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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
一章 パンデミックがやってきた編
24/76

24話 どきがムネムネ

短めです

 あのお面野郎は嵐のような男だった。騒ぐだけ騒いで俺のタバコをパクって消えてった。

 お面野郎からもらった情報は一応会長に報告しておいた。会長もにわかには信じられないようで、頭に留めてはおくとだけ言っていた。


 お面騒動(小規模)があってから変わったことと言えば、たまに詩乃がぼーっとこっちを見るようになったぐらいだ。一回だけあの男に何か変なことされたか聞いた時に顔を赤くしながらの「なんでもないわよ」ビンタを食らったので二度と聞かないことにした。


 朝飯を食べている時に会長が全体に向けて話し始めた。


「みなさん、いいでしょうか?我々がマンションに向かう日にちが決定しました。明後日です。ですので、それまでにここでやり残したことや、準備したいことがあったら済ませておいてください。あと、何が起こるかわからないので常に学校から出れるように荷物は自分の側に置くようにしておいてください。では、お食事をお続けください」


 明後日か…特にやることもないからずっと寝て休んでようかな。どうせ前線に立つことになりそうだし。

 その時突然胸騒ぎがしてきた。何かが起こる前のような胸騒ぎが。


 急に不安になったので、朝飯を早くたいらげて部屋に戻ることにした。食堂を出て、部屋に向かおうとすると、突然後ろから誰かに肩を掴まれた。


 ――――――――――――――――――――――――


「いやー、ごめんねアズマくん。私たちの準備手伝ってもらっちゃって」


「口より手動かしてもらえます?」


 胸騒ぎってこれだったのかあ…。安心したような後悔したような。

 俺は会長に連行されてタケさんと一緒に荷物の整理をしていた。


「悪いなアズマ、菜々のわがままに付き合ってもらっちまって」


「いや、全然平気です。慣れました」


「むむ?2人とも!これは私の我儘じゃなくてみんなを思ってのことだよ!」


「わかってますよ、だから手伝ってるんです。これが単なる我儘だったら普通に突っぱねてますよ」


「ア、アズマくんも言うようになったじゃない」


 荷物の整理とは、もしもの事態があって学校に戻って来なきゃいけなくなった時に、今回持って行けそうにない食料や道具が盗まれないように隠す作業をしていた。

 校舎の中だと校舎が崩れる事態があった場合不安なので校庭の端の方にうめるらしい。ちなみに穴は、またタケさんが1人で掘ったらしい。もう化け物確定だな。

 それにしても、この会長(ひと)はどこまで先を見据えているんだろう、才色兼備も伊達じゃないな。


「アズマくんの言う、お面変態野郎?って人からもらった情報は一応みんなに伝えておくことにしたわ、みんなにぬか喜びさせる形になってしまったら申し訳ないけどね」


「あのお面変態野郎は、イかれてはいましたけど言ってることは本当だと思います。ふざけた奴でしたけど」


「そうなのね。あと、本当にその人は自分のことを、お面変態野郎って名乗ったの?」


「はい。そう呼んでもらわないと気が済まないって言ってました」


 そんなこと言ってない。だけど俺は根に持つんだよ、タバコの恨みは大きいぜ?それくらいはしても許されるだろ。

 荷物を全部ブルーシートで包んだ後、3人で一緒に土を被せる作業をした。俺とタケさんはシャベルを使って、会長はスコップを使って埋めていた。いやスコップとかやる気ないだろあんた。それだと何日かかるんだよ。


「そういえばタケさんってずっとシャベルで戦ってますよね。よくこんな重いの振り回せますね」


「ああ、これは園芸部の頃から使ってたから手によく馴染むんだよ。別に重く感じたこともないし」


「それでパンダの首を切り落としたりするんですから相当な力ですよね」


「猛は昔から運動ができるのよ、1人浮いてるからって不良にからまれても運動力が高すぎて返り討ちにしてたわ。そのせいでさらに浮いたけど…」


「俺は別にお前らと話せれば、浮いてたって気にしねえよ」


「タケさん…!」「猛…!」


 相変わらずのイケメンっぷりを発揮されながら作業は終わった。しかしまだ胸騒ぎは収まっていなかった。え?これじゃなかったの?働き損じゃん!

 結局この胸騒ぎがなんだったのかわからないまま部屋に帰ることにした。


シャベルとスコップってどっちがどっちなんですかね。僕的には大きくて足かける所がある方がシャベル、ちっちゃいのがスコップですかね。

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