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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
二章 ろりと犬とダッシュと編
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24話 みどり

アズマver


俺たちはハツメの部屋に来ていた。

ベットで寝ているレイの様子を見てみると、まだ汗はかいているが朝ほど苦しくないみたいだ。本当に良かった。レイを眺めて微笑んでいると、銀が話しかけてきた。


「ご主人、我のこと置いて行っただろ」


「え?アーワスレテター、ゴメンナーギン」


「完全に飼い主間違えたな...」


「俺が襲われそうな時に教えてもくれない犬なんて忘れてたよ、めんごめんーー」


「ガルルッ」


「危なっ!?てめぇ飼い主になんてことを!」


俺が銀とやり合っていると、中野たちが驚いていた。


「「喋った...」」


そうか、最近銀としゃべってばっかだったから完全に忘れてたわ。


「こら、じゃれあいは後にしなさい。そ、それより早く覚醒についてさ...ねえ?」


「本当ですよ...こんな大人数で人の部屋に押しかけてなんなんですか皆さん。あと菜々氏は何でこんなにウキウキしてるんですか?」


「悪いなハツメ、ちょっと聞きたいことがあってさーー」


ハツメに覚醒について話し、何か方法がないか聞いてみることにした。


「はぁぁあ、何なんですか覚醒って...もう私の研究ではない領域まで行ってしまったんですね...」


悲しそうな表情で遠くを見つめながら、ハツメは話し出した。そうだよな、お前ウイルスのこと子供達とか言ってたもんな。そりゃ悲しくーー


「ハァ...ハァ...、それより、そちらの方覚醒とやらをしてるんですよね、ちょっと見させ(開かせ)て貰ってもいいですか?」


「やっぱただのマットサイエンスだった!?お前ウイルスのこと子供達とか言いながら結局は研究意欲に侵されてるじゃねえか!」


「だめですよ!中野くんは私のか、彼氏なんですから!」


「...じょ、冗談ですよ〜。開くわけないじゃないですか」


おい、後ろのメス隠せてないぞお前。

埒が開かないので、とりあえず中野たちを紹介することにした。


「まあとりあえず、ハツメ、こいつがダッシュ中野で、こっちが琴吹だ」


「だ、だダッシュ?ぼ、ぼくのことですか?」


「足速いから、嫌か?」


「い、いえ、ああだ名なんて、つけてもらったこ、ことなかったので、あ、あってもゴミ虫、とか」


「「「「....」」」」


「だ、大丈夫よ中野くん!私もあだ名で呼ぶから、明くんだからあっちゃん!」


「へ、へへ、じゃ、じゃあぼくも、む、麦ちゃん」


「えへへ〜」


「私たちは何を見せられてるのかしら」


「サクッとやっちゃいましょうか姉御!」


「菜々、アズマ、落ち着け、見守ってやろうぜ」


そんなやり取りをしてると、ハツメが部屋の奥からガラガラと何かを持ってきた。お前の部屋色々あるのな。


「ハツメちゃん、それは何?」


「レントゲンです。とりあえずダッシュ氏の足が速い理由を探ろうかと」


「レントゲンって...3000万ぐらいするんじゃないかしら...」


「なんでそんなん会長も知ってるんですか」


そうして、ダッシュ中野の足をレントゲンで撮ってみると、奇妙な状態の写真が出来上がってきた。


「「「「「....バネ?」」」」」


「バネですねぇ...」


中野の骨がバネのように螺旋を描いていた。

この形だからあんなに早く走れるのか?ちなみに他の骨も撮ってみたが、足だけバネのようになっていた。


「ダッシュ氏、いつ頃から足が速くなったのですか?」


「も、元々速かった、ほ、方だけど、あ、明らかに、速さが、変わったのは、か、噛まれてもう駄目だとな、なった時かな?」


「そうだね、あっちゃんが噛まれて、パンダ?を全員引き連れて遠くで死のうとした時かも。あの時のあっちゃん笑って走ってておかしかったし」


「ランナーズハイですかね」


「ええ、俺今からマラソンするの?頼むよハツえもん、なんとかしてよぉ」


「ふむ...」


ハツメが下唇を尖らせ、顎に手を当てて考え始める。何故かガリ◯オのテーマソングが聞こえてくるようだ。

そのIQでオラを覚醒させてくれぇぇえ!!!


「わかりました」


「yeah!」


「とりあえずアズマ氏は半裸になって屋上に向かってください!」


「yeah?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


とりあえずハツメに言われたままに、半裸になって屋上にきた。タケさんは農作業に戻っていった。中野たちに危険がないか見張ってたようだ。相変わらずクールで痺れるぜ!会長は残ってるけど...

