14話 きたく
あいぽん変えたら下書きがどっかいったぜ☆
そのショック+五月病(仮病)で全然書けなかったんだ!許してくれ!まぁ、そろそろ梅雨だしその水に流してくれ的な?ぶははははははは!
本当に申し訳ありません。これからもダラダラするかもしれませんが許してください。あ、靴舐めます。
高橋菜々ver
アズマくんと服をかき集めて、鍵が車内に置きっ放しだった車を拝借して拠点に帰る。
最初はアズマくんが「もう終わりだ」とか言って私の運転に対して危惧してたけど、実際にやってみたら意外と普通に進んだら安心してくれたみたいだ。運転って意外と簡単なのね。(※個人の感想です)
安心してからはアズマくんは静かになってくれた。でもそれからずっと黙り続けている。今も窓の外をぼーっと眺めている。仕方ないよね、人を殺すなんて普通に生きていればないんだもの。
ある程度のことは聞いた。でも詳しいことは話してくれなかった。
「…」
「アズマくん?そんなに気に病まないで…」
「…初めてじゃないんすよ、初めてはネコの親父さんを殺した時ですから」
「…」
「嫌なんですよ」
「何が?」
不貞腐れたような表情でアズマくんは話し続ける。
「殺すことに慣れるのが、会長が前に言ったじゃないですか、人間は慣れる生き物だって。俺は人を殺すことに慣れ始めてる」
「…そういうことね、確かに人間は慣れる生き物って言った。でもね、アズマくんはそうやって考えてるんだから大丈夫よ」
「全然大丈夫じゃないっすよ、今だって殺したことを後悔してないんですから。それよりも片柳が俺との約束を守らなかったことに対して腹を立ててまでいる」
…アズマくんはたぶん優しいのね、気にしないことを気にしてるもの。
「そうね、じゃあアズマくんが間違えてると思った時は私と猛で君を止めるわ…全身の骨を砕いてでも」
「えっこわっ」
――――――――――――――――――――――――
その後はパンダを何体か轢き飛ばしながら進み、問題なくマンションに着いた。途中で猛たちに合わなかったからもういるのかな。
「さ、ここからは車を降りて進むよ」
「うす」
周りにパンダがいないことを確認し、衣服を詰め込んだリュックを持ってマンションに入る。
エントランスに入るとそこには人が立っていた。
「菜々!」
「お、猛。生きてたのね、よかった」
「お前もな!それにアズマも生きて…たん…だよな?…誰だお前」
「いやアズマですよ!なんすかその目は!疑いを孕んだ目で見ないで!」
そっか、私はなんだか見慣れ始めてたんだけど初見は少し…とても奇抜よね。
「まぁまぁ、アズマくんがあれなのは置いといて「あれってなんすか!」みんなは無事?」
そう聞くと猛の表情が暗くなる。そっか。
「何人?」
「2人、逃げてる途中で…救えなかった」
そう、やっぱり何人かはダメだったか…もっと、もっと私がしっかりしなきゃ。誰も死なせないために。今回も何か他の方法が、しっかりしなきゃ、私がしっかりしな――
「ねぇ!あれってなんすか!そんな酷いことなんで言うんだ!」
「…あの、ちょっと黙っててくれる?」
「ハンッ、誰も会長のことなんか恨んでないっすよ。なのに何をそんなに気に病むんですか」
「でも、私がしっかり――」
「嫌なくらいしっかりしてますよ。それに、恨まれんなら俺っす。会長を集団から離れさせた原因なんだから」
「それは私が「あーもう!そんなことよりもさっきの発言謝罪してくださいよ!」…ちょっと」
「ふっ、アズマの言う通りだ菜々。これからも抱え込み続けたらお前、壊れるぞ…死んだやつらのことを忘れろって訳じゃねえ、ちゃんとお悔やみすればそれでいいんじゃねえか?」
少しだけで軽くなった。でも私は…うん、切り替えはできないけどいつまでもくよくよしてたらだめだね。そしたらまた誰かが死んじゃうもん。
「アズマくんはやっぱり優しいのね」
「は?なんすかそれ、てかやっぱりって言いますけど優しいなんて言われたことないっすよ」
手を伸ばして変わってしまった彼の頭を撫でる。うん、少し脂ぎってる。でも嫌な気は全然しない。
「何するんですか!?やめぇ!」
「おいアズマ、照れてんのか?おら」
私に続いて猛もアズマくんを撫でる。するとどんどん顔が赤らんでいく。ふふ、こうしているとそこら辺の男子と変わらないなぁ。
「ちょっ、やめっ…やめてー!!!」
しばらく撫でていると、アズマくんの騒ぎ声が聞こえたのかたくさんの人が降りてきた。そうね、私はこれからもこの人たちのために頑張らなきゃ。
集団の中から小さな影が飛び出して、アズマくんに抱きついた。
「…けいじっ」
「ん?レイか、ただい…え、な、なななんで泣いてんだ?」
