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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
一章 パンデミックがやってきた編
29/76

29話 災害時にモテちゃう系主人公

あざす

 田中ver


 現在俺たちはマンションのエントランスで菜々さんを待っていた。なにやら管理人室に侵入してきてマスターキーを探してくると言って、猛さんと一緒に奥に行ってしまった。

 井上が学校を襲撃してから俺たちは一目散に逃げ出し、菜々さんが言っていたマンションに辿り着いた。

 道中で何人かパンダに襲われたけど、俺は助けることができなかった…。


「…くそっ」


「あの、大丈夫?大毅」


「あ、春香。気にしないで、平気さ」


 エントランスにある椅子に座って悔やんでいると、春香が俺の心配をしてくれた。春香は初日にアズマが助けてくれた女子生徒だ。あの日からなんでかは知らないけど結構一緒に行動してくれている。よし、いつまでもへこたれてる場合じゃないよな。

 春香で思い出したけど、アズマはどこにいるんだ?根本と喧嘩して怪我してたけど…。


「春香、アズマがどこにいるか分かるか?」


「え?アズマくん…?ああ、アズマくんね。ごめん、どこにいるか分からないわ」


「いや、いいんだ。気にしないで」


「うん。ありがとう」


 春香は今アズマのことを忘れてなかったか?自分を助けてくれた人の名前なんて忘れなさそうだけどな。


「みんな…マスターキーを見つけてきたわ。とりあえず今日は誰もいない部屋に泊まりましょう」


 菜々さんが帰ってきてカードキーを見せびらかした。ここのマンションは相当金かけてるんだな、こんなことにならなきゃ俺なんて一生住めなさそうだ。

 みんなも久し振りにちゃんとした寝床で休めることに喜んでいるようだ。でもその中にアズマの姿が見当たらない、あいつどこ行ったんだ?

 一度気になってしまうと仕方がない、怖いから一緒に泊まろうと言ってくる女子たちに了承しながらアズマを探す。しかし誰に聞いても「アズマ?誰?」みたいに誰も知らなかった。


「はは…あいつどんだけ人と関わってないんだ?」


 しばらく探すと神崎さんと猛さん、菜々さんが話しているのを見つけた。


「あ!神崎さん!」


「田中くん?…何?」


「アズマが見当たらなくてさ、神崎さんなら知ってるかと…どうしたんだい?その目」


 神崎さんの顔を見ると、泣き腫らした目をしていた。まさかアズマに泣かされたのか?


「…」


「神崎さん?」


 神崎さんが黙っていると、菜々さんが代わりに話し始めてくれた。


「ふぅ、私から話すわ。アズマくんは今、学校にいるのよ」


「え?学校って、どういうことですか菜々さん」


「俺がアズマを助けられなかったんだ。本当にすまない神崎」


 質問をすると、今度は猛さんが答えてくれた。え?学校って、じゃあアズマは取り残されたのか?


「…さっきも言いましたけど、猛さんの所為じゃないです。それに私には猛さんを責める理由なんて一つもないんで気にしないでください」


 重たい空気が流れる。ただでさえトラックに乗っていたあの数のパンダを手負いの状態で相手するなんて絶望的なのに、さらに増える恐れがあるなんて…。


「あ!アズマはO型だから噛まれたら強くなれるんだよね?だっだら大丈夫だよ神崎さん!あいつはなんだかんだ言ってしぶといから『え?どうしたの?』とか言って普通の顔で帰ってくるさ!」


「…ありがとう田中くん」


「そうね、今はそれに賭けるしかないわね。さ!あなたたちも疲れてるんだから寝なさい。見張りは猛と黒木先生がやってくれるから」


「そうだった。黒木先生に先にやってもらってるんだった。神崎、俺もあいつはここで死ぬタマじゃねえと思ってる。だから今日はゆっくり休め、そんな顔じゃアズマと会えないぞ?」