あとネコを呼んで一緒に覚醒しようってなって今にいたる。


「いいですかー、まず大きく息を吸ってくださーい」


「ふぅ...ふぅ...」


「キシシ、何が起きてるのかさっぱりだよ」


「ほらアズマ氏ー、集中してくださーい」


「できるかぁ!寒すぎて人生初の風邪ひくわ!」


寒空の下、俺たちは座禅を組まされていた。

ご近所さんに変な宗教だと思われちゃうでしょうが!


「私的には、『解放感』が覚醒のトリガーだと思うんですよねー」


「だからって何で座禅なんだよ」


「いや、チャクラを開くためですよ」


「は?怖、お前そっちの人?」


「私の中で今できる解放感があることは、チャクラと◯麻と◯ックスなんですよねー」


「...えっ?何か聞き逃した?」


全部ダメじゃん。何言ってんだこのマットサイエンスは、驚きすぎて聞き逃しちゃったと思ったよ。てか◯麻って今できるの?まさか育ててる?


「キ、シシ...じゃあ、チャクラしかないね」


「ネコ...お前顔可愛い系だから、照れてるとガチに見えるからやめてくれ」


「ほらー、集中してください」


「てか何でネコは服着てんだよ!」


「個人の自由でーす」


「俺のは!?俺の自由は沖縄とかに行って暖かい思いでもしてるの!?あと何でお前そんな遠くから話してんの?さっきの◯ックスとか聞き逃しかけたからね!」


「覚醒内容が人それぞれなのでー、爆発とかした場合に備えてでーす」


「えぇ...はっ!?ネコ、俺は解放感を手に入れる方法を思いついたぞ」


「...どうせくだらないことだと思うけど、何?」


「それはだな..オナびぃ!?何ですか会長!爆発しますよ!」


「うるさい!早く覚醒してよ!」


ブラックすぎるだろこの会社。会社じゃないか。

とりあえず寒さには慣れてきたから、ハツメにチャクラについて聞くか。


「ハツメ、チャクラってどうやって開けるんだ?」


「えっとですねー、チャクラ瞑想は、身体に存在するとされるエネルギーセンターである7つのチャクラを活性化させる瞑想です。まず、静かな場所で座り、背筋を伸ばして目を閉じ、呼吸に意識を集中させます。次に、第1チャクラから第7チャクラまで順番に、それぞれのチャクラの位置をイメージし、色や役割、マントラなどを活用して活性化を促します」


「えっ?何のコピペ?」


「キシシ、なるほどね」


「何でネコはわかるんだよ...」


ネコは瞑想を再開し、様子を見ているとあたりの空気が歪むように見えてきた。え、まじで?


「ふぅ...おー、なるほどね」


「み!?み...み...」


「どう!?ネコくん!何か変化...が...み...み...」


駆け寄ってきた会長もネコを見て驚く。


「どうしたんだい?2人とも何か変化あった?」


「「緑色になってる!?」」


俺と会長は驚いてネコの瞳を見ていた。元々はウイルスを使うと赤色になっていたアーモンド型の瞳が、今は緑色になっている。かっけぇ...。


「どうですかネコ氏、色は変わってますけど、何か他に変化はありました?」


「キシシ、んー、ちょっと説明しにくいんだけど、アズマ協力してもらえる?」


「いいけど、何すればいいんだ?」


「今から僕を至近距離で殴って欲しいんだ」


「ええ?大丈夫かよ」


「うん、たぶん?受けすらしないかも」


よし、やってやるか。ネコと近くに立ち、普段の稽古だったら絶対に受け止めなきゃいけない速度で()()()()()()


「キシシ、さすがアズマ良くわかってるね」


「は?」


「というよりアズマ氏流石卑怯ですね」


蹴ろうとした瞬間、ネコに足を押さえられていた。つまり蹴る前にバレていたってことか?


「続いてアズマに質問するけど、全部いいえで答えて」


「わかった」


「アズマって、異性として好きな人いる?」


「いない」


「嘘だね」


「ファ!?」


「キシシ、あとは...アズマ僕のこと好き?」


「嫌い」


「キ、シシ、ありがとう嬉しいよ」


「嘘だったってことね」


「何でわかるんだよ!!」


自分で聞いときながら、顔を赤らめたネコが説明し出した。


「たぶん僕の覚醒は目が良くなったことだね」


「それだけ?」


「うん、サーモグラフィーみたいに見えてて、体温の変化で攻撃の瞬間や嘘がわかりやすくなったって感じかな、今のところは」


「そんなに!?すげえ!」


やっぱすげえな、覚醒...。

いや俺のは!?



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