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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
一章 パンデミックがやってきた編
2/76

2話 j◯j◯のエンディングの入り方って痺れるよね

亀さんペースでやっていく所存です。

 

 いきなりだが、うちの校舎は少し特殊なつくりである。上から見るとロの形をしていて中庭を校舎が囲んでいる感じだ。本校舎以外にも部室だけの校舎とかがある。俺帰宅部だから知らんけど。


 閑話休題。


 昇降口は北側にあり、職員室も北側にある。話し合いで田中と黒木先生が言うには防火扉を閉じるのは早くした方がいいそうで、二手に分かれて閉めて回ることになった。生徒たちを襲っている変質者たちは昇降口から来ているから南側には少ないと予想し、北側に2人、南側に1人という組み分けになった。


「というわけでアズマ、俺と黒木先生が北側に行くからアズマは南側を任せた」


「いや待て、なんで俺が1人なんだ?」


「大丈夫だ、北側は俺らに任せろ」


「何言ってんだよ、話し聞けよ」


「とにかく早くしないと()()()()が上がってきちまう、急いでくれ」


「俺の声聞こえなくなっちゃったの?1人やなんだけど」


「じゃあな!噛まれると危なそうだから気をつけろよ!」


「おいぃぃぃい!」


 行ってしまった。え?俺ほんとに1人?



 ――――――――――――――――――――――――


 階段は全部で4つあり、ロの形のいっぺんに1つずつある。だから俺は2つ閉じなきゃならん。


「ふざけんなよ、俺お化け屋敷とか無理なんだよ」


 1人ぼやきながら1つ目の防火扉を閉じ終わると甲高い叫び声が聞こえてきた。


「きゃああああ!」


「南側からだな…こっち側にはいないんじゃねえのかよ田中。…行きたくないが後で見殺したとかあずさちゃんに罵られそうだからなぁ」


 走って向かい、角を曲がると階段付近で男子が変質者に襲われていて、それを女子が叫びながら見ていた。どうやら男子の方はバットで応戦したけど首元を噛み付かれたみたいだ。多分もう死んでいる。


「だ、誰かっ、助けて!」


 女子生徒が周りを見渡し、俺を見つけると


「お願い!助けて!」


 まじかよ。


 さっき職員室から人が殺されているのは見たけど近くで見ると、より自分にとんでもないことが起こっているという実感が腹の底から湧き上がってくる。だめだ、膝が震える。なんとか階段まで行き、変質者に向かって叫んだ。


