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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
二章 ろりと犬とダッシュと編
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5話 おやすみ

途中で視点変わる気がします。

 風呂を堪能した後、鏡で改めて自分の体を見る。前見た時よりも更に引き締まっている。たしか、超回復だっけ?体がまだギシギシ痛むけど鍛えられてんのは確かだな。


 風呂から上がると上下灰色のスウェットと新しいパンツが置かれていた。なんだこれ。

 とりあえずそれを着て部屋に戻ると、レイがブカブカの服を着て詩乃に髪を乾かされていた。


「このスウェットどうしたんだ?」


「ああ、それ見つけたのよ。大丈夫、新品だから」


「詩乃の分はあるのか?」


「ちゃんとあるから気にしないで。それにずっと制服のままじゃ心も休まらないから、って会長が探索係を優先に分けてくれたのよ」


「へぇ…じゃあ俺とお前は探索班なのか。え?詩乃も探索するのか!?俺何も聞いてないんだけど!」


「言ってなかったからね」


「危ねえからやめろって!」


「ケイだってやってるじゃない」


「俺はほぼ強制だよ!今回の探索班も聞いてなかったし!てかお前たしかO型じゃねえだろ」


「別にO型じゃなくてもやる気があればできるわよ、私結構運動神経あるしなんとかなるって」


「まじで言ってんのか?」


「覚悟はできてるよ…パンダを殺すのも躊躇わない」


「…好きにしろ」


「元から好きにしてるわ」


「…しのちゃんあつい」


「あ!ごめんねレイちゃん!」


 ドライヤーを当てすぎた詩乃が、あたふたしながらレイに謝っている。おい!レイが火傷したらどうするんだ!

 そろそろ眠たいな。明日の用事とか特にないけどもう寝ようかな。


「俺そろそろ寝るから、じゃあな」


「何言ってんの?私たちもここで寝るわよ?」


「は?」


「2人以上で部屋を使うって話だったじゃない、聞いてなかったの?」


「いや、それでなんでお前とレイなんだよ」


「いいじゃない、もう会長に報告しちゃったし」


「やだよ!なんでお前と寝るんだよ!」


「別に学校でも寝てたじゃない」


「…はぁ、じゃあ俺はソファで寝るぞ」


「せっかく大っきいベッドがあるんだから、それでいいでしょ」


「恥ずかしいじゃん!」


「なに乙女みたいなこと言ってんのよ。レイちゃんも京次と寝たいわよねー?」


「…うん」


「わかったよ!ただ変なことすんなよ」


「なに言ってんの?変なこと考えてんじゃないわよエロガッパ」


「それ流行ってんの?」


 結局3人川の字で寝ることになった。もちろん真ん中はレイだ。ベッドに入ると、疲れていたのかレイは遠慮がちに服を掴んですぐ寝始めた。ほんと懐かれたな。いつ死ぬかわからない俺なんかより、他の人間を頼って欲しいんだけど…。

 寝られるか心配していたが、たしかに学校で添い寝してたから何の問題もなく寝られるそうだ。むしろ添い寝しないと寝られなくなってそうで怖い。

 あっつ!?レイの体めっちゃ暖かいな。子供の体温ってこんなに高いのか、湯たんぽ並みだぞ。あ、もう寝そう…。


 ――――――――――――――――――――――――


 神崎詩乃ver


 もう2人とも寝ちゃった。レイちゃんは今日まで心休まってなかったし、ケイもずっと動いていて疲れてるのかなぁ。私だけドキドキして損しちゃった。


「スー…スー…」


「ガー…スー…ガー」


「…ふふっ」


 一緒に寝息を立てている2人が本当の家族みたいで微笑ましい。そういえばレイちゃんには家族っているのかな?あまり聞かない方が良い内容だけど、やっぱり家族の元に行けたら行くのが一番いいもんね…。


 パンデミックが起きてから、今日まで色んなことがあった。多分これからももっと色んなことがあるし、誰かが死ぬかもしれない。そんな恐怖がある中でパンダと戦っている人たちは本当に尊敬する。私もそうなりたいと思えた。だから会長にお願いして探索班に入れてもらった。


「…ガー…スー…」


「…ふふっ」


 ケイも普段は死んだ目しているけど、寝顔は子供みたいなんだ。最初は死にたくないから強そうで、私の言うこともすぐ聞いてくれそうだったから話しかけただけだったのになぁ…。いつからかその考えは消え失せ、今では本当に一緒に居たいと思えるようになってきている。こんなことケイに話したら、愛想尽かされて一緒に居られなくなると思うと怖くて話し出さないでいる。


 私は後悔していることがある。それはケイに対する喋り方についてだ。最初話しかけた時は緊張して高飛車みたいな喋り方になってしまった。そのせいでいつも変な喋り方になっちゃう。いつか直せたらいいな。


『お前の幼馴染な、あいつ生きてるぞ』


 最近は、前に話した変なお面の人に言われたことを思い出す。でもあの人は何で私の幼馴染のこと知っているんだろ?もし幼馴染が生きていたらもちろん会いたい。

 私の幼馴染はケイとは違って、顔がかっこよく人懐っこい笑顔でみんなに大人気だった。でも少しズボラな所があって私がいつも世話を焼いていた。あ、でも全然好きじゃないよ?腐れ縁ってやつね。そもそも幼馴染で付き合うなんて幻想だよ。最近会長と猛さんというカップルに遭遇したけどあれは例外…。


「2人ともおやすみ…」


 私も眠くなってきたからそろそろ寝よう。2人に布団をかけ直して眠りにつく。おままごとって笑われるかもしれないけど、いつまでもこの生活が続けばいいな…。

そういえば詩乃さんはお面野郎に会ってましたね。なんか話したんけ?

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