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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
一章 パンデミックがやってきた編
22/76

22話 だれおま

短いですごめんなさい靴舐めます

 前回のあらすじ

 あずさちゃんがアズでアズがあずさちゃんだった。

 終了。


 アズはこの後食事の準備があると言って校舎内に帰って行った。

 俺もそろそろ部屋に戻ろうとすると、鼻歌を歌いながら元気に歩いてる金髪ギャルが目に入った。ギャルらしくパンデミックが起こる前の世の中で流行ってた歌でも歌ってるのだろうか。


「ふんふふ〜ん、ウッチは〜世界で〜、いっちばんギャル〜!」


「幼稚園児か!!!」


「お?アズマっち!こんちゃこんちゃー!」


「相変わらず元気だなお前は」


「あったり前じゃん!」


 羅夢は金に染めたショートヘアを揺らしながら駆け寄ってきた。彼女はセーラー服ではなく体操着を着ているため、健やかな褐色の四肢がよく見える。

 前も思ったけどなんで可愛い子ばっかり生き残るんだろうな、神様に愛されてんのかな。神様なんかいたらこんなことになってないか。


「アズマっちはここで何してんの?ウチは散歩!」


「散歩って…。俺は火葬を眺めてたんだよ、羅夢は陸上部だったから死体の中に友達いたんじゃないか?」


「あー、ウチ実は陸上部にトモダチいないんだよね、あはは…」


「意外だな。友達しかいないかと思ってたわ」


「最初の会議の時にも話したけど、ウチは陸上七種競技ってやつの全国大会優勝してるんだ。それを部活のみんなは妬ましく思ってたのかな、それ以来話しかけてもらえなくなっちゃった。靴とかも隠されて始めて、ウチが探してるのを見て笑われてたし」


「ふーん。人間そんなによくできたもんじゃねえから、羅夢の才能が認められなかったんじゃねえか?」


「そうなのかなー?ウチはバカだからそういうのよくわかんないや」


「俺も劣等感とかは感じたことないからよくわかんねえな。相手より劣ってても気にしたことないし」


「アズマっちらしいね…」


 人間というのは、動物の本能的なやつで無意識に相手より上の位置に立ちたくなるものなのか?

 ニワトリの順位制みたいなものを勘違いして、相手を攻撃することによって自分が上に立った気分になれるのだろうか。たとえ本能的なものだとしてもいじめをしている奴は、自分を制御できないなら動物以下のクズだな。


「どんな理由であれいじめはいけないことだってのは、最近の幼稚園児だって知ってるぜ?それに、相手はいじめることでしかお前に対して優越感に浸ることができなかったんだ。それぐらい羅夢がすげえってことだろ?」


「アズマっち…うん!いいこと言うじゃーん!ありがとー!」


「お、元気になったな」


「ウチは元気が取り柄だからね!アズマっちが元気ない時はウチの元気を分けてあげるよ!」


「ああ、そうしてくれ」


 腕が千切れるんじゃないかと思うほどブンブン手を振る羅夢と別れて、理科準備室に向かった。

 理科室に入ると同時に詩乃が準備室から顔を赤らめながら出てきた。


「ケイ、あなたにお客さんよ」


「あん?客?それよりどうしたんだよ、顔が赤くなってるぞ?」


「これはなんでもいいの!とにかく私は席を外すから、何かあなたに話があるみたい」


「あ、おい!ちょ待てよ!」


 俺の「ちょ待てよ」に全然反応を示さないまま、詩乃は理科室を出て行った。俺がどスベりしたみてえじゃねえか!なんか最近スベるとゾクゾクする。癖になりそうだぜ。

 それにしても俺に客ねえ…?どうせ会長とかだろ。

 ゾクゾクしたまま準備室に入ると、中には変なお面をした奴がソファに座っていた。変なお面のやつはこっちに気づくと顔を向けて挨拶をしてきた。


「ん?よお、なんか久しぶりだな」


「…」


「あ?どうした固まって。そんなとこいねえで早く入ってこいよ」


「…だれおま…」


「なんだって?」


「いや誰お前!?」


 俺の叫び声が、夕日独特の暖かく、それでいてどこか寂しさを感じる陽が差し込んでいる理科準備室の中にこだました。(叙情的)


どうしても会話文が増えてしまう...

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