4話 何針の怪我をしたとか自慢する人いるよね?俺もする
開いていただき感謝の極みです。
毎度恒例の余談だが(恒例になるほど話数書いてnげふんげふん)うちの学校の制服は今時珍しく、学ランとセーラー服である。学ランは首ら辺のとこに学年のワッペン?で見分け、セーラー服は後ろにあるリボンの色で見分けることができる。決して後付けではない。後付けではない(余韻)。
閑話休題
南側の防火扉前には1.2.3年がごちゃまぜになったグループが集まっていた。これから変質者にまた会いに行くと思うと震え…決して震えではなく武者震いが止まらない。各々心配そうに顔を合わせていると、田中がドアの前に立ち話し始めた。
「俺はまだあいつらとは戦ったことがない、黒木先生は5体ぐらい倒せてたけど…と、とにかく!戦ったことはねぇが、なんだかやれそうな気しかしない!昼休み前に事件が起きて、まだ飯も食えてない。一階には食堂があるから学校を安全にしてうまい飯をみんなで食べましょう!」
「「「「おおおおおおおお!!!」」」」
人生で誰も経験したことのないような事件に遭遇し、非現実感に酔いしれてるのかお互いがお互いを鼓舞するように声を上げた。
それはともかく、なんで田中は変質者って言わないんだろな。めんどくせえから後でどう呼ぶか統一するよう話してみるか…学校を安全にしてからな!(酔いしれてる)
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1時ちょうどだ。黒木先生を先頭にドアを開けて一階へ突入する。
「みんな、絶対に生き残りなさい」
「「「しゃあああああ!!!」」」
ドアを開けると、そこには誰もいなかった。よかった。まだ南側の方が少なかったんだな。北側が騒がしくなってきた。
階段を降りて廊下に出ると左右に10人ずつぐらいで変質者がいた。すると黒木先生が指示を出した。
「作戦通り、今回は二手に分かれないで後ろに気をつけながら進むわよ!右から進んで行くわ付いてきて!」
「「「おう!!!」」」
「お、おう(ええ、その作戦俺聞いてなかったんですけど)」
運動部であろう人たちが率先して変質者に突っ込んだ。
「なめんな!」「こいつは高橋の仇!」「てめえらのせいで!」「恨まないでくれよ!」
運動部だけで10人ぐらいの変質者をものの3分で片付けてしまった。すげえな。そのまま廊下を突き進み角を曲がった先に飛び込んできた景色は、地獄絵図だった。変質者が生きてる人間を喰らい、あたりには人間の一部であったろう物が散らばっていた。吐き気がするな。
「…うぷっ」
「立ち止まっている暇はない!周りに注意しながら殲滅するぞ!」
「「「よっしゃああああああ」」」
誰かが吐いたが、そこで田中が檄を飛ばし全員で地獄に飛び込んだ。そこからは運動部の連中以外も加わり全員で変質者を殺しにまわった。あるものはバットで、あるものは掃除道具で、あるものはボールペンで、あるもの、え?ボールペン?
「邪魔よ!どきなさい!」
「黒木先生ボールペンぶっ刺して戦ってる!!!」
黒木先生はボールペンを変質者の目に刺し込み、そこからさらにボールペンに掌底?みたいなのを打ち込んで奥深くにボールペンを刺しこんだ。変質者は糸が切れた操り人形のようにその場に倒れた。す、すげえ。
「ひ、ひぃっ。た、助げで!」
「え?うわっ後ろがやられてんぞ!くそ!」
後ろの異変に気付き、振り返ると有志で集まった1年生が変質者に襲われていた。もう躊躇はできない。覆いかぶさっていた変質者の頭を潰すと、さっき感じたばかりなのにまた身の毛が逆立つような感触が広がった。これで2人目の殺人だ。
「おい!噛まれたか!?」
「か、噛まれてない!でももう1人がまだ後ろに!」
「はあ!?」
さらに後ろを見ると4人の変質者に囲まれた有志の人がいた。...田中たちは前に進むので手一杯か。
「お前は前の連中に合流しとけ!俺が後ろに行く!」
「あ、ありがとう!」
1番遅れているやつのところに行くとすぐさま二体殴り殺した。感触が広がり続ける。頭がおかしくなりそうだ。あれ?なんで俺は知りもしない人を助けるために命懸けてんだ?わざわざ危険なことをしなくてもいいはずだったのに。と考えている間にさらに二体の頭を潰すことができた。
ここまで戦ってみてわかることは変質者の動きは今の所遅く感じるな、一般の男子学生が1対1で相手して冷静に戦えば勝てるくらい。変質者が走ってるところはまだ見ていないが腕力がバカ強い、人1人は放り投げられるくらいだな。
「よし、おい大丈夫か!?」
「…」
「おい、死んでんじゃねえよ…!」
襲われていた生徒を見てみると、いたるところが喰い千切られ、一目で亡くなっていることを感じさせる死体になり下がっていた。くそったれ、こうなっては仕方ない。みんなに合流するか。しかし生徒会とかもちゃんと戦ってんのか?全然見えないけど。とにかくやるしかな「おいアズマ後ろ!」誰が志村だ。後ろに何が…
「ヴァァア!」
「うそだrーーーーっ!!!」
振り返ると、さっき殺された奴が起き上がり、俺を薙ぎ払うように殴りかかっていた。避けれねえ!バットでふさぐか!?
