27話 びりびり
アズマver
とりあえず覚醒できたからよしとするか、
あの後解散し、今屋上には俺とネコと隆二がいる。
「なんだよ京次、覚醒って?」
「なんかお前がさ、この前さらっと噛まれて感染したって話思い出したからさ」
「親友が噛まれたのに忘れてたの!?」
「キシシ、隆二くん、たぶんアズマは隆二くんにも覚醒して欲しいんだよ」
そう、そうなんだよ。よくぞ言ってくれたネコよ。
隆二を覚醒させて、どんな能力か見てみたいんだ。決して俺の能力を見せて自慢したいわけじゃないぞ?たださ...ほら、俺って珍しいらしいじゃん?(自慢)
「たぶんアズマは自慢したいんだと思うよ」
「なぜバレた!?」
「見損なったぞ京次、親友を下げて自慢したいとか」
「ちがわい!能力があった方が生存率が上がると思ってだな...」
「嘘だね」
くそっ、厄介な目を持ったなネコめ。
ただ覚醒するに越したことはないと思ったのか、隆二が賛同してきた。
「まぁ、何はともあれ俺もどんな能力か知りたいからするか。どうやるんだ?」
「チャクラか◯ックスか◯麻」
「...えっ?聞き間違い?」
「大丈夫だ隆二、俺も同じ気持ちだったぞ」
「先輩面するなよ」
「全部難しいから、お前にも楽な方法教えてやるよ。ほら後ろ向け」
何故かネコがゴミを見るような目で見てきた。
いや親友を覚醒させてあげるためだからね?
俺だけあれで覚醒したのが恥ずかしいわけじゃないからね?
「後ろって...それで俺はどうすればいいぉぉおん!?」
「グハハハッ、ざまあみろ隆二!これが一番の近道なんだよぉ!」
「はぁ...アズマも男子だね」
うるせぇ、それにお前も男だろ。
カンチョーされた尻を押さえて蹲っている隆二を見ながら、達成感に包まれていると、妙な音が聞こえてきた。
バチッ
「ん?」
バチバチッ
「キシシ、これは...まさかね?」
「やっぱネコも聞こえたか、この音ってーー」
バチチチチチチチチッ
「んばばばばばば!?!?」
目の前で隆二が感電していた。
「うぉぉぉお!?」
「大丈夫隆二くん!?落ち着いて!」
「あばばばば!?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しばらくして電気が鳴り止んだ。
ぷすぷすした音と、少し焦げ臭い空気が鼻腔に刺さる。
「はぁはぁ...死ぬかと思った」
「キシシ、危なかったね」
「ち...ち...」
「ん?どうしたのアズマ?」
「ちくしょう!電気系の能力なんて聞いてないぞ!?なんでカッコいい能力なんだよ!!」
「...お前みたいな親友を持てて俺は幸せだよ」
「...たしかにそこがアズマの良いところかもね」
2人の呆れた視線が突き刺さる。
一番欲しい能力ランキング1位(矛盾)なのに!
ちなみに一番欲しい能力ランキング2位は透明化、3位は飛行能力です!
「ふぅ、とりあえず落ち着いたな。それで京次たちの能力は何なんだ?」
「うっ」
「僕が目だね、サーモグラフィーみたいに見えて相手の熱移動とか見れるんだ」
「おー、根本も良い能力じゃん。で、アズマは?」
「だ...だ...」
「あん?なんだって?」
「だ、第六感」
「ふっ」
「ーーーー!?!?!!!」
俺の声にならない叫びは市内に響き渡ったそうだ。後で会長に張られて怒られた。いやなんでまだ避けられないんだよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハツメの部屋に向かい、ことの顛末を伝えると、ハツメは目を輝かせて隆二に質問していた。おい研究者、俺の時銃一発だったぞ。
「ところどころ火傷しているので、何度もやって回復をしてを繰り返していけば使えると思いますよ。最大電力はやめといた方が良さそうです」
「おー、ありがとなハツメさん」
「なあハツメ、電気なんて人間と関係なくないか?」
「いや?我々が体を動かす際にも電気信号は使われていますよ?恐らくですけど、それを増大させて体外に放出していると思います」
「ずるい!」
「名前をつけるなら【パルス】ですね...と、ところで朝比奈氏、申し訳ないんですけど...どんなもんか見せてもらっても?」
「いいぞ、ヤバそうになったらゴム布被せてくれれば大丈夫なんだろ?」
「やったー!ありがとうございます!」
俺も見せようか?ほら、髪の毛立ててるよ?あ、おい、一瞥すんな。
ゾワッ
うわっ、なんか最悪の未来見えちゃったよ。何で俺が感電して...ん?未来?
考え事をしていると、ガシッと隆二が腕を掴んできた。何してんだこいーーー
「んぎぎぎぎ!?!?」
「ブハハハッ、どうだ京次!俺の電力あばばばば!!!」
「すごーい!人体の神秘ですよ!」
「キシシ、さっきカンチョーしたお返しだね」
早く止めろ!死ぬ死ぬ死ぬ!?
数分後、パーマがかかった男2人が殴り合いをしていた。




