10話 ギャルって存在するんけ
特に考えもないままガガガって書いてます
「いくらなんでもしょぼすぎるわよ!もっとこう、なんか凄いのあるでしょ!」
「うるせえな!なんでもいいって言ったろ!」
「そうだけど!そうだけど!それにしてもよ!」
「ハンッ、さては詩乃。お前妄想癖があるな?あとこの非現実感に酔ってるだろ?」(経験者)
「違うわよ!」
「ごべんなさい!いや怪我人にビンタは意味わかんねえよ!反射的に謝っちゃったよ!」
「どういう反射よ…」
あーだこーだ言い合いながら下に降りると荷物を運んでいるあずさちゃんにあった。
「あ、先輩お疲れ様です」
「バイトのあいさつみたいなってるよあずさちゃん、それでどうしたの?その荷物」
「これはですね…ええと、先輩、そちらの方は?」
「あん?ああ、こいつは妄想癖のあるおん「ふん!」ごべんなさい!」
「私は神崎詩乃よ、よろしくね」
「あ、よろしくです。私は如月梓です」
「そういえばあずさちゃんの苗字初めて聞いたな。あ、苗字で呼んだ方がいい?」
「い、いえ、名前のままで大丈夫ですよ?そういえば、アズマ先輩の名前って…」
「おん?ケイジだけど?」
「…っぱり…なんだ」
「え?なんだって?」
「なんでもないです!それと先輩は名前で呼んでくれる人なんていなそうなんで私が呼んであげますよ!」
「キラキラした目でエグいこと言わないでよ」
「んー、ケイジ先輩?ケイ先輩?ケイくん…ケイくんがいいですね!」
「いや、もう先輩じゃなくなってるじゃん」
「細かいことは気にしないでください!それに、名前呼ぶ人ができて嬉しいんじゃ「私はケイって名前で呼んでるよ?」…えー!?」
「そうよね?ケイ」
「うるせえ」
「そうなんですか?ケイくん」
「気にすんな、あずさちゃん。それより荷物運ぶの手伝うよ、詩乃も」
「そうね、助けられてばかりじゃ悪いし」
「な、名前呼び…ケイくん!私もあずさって呼んでください!」
「ええ、あずさちゃんはあずさちゃんでしょ」
そのあとあずさちゃんが往復で運ぼうとしていた荷物を3人で分けて持ちながら会議室に向かった。何やら今後について話し合いをするらしい。この先にいる人が頭に浮かんできて傷口が開きそうだぜ。にしてもこの荷物、女性が持つには少し重くないか?あずさちゃん、バット振り回せるんじゃね?
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会議室に入ると10人くらいの生徒がいた。その中には田中と会長とタケさん、あ、黒木先生もいた。
「あらアズマくん、休んでいいって言ったのにあずさちゃんを手伝ってくれたのね?ありがとう」
「いえ」
「そんなに仕事が好きならこれからも頼むわ」
「罠を見抜けなかった」
「ふふ、冗談よ。それよりあなた達も会議に参加していく?」
「オツムが弱いんで遠慮しときます」
「根に持つ男は嫌われるわよ、じゃあ参加ってことで会議を始めるわ」
「会長にはいつになったら俺の声が届くのか」
どうやら会議室には部活の部長や委員会の委員長をやっていた人達がいたようだ。それでも十数人ってことはやられた人が多いのかサボりが多いのか。
「会議に先立ち、生物化学部部長から言いたいことがあるそうよ」
「では失礼して、まずはあの生物の名前を決めたいと思うんだ」
「どうでもよくないか?」
提案に対してほかの人が苛立った感じで言った。
「いや、私も必要だと思うわ。みんなそれぞれで呼びたいように呼んでると情報をまとめるのが面倒くさそうだからね」
「会長が言うなら、そうですね」
会長の信頼度すげえな。たしかに俺も呼び方は統一したいと前思ってたから決めてほしいな。
「おほん、じゃあ僕の意見を言わせてもらうね?今回の事件はいうなればパンデミックだと思うんだ。パンデミックは映画で綴ると『pandemic』、ここから母音の文字を抜いてP.N.D.M.Cにするとペラペラペラ」
「なげーからウチよく分かんねーし!英語とかださないでよオタクっち!」
「な、なんだと!僕はこれを今日一日ずっと考えてたんだぞ!」
「いや他にもやることあるでしょオタクっち。まあ、つまり『ぱんでみっく』からなんか文字を抜いてP.N.D……あれ?あとなんだっけ?もういいや!パンダでいいんじゃない?パンダ!」
「はぁ!?何をどうしたらパンダなんかになるんだ!絶対僕の考えたギャラクシー…」
オタクっちとギャルっちが言い争いを始めた。ギャルの方は正論しか言ってないからなあ、てかまじであいつ名前考えてて働かないとか会長にボコボコにされても知らんぞ。その時あずさちゃんが呟いた。
「パンダ、可愛いですね。あっすみません」
「いいのよあずさちゃん、まぁ私も呼びにくいのは困るからパンダでいいんじゃないかしら?重要なのはそれが何なのか伝わればいいから。みんなどう思う?」
「「「会長が言うなら…」」」
お前ら会長大好きかよ。やっぱあの人すげえわ。
「やっりー!私が考えたんだよ!ねえねえ!私が考えたんだよ!」
「お、おう。良かったなギャルっち。あと絡まないでくれ」
「え!?この人ノリ悪ぅ!?あとウチはギャルっちじゃないよ!」
絡まれた方を見ると、喋り方通りにショートヘアのギャルがいた。ギャルって髪の毛長いイメージだけどな。それよりも変なのに絡まれた…助けて!誰か助けて!周りを見てみるとギャルが会議に参加しない方が進むと判断したのか俺を足切りにして会議を再開してた。おぃぃぃい!
「聞いてる!?」
「ああ、聞いてるよ。たしかに俺もこしあん派だ」
「全っ然聞いてないじゃん!だから!ノリ悪くて目が死んでる君の名前何?って!」
「目死んでるの関係ないだろ!はぁ、東 京次」
「おっけー!じゃあアズマっちだね!ウチはキララだよ!よろしくー!」
「ギャルでキララったどストレートだなおい」
「…」
「え?ごめんなさい」
「アズマっちノリ良いじゃん!今まで誰もツッコんでくれないボケにツッコんでくれた!」
「は?何?」
「私の名前キララじゃないんだよ!みんなにもストレートすぎるだろ!って言われると思ってボケてたたんだけどさ!」
「何やってんのお前?」
「そうしたら誰もツッコまないでみんなにキララで覚えられちゃった……」
「ほんと何やってんのお前!?」
本名は渡邉羅夢だった。いやどっちにしてもストレートじゃねえか!
力のインフレみたいにバッキバキに戦うのも結構好きなんすよねぇ、どう思います?