「猛!女の子になんてこと言うの!こっちきなさい!」


「いてっ、俺なりに配慮をしたんだけど」


「うるさい!じゃあ2人とも、おやすみなさい」


 菜々さんは猛さんの耳を引っ張ってどこかに言ってしまった。あの2人はいつも仲良いなあ。


「神崎さん、俺もそろそろ行くよ。おやすみ」


「…おやすみなさい」


「…神崎さんさえ良ければ俺が寝る部屋に来る?あ!別にそういうつもりじゃないよ?なんでかわかんないけど女子が多くてさ、神崎も来れば安心できるんじゃないかって!」


「…ふふっ、ありがとう田中くん。でも大丈夫、羅夢とあずさちゃんたちがもう誘ってくれてるの」


「そうか、なら良かった」


 そこで俺たちはわかれた。


 部屋に戻り、まず最初に風呂に入った。自由に入っていいと菜々さんから言われてたから速攻で入った。2週間とちょっとぶりに入った風呂は、ものすごく気持ちよかった。汚れがたくさん出てきた時は少し焦った。

 その後、風呂に入っていると春香や他の女子が入ってきたりなんだりと大変だった。女子の裸なんて見たことがなかったからパニクってしまった。


 風呂から出ると、部屋にあった布団を拝借してみんなで川の字になって寝始めた。ち、ちかい、風呂上がりの女子ってなんでこんなに匂いがいいんだろ。


 隣で寝てる春香があいさつしてきたので、さっき気になったことを聞くことにした。


「大毅、おやすみ」


「春香、さっきアズマのこと忘れてなかったか?」


「わ、忘れてなんかないよ。ただ…」


「ただ?」


「アズマくんって何話していいかわかんないじゃん。あと目がなんか死んでるし」


「あー、あいつ人見知りなのかな?」


 そんなに目死んでる…?とアズマの声が聞こえてきそうだ。はは、あいつ本当に大丈夫なのかな?


「それにアズマくんは壁を作るのよ」


「壁?そんなこと感じたことないな」


「それは大毅が友達だからじゃない?」


「友達か…そうだといいな」


 そのまま他愛のない話が始まり、いつのまにか寝ていた。


 ――――――――――――――――――――――――


「おい!田中起きろ!」


 猛さんの声がする。


「んん、はい?どうしたんですか?」


「とりあえず屋上に来い!」


 寝起きの頭が働かないまま屋上に行く。ここのマンションって屋上もあるのか、すごいな。

 屋上には神崎さんたちもいた。神崎さんはひざから崩れ落ちている、何があったんだ?


「田中、あっちを見ろ」


「え?あ、煙…学校の方からですね」


「学校が燃えてるかもしれねえんだ」


「学校が?だったらアズマは…」


「わからない、でも校内にいたら助かってないかもしれない」


「ケイ…ケイ!」


「シノっち、アズマっちなら大丈夫だよ」


「そうですよ、だってケイくんですよ?」


「神崎さん…」


 神崎さんはあずさ達に慰められていた。



 一階のエントランスに戻り、みんな黙っていると菜々さんが話し始めた。


「みんな、いつまでも悔やんでいちゃだめよ。私ももちろん悲しいけど、このまま私たちが死んだらアズマくんが悲し――」


 玄関のドアが開いた。みんなが玄関の方に視線を向ける。


 そこには制服の至る所が破けて、髪の毛は少し白髪混じりでさらに少し焦げているアズマが立っていた。


「アズマ!生きてたか!!!」


「え?どうしたの?みんなして死人見たようなか「ケイー!!!」グボァ!?痛え!怪我してんだけ「ケイくん!」ガハッ!?いてててててっ!だ、だから怪我して「アズマっち!」ぐ「アズマくん!」は「アズマ!」話聞いて!?」


 タックルのごとく神崎さんが抱きつき、その後に続いてそこにいるみんなが抱きつき始めた。アズマ、お前ってやつは!心配させやがって!俺も抱きつこう!


「し…しぬ…」


 あ、そろそろやめないと本当に死にそう。

なんかダラダラした文章になっちゃった。

すまねぇ...靴を舐めることしかできねぇんだ。

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もう靴ヨレヨレなんだが...
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