レイちゃんはアズマくんにしがみつきながら涙を流していた。それを見たアズマくんはあたふたし始める。そこに集団の中から何人かが歩み寄ってくる。
「キシシ、レイちゃんね、ボクらが帰って来たのにアズマがいなかったから泣いちゃって…それにしてもすごい頭だね」
「そうなんか、ネコも無事でよかった。頭は、まぁちょっとな」
ネコくんがアズマくんに声をかける、この2人はパンデミックが起きてから知り合ったのにだいぶ仲が良さげだ。
「アズマっちおかえりー!心配したよー!…そ、その髪すごいはしゃいでんね!!!」
「おー羅夢、相変わらず元気だな。頭は別にはしゃいだわけじゃねえよ」
羅夢ちゃんもパンデミック以降知り合ったのに、随分アズマくんに懐いている。
そしてもう1人、朝比奈くんだ。私はこの人のこと知らないけど、昔からの友達らしい。アズマくん友達いたのね。でも今はそんなことよりも気になることがある。
「おい京次!こんな可愛い子泣かすなよ!それにしてもすごいあた――」
「うるせええええええ!!!どんだけ俺の頭イジってくんだよ!!!ねぇ会長!?…会長?」
3人全員に頭のことを言われたアズマくんが私に訴えかけてきているが、今それに対応することはできない。私はこっちに近寄らないでいる人達に目線を送る。
「ねぇみんな、どうしてアズマくんを睨んでいるの?」
降りてきた時からアズマくんを睨んでいる人が何人かいたのだ。私の問いかけに対して1人が答える。
「会長…だってそいつ人殺しですよ?」
「あ?」
人殺しと言われてアズマくんが反応し、レイちゃん話剥がして離れている人達に歩みを進める。
「おい、たしかに俺は殺したけど先に襲ったのは相手だぞ」
「ち、近づくなよ!人殺しのくせに!それにお前が言っていることは嘘だ!」
「はぁ?だから、先に襲ったのは相――」
「片柳から聞いたんだ!お前が向こうの人を呼び出して殺したって!」「そうだ!それにお前銃を隠し持ってたそうじゃないか!」「よくのうのうと生きられるわね、人殺しのくせに」「会長離れて!」「あいつ、根本の親も殺したらしいぜ」「女子生徒も何人か襲われてるらしいよ」
1人が話し出すと、爆発的に全員がアズマくんを非難しだす。中にはアズマくんがやってもいないことを言いはじめる人までいた。
それに圧倒されたのかアズマくんが少したじろぐ。アズマくんに近づいた3人も何が起きているのかわからないでいる。私もそうだ。
「お、おい、だから俺は「もういいんじゃないか?アズマくん」…は?」
アズマくんの言葉を遮って1人の男子生徒が話しかけてくる。片柳くんだ。
「おい片柳、てめぇどういうつもりだ?」
「だから、俺たちはお前と一緒には…人殺しと一緒には生きていけないって言ってんだよ」
「…片柳ぃ!お前俺との約束破ったの忘れてねぇだろうな?」
少しずつ怒り始めたアズマくんに片柳くんは近づいてくる。
「約束?なんのことだよ。俺はお前に殺されかけてなんとか逃げたんだぞ?何を約束なんかするんだよ」
挑発的な口調で近づき、ついにはアズマくんの目の前にまで来た。
「…もしかしてお前、今なら俺に勝てると思ってるんか?」
「ハハッ、どっからどう見たって死にかけじゃねえか。やめてくれよ、弱いものいじめなんてしたくないんだ」
「…ぷっ、ぶははははは!」
「…何がおかしいんだ?」
「くくく、だって、あんだけビビってた奴が俺の怪我見て強気になってんだぜ?おかしいだろ!ぶふっ」
大笑いし続けるアズマくんに苛立ったのか、片柳くんはアズマくんの襟首を掴み上げる。
「おい!人殺しの分際で何「あ゛?この状態でもてめぇくらいなら100回殺してもおつりくんぞ?おい、殺されてぇのか?」っ!?ひっ!?」
アズマくんの殺気を浴びた片柳くん…片柳は襟首を離して距離を取ろうとするが、今度はアズマくんが襟首を締め上げて離さない。さっきまで騒いでいた人達も殺気を感じたのか静まり返る。
「ぐっ、や、やめろ…」
「やめろ?何言ってんだ。お前は俺より強えんだろぉ?だったらやめさせればいいじゃねえか!それにやめてほしいなら頼み方あんだろ!なぁ!聞いてんのかよ!」
「…や、やめてくださ「嫌だね、もう許さない」あぐっ!?」
アズマくんは片柳を片手で持ち上げ始めた。あー、完全に怒ってる。そろそろ止めないと本当にアズマくんが皆んなといられな「ケイ!もうやめて!」ん?詩乃ちゃん居たんだ…なんかやな予感がする。
詩乃ちゃんの声を聞いたアズマくんは片柳を離して落とす。どうやら殺気も蒸散したようだ。ふぅ。
「詩乃…お前も無事だったんだな」
「ケイ…」
このまま何もなければいいけど…。
感想ください。叱咤でもいいです。
でも普通の批判だったらたぶん逆ギレします。




