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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
一章 パンデミックがやってきた編
28/76

28話 聞こえル

短めですかね

「痛えな!この野郎!」


 噛みついていたパンダを突き放す。だめだ、これじゃ勝てない。

 一回態勢を立て直そうと、校内に逃げ込む。パンダは歩く程度の速さしかだせないから逃げるのは何とかなりそうだな。


「ハァ…ハァ…ここまでくりゃ何とかなんだろ」


 俺が逃げ込んだ先は理科準備室だった。あいつらは目はそれほど見えてないだろうし、唯一頼りの耳も外の爆音の所為であんまり役に立たねえだろ。


「にしても痛えし気持ち悪い…」


 噛まれてから数分経っているが、痛みは引くどころか増えてってる。痛みだけでなく気持ち悪さも出始め、頭がおかしくなりそうだ。


「パンダにならないって…嘘かよ…うっ、オエェ」


 吐き気までしてきた。体が寒い、いや熱い?よくわからなくなってくる。虫が脳内を這いずりまわっているような感覚もしてくる。



















 寒い 辛い 痛い 苦しい 殺す 死ぬ やばい 焼ける 凍る 吐きそう 破裂する 頭痛い 腹減った 気持ち悪い

 死ぬ 熱い 寒い 殺す 詩乃 吐く は元気か 痛い 死にたい 熱い ネコ 意識が どこだ 苦しい 誰か 死ぬ 助けて 殺す つらい なんで 殺す 死ぬ 殺す 誰もいないの 痛い 殺す うるさい つらい 殺す 殺す うるさい 殺す 殺す ころす 死ね ころす ころす 誰だよ ころス ころス こロス うるさいこロス コロス コロス コロス コロス やめてくれ コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス




 頭の中に一気に感情が押し寄せた。


「そうだナ…コろソウ」


 全部殺しちまえば済む話だ。体も不思議と動くようになったシ、殺すか。

 バットを片手に廊下に出るとパンダがたくさんいた。


「見てんジャ、ねぇヨ」


 一体目、頭を叩き潰す。ただでさえおそい動キがサラに遅くミエる。


「あ?ヤワらかいナ」


 二体目、頭を叩き潰す。ゴカンが研ぎすまされテいるみたいだ。


「トマトかよ、あはハッ」


 三体目、頭を掴んで引き千切ル。


「アハハハハハハ!!!」


 四体目五体メ、アタマをブつケあわセてつブす。

身体がカルい、今なラ空でも飛べそウだ。


「ヨエえなァ?オイ!!!」


 視界の半分が赤くナル。


「あア?なんダよこレ?」



 気にせずに六体目、七体目、ハチ体目、九体目、十、ジュウイチ、十二、ジュウサン、ジュウシ、ジュウゴ、ジュウロク、ジュウナナ、ジュウハチ、ジュウク、ニジュウ、ニジュウイチ………。


















『力に溺れるなよ?』


「ア?」


 声が聞こえてくる。


『自我を失ったらそこでおしまいだと思って戦え』


「なんダヨ、コレ…」


 つい最近聞いた声。


『惚れた女には優しくしろ』


「…」


 腹が立つけど、不思議と耳に入ってくる声だった。


『タバコは女の子に嫌われるぞ』


「ハハ…最後に言うことがそれかよ…ウォ!?」


 目の前にはパンダの死体がゴロゴロと転がっていた。おいおい勘弁してくれよ、気がついたら目の前血の海だったとかどこの陰キャだよ…。

 俺がやった。記憶はないけど、それだけは間違いないと言い切れる。あ、外明るくなり始めてる。…あれからどれくらい時間が経ったんだろうか。

 …あれ?体軽いな。肋骨とかも全然痛くねえ。


「とりあえず、みんなを追うかあっつぅ!?」


 火。後ろを見てみるとすぐ近くには火があった。あのイカレ野郎が火を放ったのだろうか、そんなことにも気付かず戦っていたのか…ん?あっちの教室で笑い声が聞こえる。


「うふふ、母さん、家族でこんなことはだめだよ」


 教室の前まで行くと、井上の声が聞こえてきた。母さん?あいつの母さんって死んだんじゃねえのか?


 ドアを開けると井上がいた。


「おい…」


「いたた。母さんもっと優しくして」


「…」


「ハァ、ハァ、こんなとこ他のみんなには見せられないね」


「…イカレてんじゃねえよ」


 井上は男のパンダに腹を食われていた。もうロクに判断も付かなくなっていたのだろうか、井上はご満悦そうな様子だった。人間、ここまで行くと楽になれるもんなのかね。


 あ!やっべ火事忘れてた!!!


 あたりを見渡すと、いや見渡さなくてもわかる。あたり一面火だ。どうしよう、とりあえず手で口を覆うか。こんな時ほどハンカチを持っていなかった自分を憎んだことはない。


 ここは二階、飛び降りても死にはしない高さだけどどうしよ?行けるかな?

 悩んでいると火が迫ってきた。


「あ、終わった」



アズマ(普)→アズマ(墜)→アズマ(普)

スピード撤収。

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エコ~
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