「ぐお!?」
予想の3倍は超える力で殴りやがった。そのまま俺は窓を突き破り中庭に吹っ飛ばされた。
「がは!痛え!息できなかった」
「アズマー!」
「気にすんな!それより早く終わらせろ!」
田中が声をかけてきたけど心配するなら早く終わらせて欲しい。それに、気になることがある。なんでさっきの変質者は俺に噛みつかずに殴ってきたんだ?今まで殺してきた変質者よりも力も強かったような…。今は他のこと考えてる暇はねえか。飛ばされたのが中庭でよかった。ここには変質者がいねえな。
「てか頭から血出てんじゃん…。窓の破片で切れたのか、痛え」
「キシシ、大丈夫?」
「今にも死にそうだよ。にしてもお前変な笑い方だな…ってうぉ!?」
そこには背は俺より少し低く、猫目をしていて中性的な顔立ちの男子生徒がいた。おどかすなよ。てか変な笑い方してんのこいつだったのか…。そんなことより。
「なんでここにいるんだ?ネコ」
「ネコ?キシシ、それってボクの呼び方かい?まあ猫好きだからいいけどさ、田中を落ち着かせるためにボクが行くって言って来たんだ。彼があそこにいなくちゃボクらは危なさそうだからね」
「猫っぽいからネコだ。なるほどたしかに田中は必要だな、それでどうする?ここで休んでるか?もう動きたくないんだけど」
「キシシ、君は面白いね。考えたんだけど、中庭からなら生徒会の人達を探して窓突き破れば加勢できるんじゃないかな?」
「あー、やっぱり働くのか。となると生徒会はどこに…見つけた。あそこだ」
「ほんとだ。ん?1人すごく強い人がいるね。あの人以外はみんな大変そうだからボク達で助けに行こうか」
「やだなぁ、怖いなぁ」
「キシシ、ほんとに面白い。君とはこの後も話して欲しいな」
「できたらそうしてくれ」
生徒会の連中も必死に戦っているようで俺らが近づいても気づかないな。勝手に加勢するしかないか。
「よいしょ」
「軽い掛け声で窓割るんだね。よし、鍵は開けたから入ろうか」
「うぃ」
中に入り込むと生徒会の連中がこっちを見て驚いているが、そんなの気にしてる暇もないわけで、近くの変質者の頭を叩き潰した。そういえばネコは武器になるもの持ってなかったような…
「おいネコ!」
「なに?アズマ。それよりこの人達のとどめを手伝ってくれないかい?」
「はぁ!?なんじゃこりゃ!」
そこには両足両腕の骨を折られ、身動きが取れなくなっている変質者が4体転がっていた。あいつが素手でこれを?しかも俺が一体倒す間に…ネコとか呼ぶのやめようかな?もう虎だよ虎。こんなに強いのかこいつ。逆らわないようにしとこ、俺の信条は長いものに巻きつけだからな。
「アズマ?嫌だと思うけど素手じゃとどめをさすのは大変だから頼むよ」
「はい!わかりました!」
「キシシ、なんだいそれ?」
暇です。