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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
一章 パンデミックがやってきた編
16/76

16話 180以下の身長で1番響きがいいのは178(独断)

ここから7話分ぐらいはキャラ紹介も兼ねたストーリーをかなり強引にねじ込みます。


 あの後、会長に報告しに行き、右腕の深めの傷を見て慌てた会長が「わ、私が縫う!」とか言って麻酔もしないまた学校にあった裁縫セットで傷口を縫われた。くっそ痛え、切られた時の倍は痛かった。あとその針ちゃんと消毒した?

 切られてからずっと手で抑えて圧迫し、腕を上に上げていたので血はそこまで出てなかったんだけど会長が1週間現場から離れて見張りをして傷を治しなさいと言ってくれた。休める、やったぜ!怪我の功名ってやつか?違うか。


 不良の処罰は監獄という名の三階にある3ー2教室に縄で自由を奪われぶち込まれることとなった。

 話し合いの途中でパンダの群れに放っておけばいいって意見も出たけど、そこで会長が「私たちはまだ余裕がある。余裕があるうちは真っ当な人間であるべきよ」と言い、満場一致で会長の意見が採用された。みんな会長大好きだもんね。



 ――――――――――――――――――――――――


 屋上から街の方を見て異変がなければそのまま待機というのが見張りの仕事内容だ。俺の住んでいる田舎町は近くの駅まで6キロは離れているので周りはほとんど民家か田んぼしかない。…暇だな。


 黄昏ていると屋上のドアが開いた。


「ようアズマ、さぼってないかー?」

「あ?なんで来たんだよ」

「会長が休みをくれたんだ。それで暇だからお前と見張りをしようかなって」

「そうかい」

「そうそう」


 田中はそう言うと俺の隣までやってきて腰を下ろした。

 田中の顔は中の上くらいで、学校の校則に引っかからない程度の茶髪を短く切り揃えている。背丈は俺より少しでかいくらいか。


「でも改めて思うとすごいよなあ」

「なにが」

「たくさんの人と話すようになったことだよ。アズマもそうだけどこの災害が起きなかったら関わっていない人がたくさんいるだろうし」

「たしかにそうだな。でもお前はバスケ部だったよな?友達たくさんいたんじゃないのか?」

「はは、あん時俺教室に慌てて入ってきただろ?授業サボってたんだよ。少し前にバスケ部を辞めて友達が極端に減ってさ、やさぐれて屋上でぼーっとしてたんだ」

「へえ」


 田中にも色々あるんだろう。個人の問題に深入りするのは良くないし、聞かないけどさ。

 田中はあれだ、『災害時にモテちゃう系主人公』だ。そこまでかっこよくはないのに行動がかっこよくて吊り橋効果ビンビンでモテちゃうんだろうな。俺の吊り橋はぶっ壊れてたけど…


「不謹慎だけどこの災害を機に友達が増えた気がして少し嬉しいんだ」

「そりゃ良かった」

「もちろんアズマも友達だぞ?」

「…そりゃ良かった」

「自分の守れる範囲だけでも助けたいんだ。そのためにはもっと強くなって、いずれはみんなを助けられるようになりたい」


 これじゃあ詩乃とかに目が死んでるって言われても仕方ないな。そう思ってしまうほどに田中の目は輝いていた。こりゃモテるわ。


「そういえばこの前アズマは家に帰るとか全然言わなかったな」

「別に家に大切なものもないし、俺の家族は全員死んでるから帰る意味がないんだよ」

「す、すまん」

「気にすんな、それにお前も帰りたいなんて全然言わなかったじゃねえか」

「ああ、うちの両親は旅行が好きで昔っからよく海外に旅行に行ってるんだよ。今回も海外に行ってるから会いたくても会いようがないからね。あとあの人たちなら大丈夫そうだし」


 …こいつどこまで主人公気質なんだよ。多分昔から古武術とか意味わからんのやってるんだろうなあ。


「そうか、ところで田中。何人食ったんだ?」

「何人?俺は人を食べないぞ?」

「違えよ、これだよこれ」


 そう言いながら俺は拳を握って人差し指と中指の間から親指を出して見せた。すると田中は慌てふためきながら騒ぎ始めた。うるせえなこいつ。



あざした

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