「おい!さっさと噛むのをやめろ!じゃねえとぶっとばすぞ!」


「ヴァァア」


「お、おい、聞いてんのか!?ほんとにぶっ飛ばすからな!」


「ヴァァア」


「…っ、くそが!」


 持っていたモップで背中を叩くと変質者がこっちに向かってきた。


「おいっ、そこのお前!離れてろ」


「う、うん」


「本気で殴ったのに痛くねえのかよこいつ…」


「ヴァァア!」


「うぉらあああ!!!」


 バキッ、頭を殴りつけたらモップの柄が折れてしまった。


「はあ!?やべえ!」


「ヴァァア!」


「うるせえ!くそが!」


「ヴヴヴ」


 変質者に前蹴りをすると1メートルくらい離れて倒れた。その隙に男子生徒が使っていたであろうバットに持ち替え、構えた。


「…おい、近づいたら今度はバットで殴るぞ、いいんだな?」


「ヴァァ」


「し、死ぬぞ!?…頼むよ、俺を人殺しにさせないでくれよ…っ」


「ヴァァァァア!」


「くそがぁぁぁあああ!!」


 ぐしゃり、手には今までの人生で感じたことのない感触が広がった。変質者を見ると、頭が陥没してその場に倒れていた。


「あぁ……やっちまった…うぷっ」


 鉄臭い臭いと手に広がる感触に耐えきれず、窓から吐いてしまった。しばらくすると女子生徒が話しかけてきた。


「あ、あの大丈夫?」


「え?ああ、大丈夫です。怪我は?」


「ありません」


「そう、よかったね」


「ごめんなさい」


「え?」


「私のせいで、そんなことに」


「…気にしないでください、それより俺たち職員室に避難してるから行きましょう」


「…うん」


 申し訳ないが、男子生徒と変質者のしたいは防火扉の外に引きずり出し、防火扉を閉じた。



 ――――――――――――――――――――――――


 職員室に入ると田中たちの方はもう着いていた。


「おう、アズマ。そっちは…大変だったみたいだな」


「最悪な気分だ」


「やっぱり3人で行った方がよかったかな、すまん」

「いや、3人で回ってたらこの人も死んでたと思う。不幸中の幸いだろ」


「そういえばその人は?」


「知らん」


「お前なぁ…どうも、俺は2年の田中大毅です。あなたは?」


「私は2年の花咲春香です。名前はわからないけど男子と行動してたら変な人に襲われて、そこをこの人に助けてもらいました。男の子の方は…もう…」


「そっか、とにかく助かった命を大切にしよう」


「…はい」


 すげえな田中、俺には無理だ。田中がイケメンしている間に俺は近くの椅子に座って休んでいた。こんなに疲れたのはいつぶりだろうか、いや割とあるな、なんなら今朝遅刻しかけて走ったぐらいだな。


「アズマ先輩」


「なんだいあずさちゃん、俺は疲れてるんだ。罵るならあとにしてくれ」


「そんなことしないです!冷蔵庫にあったお茶です。お疲れ様です。」


「あずさちゃんキャラ変わった?そんなに可愛げのある後輩だっけ?いや待て、ですです言いまくってたけどDeathって意味か?」


「私はもともといい後輩キャラなんです!先輩ぐらいにですよ!年上の人にあんなこと言ったのは」


「はは、嬉しくない特別だな…」


「…無理して茶化さないでいいですよ…。しっかり休憩していてください」


 初めてあずさちゃんに労られた。会ったのは今日だけど...今日初めて会ったのに扱いひどかったなおい。てか無理してるってバレてんのか。お恥ずかしい。


 ――――――――――――――――――――――――


 休憩がてら職員室を見渡すと、さっきは気づかなかったが、俺がいない間に避難してる人が結構増えたようだ。20人くらいいる。こんなにいるのに気づかないって相当余裕なかったな俺。


「アズマくん、ご苦労様」


「黒木先生」


「二階には職員室以外にも避難している所があったわ。二階は全員で40人くらいね、他の教室には先生も私の他に3人いたわ」


「確認してきたんすか?」


「そうよ」


 まじかよ、男気すげえな。惚れちまうぜ。


「アズマくんも大変だと思うけど、これからまだやることがたくさんあるの。頑張れる?」


 母親のように優しく聞いてくれた。

 まじかよ、幼児プレイとか軽蔑してたけどこれはくるものがあるな。すまん世の中のおっさん、軽蔑したりしてて、でも安心してくれ俺もそっちの世界に今の先生のおかげで両足ぶち込んだぞ。ママァ。


「アズマくん?大丈夫?」


「え?あ、はい。大丈夫ですよ。マ、黒木先生も大丈夫ですか?」


「マ?ああ、私の名前よく知ってるわね。」


「え?」


「?私の真美って名前を知ってるから言いかけたんじゃないの?」


「ア、ハイ、ソウデフ」


「ふふ、覚えてくれててありがと。でもちゃんと先生かさんをつけてね?」


「ハイ」


 やべえって、黒木先生って二十代前半くらいだろ?母性溢れ出てんじゃねえのか?


 あずさちゃんもその友達ちゃんも俺がさっき命がけで助けた花咲さんもみんな田中に惚れてんのがバレバレだが…いや花咲さん?なに田中と仲よさそうに話してるの?恩着せがましいけどさ、もっとボクの方にきてもいいんじゃないかな?吊り橋効果なんて迷信だ!俺の吊り橋なんてぶっ壊れてたんだ!

 でももういいんだ。俺には黒木真美先生がいるからね。黒木先生ルート一直線やで!ママァ。


「いきなりですが、先生彼氏とかいないんすか?」


「本当にいきなりね…というよりさっきより全然元気になってない?もう無理してない感じになってる」


「いやぁ、さっきも言ったじゃないっすか、大丈夫だって」


 そう、もう俺は大丈夫なのだ。人を殺しても元気になれる。そう、黒木先生ならね。よし!頑張っちゃお!黒木先生のために例え火の中水の中草の中森の中に突っ込んーーーー


「それで、彼氏ね。あまり生徒にこういうことは言いたくないけど、いるわよ」


 ………え? →To Be Continued


ママァ

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