15話 すってんころりん
「パニック(SF)」の日間5位になってる!なんで誰も教えてくんなかったんだよ!
嘘ですごめんなさいありがとうございます。靴でも舐めましょうか?
「ヒャハハハ!」
「危な!危ねえって!」
「が、頑張ってください!」
知らない女子に応援されながらナイフを避ける俺。音楽室にはカオスな空間が出来上がっていた。
へっ、だがナイフの動きにも慣れてきたぜ。そろそろ武闘派が復活かあ?(にやけ舌打ち)
「反撃開始!」
「なにっ」
「頑張ってください!」
「おら!顔面にぶち込んぬおっ!?」
「…」
「なに転んでるんですか!?」
ほらね、調子に乗ったらすぐこれだよ。肩を竦めたら不良が襲いかかってきた。
「死ね!」
「「ギャー!?」」
「そこまでだ…」
「ああ?げふっ」
「…た、助かった」
「何であそこでこけるのよケイ、二階に猛さんが居たから連れてきたわ」
「アズマ、無事か?」
不良がいきなり吹っ飛んだと思ったらそこにはタケさんと詩乃がいた。不良の奴1発で気失ったのか。タケさん、イケメンだぜ。
「まあ何とか、余裕ですよ」
「ちょいちょい血出てるのだけれど…」
「アズマが平気ならいいけどよ」
3人で話していると女子生徒が声をかけてきた。どうせタケさんに惚れたんだろ!俺には関係ない!
「あ、あの。ありがとうございました」
怪我の治療に行かないとなあ。一回だけ深めに切られてしまったから早くしないと。
「…あ、あれ?ありがとうございました」
縫うのかな、痛いんだろうな。やだなぁ怖いなぁ。にしてもタケさん、いくら会話苦手でもしてあげないと可哀想ですよ。
「う…ぐす、ありがどうございまじだ」
「ケイ、あなた最低ね」
「え!?俺に言ってたの!?」
「明らかにお前だろアズマ」
「う、うう」
「な!?泣くなよ!ほら飴ちゃんあげるから」
「うわ゛ぁぁぁん」
「女の子泣かす性癖は流石に引くわよ」
「違うわ!!!」
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乾パンに入っていた氷砂糖3つで何とか女子を泣き止ませることができた。残しておいてよかったぜ。まだ涙ぐんでるけどやっと会話できるようになった。俺は女性の涙が苦手なんだよ、どうしたらいいか分からなくてなる。
「くすん、取り乱してすみませんでした。飴おいしいです」
「この子がかわいそうよ。この飴おいしいわね」
「くく…やっぱりアズマ面白いな、菜々に教えとこ。あと飴うめえな、今まで菜々にやってたけどこれからは自分で舐めよ」
「なんであんたらにもあげなきゃいけなかったんだ!俺の飴ちゃん!」
「本当にありがとうございました…」
「きみはいいって、つらい思いしたんだし」
「あ、あの、私、野村聖です。先輩のお名前は?」
「田中大毅」
「田中さんですか…よろしくお願いしますね」
「あんた何嘘ついてんのよ。こいつは東京次よ、聖ちゃん」
「ふえっ、そんなに私に名前を教えたくなかったんですか?うう」
「ななな泣くなよ!軽い冗談だって、東京次が俺の本名だよ」
正直めんどくさそうなので嘘ついたら詩乃に指摘された。おのれ詩乃!タケさんはさっきから後ろで笑っている。会長には言わないでくださいね?あの人絶対いじってくるので。
「と、とにかく事前に防げてよかったよ野村さん」
「あ、名前呼び捨てでいいですよ?」
「いや、せめて野村で」
「な、まえで、呼んでくださふえっ」
「やっぱりケイにはそういう性癖が…ううん、人それぞれだものね。私は何も言わないわ」
「わ、わかった!聖!」
「ありがとうございます、ううう」
「だー!何で泣くんだよ!」
「うう、嬉し涙ですう」
「結局泣くんかい!」
なんで書く力がないのにキャラ増やすんだ俺、答えろよ。




