・三階に変質者もたくさんいる

 ・噛まれた人が三階まで逃げ込んで変質者になった

 ・お前ら助けろ

 と言うことらしい。なるほど…いやわかんねえよ。


「すまねえなアズマ。俺の手伝いしてくんねえか?」

「んー、タケさんはいい人だし手伝いたいんすけど、俺はもう動けなさそうだし田中のやつとか頼った方がいいんじゃないですか?」

「...そのタケさんってのは俺のことか?」

「すみません嫌でしたか調子にのりました靴舐めます」

「おい、流れるように舐めようとするな。そうじゃねえよ…今まで後輩には怖がられたからそんな感じで呼ばれたことなかったからよ。なんつうか嬉しくてな」


 優しい顔でタケさんが話してくれた。可愛いじゃないのよぉ〜!…あれ?俺って男には興味ないのに…まさかのタケさんのルート?


「もう一つの候補でコボさんがあるんですけどどっちがいいですか?」

「俺は4コマ漫画じゃねえ」

「もー!みんな私の話聞いてた?とにかくアズマくんネコくんにも手伝って欲しいのよ。田中くんにも話したけど一つ返事で引き受けてくれたわ」

「俺と田中を一緒にしないでくださいよ。あいつは普通じゃない」

「キシシ、たしかに。戦ってるとこも見たけどなかなか強かったし、勇気っていうのかな?あんなに出来る人はなかなかいないよね」

「いやお前も普通じゃないから」

「?」

「可愛らしく首かしげても変わらねえよ」

「ほんとネコくんは可愛らしい顔してるわよね…隣が死んだ目してるからより際立つのかしら?じゃなくて!とにかく人数多い方が安全なの!頼んだわよ!」

「その前に誹謗中傷で訴えていいですか?」

「訴えるとこがまだあったらね」


 この野郎。野郎じゃないか。


 ――――――――――――――――――――――――


 言いくるめられて中庭に出てみると、三階の色んな教室から顔を出している人達がいた。会長がその人達に向かって話し始めた。


「今から助けに行きまーす!」

「助けてくれー!」

「私たちが行くまでドアは開けないでくださいねー!」

「了解したー!」

「よし、みんな行くわよ。これが終わったら今戦ってない人たちに食堂での料理を頼んでいるからみんなで食べましょ!」

「「「「おおおお!!!!」」」」


 そういえば飯食ってなかったな。階段に向かい歩きながらそう思い出すと凄まじい空腹を伝える音が鳴って田中とネコに笑われた。いやね?たしかに僕もお腹空いてるけどさ、今の音僕の右の人のじゃない?そう思い右を見てみるとまだ何も言ってないのに会長に睨まれた。怖えよ。しょうがないから小声で話しかけた。


「俺は紳士なんで」

「なんのこと?」

「俺は紳士なんで」

「だからなんのこと?」

「俺は紳士なんで」

「ありがとうございますアズマ様」

「それはそうと会長」

「ん?何?」

「お腹でなんか動物でも飼ってるんですか?」

「何が紳士よ!」

「ごべんなさい!」


 ビンタの音でみんなが振り返ると会長はうふふ、みんなどうしたの?とか言っている。切り替えすげえなこの人。それにしても元気がでない、俺も新しい顔とかで元気100倍にしたいよア◯パンマン…。そんなことを考えながら歩いていると黒木先生が声をかけてくださった。


「アズマくん、大丈夫?無理はしないでね?」

「はい!大丈夫です。いやもう元気100倍ですよ!」

「ふふっ、早くご飯を食べられるようにしましょ」

「ハァイ!」


「え、私と対応違くない?」


 どっかの会長がなんか言っているが何も聞こえない。猫をガンかぶりした会長なんて知り合いにはいないはずだ。


 ――――――――――――――――――――――――


 三階の掃除は意外と早く済んだ。みんなさっきとは違い、慣れたようだ。あとさっきから何か頭がフラフラする。なんでやろなあ?きっと真面目に働きすぎたからよ!などと頭の中でアリさんがお話ししている。


「廊下は全部片付いたようね。じゃあみんな各教室にもう安全だと声をかけてまわって!ご飯と保健室があるってことも伝えてね」

「「「「はい!」」」」

「あと、申し訳ないけど噛まれた人は隔離させてもらう旨も伝えて欲しいわ。抵抗する人がいたら猛、田中くん、根本くん、アズマくん辺りに援護を頼んでちょうだい」

「「「「はい!」」」」


 薄々気づいてはいたけど会長にはカリスマ性があるな。めちゃくちゃある。やろうと思えば生徒をアゴで使えるくらいに(アゴで使われている人からの意見)田中もカリスマ性があるけど会長と比べると霞むレベルだ。

 あとさっきなんか言ってたけどもうツッコむ気力も無い。ほんと何で頭フラフラするんだ?もう考えるのも苦痛だから早く仕事済ませて休も。



ありがとうございました

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