表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
のんびり魔物転生記  作者: ゴルゴン丸
1/1

転生しちゃった

気分転換で書いていこうと思っている作品だけどこっちの方が向いてるかも?

  ………ふぅ、よく寝た。さっさと起きて仕事行く準備するか〜……ん?あれ?なんか閉じ込められてる?!


  周囲は真っ暗で硬い物体に覆われている。手足は拘束されていないが伸ばすことはできない。

  俺はこの非常識な事態にパニックになりながら適当に周囲の物体を蹴ったり叩いたりする。


  ただの一般人を拉致しやがって!俺は今まで借金もしてねえし黒い高級車にぶつかったこともないごく普通の社会人だぞ!なんなんだここは?!!お?ヒビが入った……?


  内心で愚痴を吐きながら周囲の物体に八つ当たりをしていると真上にヒビが入ったのでそこを集中的に叩き穴を開ける。


  俺はなんとか穴の外に這い出て周囲を確認する。

  ゴツゴツと岩に覆われた壁や天井。近くの入り口らしきところから日光が入り少しだけ明るい。


  ここは……洞窟か。でもなんでこんなことに……卵じゃないか?これ……。


  周囲を確認しながら俺が這い出た物体も確認すると白く丸い卵があった。

 

  あぁ…………………うん、わからん!


  軽く思考放棄しそうになるのをこらえる。

  冷静沈着に定評のあった俺でもここまでの事態となるとさすがに冷静ではいられない。

  適当に考えながら何気なく足元を見ると三本の鋭い爪が生えた足が二本あった。

  腕も確認してみたところ指の数は4本で先端がとても鋭い爪が生えたいる。


  ……俺はなんの動物なんだ?二足歩行の動物なんて猿やゴリラくらいしか知らないぞ。

 

  俺は考えるのはあとにして自分の正体を確認することにした。

  鏡なんてものは当然ないので洞窟内に湖、もしくは水溜りなどがないか探したがそれらしきものは見当たらない。ついでにわかったがこの洞窟は高さは一般家庭の三階建てほどの高さがあるが広さも六人家族程度なら余裕で生活できそうな広さがある。


  ぐ〜……


  腹減ったな……生まれたての虫は卵を食べるんだっけな。他に食うものもないし食べてみるか。

  バリバリモグモグ……案外美味しいなこれ。


  俺はあっという間に卵を食べ終え洞窟の外に出る。

  日の光が眩しい。周囲は林で覆われている。他の動物の姿はない。

  周りの木々の高さからして俺の大きさは二、三メートルってところか?ますますどんな動物かわからん。


  俺は川か湖のどちらかを探して歩き回る。慣れない森の中での活動は面倒だが不思議と疲れはこない。

  目的の川はすぐに見つかった。

  この体は聴覚、嗅覚、視力全てが人間よりもはるかに優れており川の流れる音もすぐにわかった。

  聞いたこともない動物の鳴き声や鳥の鳴き声も聞こえたが今は自分の姿を確認することが大事なので無視する。

  川に駆け寄り水面に顔を近づけて自分の正体を確認する。


  ……なんだこりゃ……化け物じゃん。

 

  水面に映っていたのは鋭い牙がずらりと並びまるで竜と狼を足したような顔だった。

  毛は生えていない。薄暗い洞窟ではわからなかったが全身が灰色の鱗に覆われているようだ。

  尻尾は先端がハンマーのようになっている。まるでアンキロサウルスだ。


  人狼と竜を合わせたような見た目だな、なんとなく人間の時の俺よりかっこいいのがムカつくけど明らかに普通の動物じゃないよな、ゲームに出てきそうな魔物みたいだ。どうやって生活しよう……。


  自分の今後の生活のことを考えていると後ろの森の中からガサガサと音がして振り返ると明らかに人間よりも大きな蛇が俺を睨んでいた。


  「シュルルルル……!」


  人間の時の俺なら失禁していたかもしれないが今の俺は極めて冷静に思った。


  ……腹減ったな。


  蛇が大口を開けて飛びかかってくる。

  普通なら頭から食われるだろうが俺にとっては遅いくらいだ。


  俺は飛びかかってくる蛇をかわして右手で首根っこを掴み左手を振り下ろし爪を突き立てる。


  この時すでに蛇は体を巻きつけていたのだが締め付ける前に脳に爪を突き刺され絶命した。

  決着はあっさりついたが内容は紙一重の勝利だ。

  俺は冷や汗を流しながらその場に座り合掌する。


  いただきます。


  蛇の頭だけを千切り皮も剥かずにそのまま首から食べていく。


  ブチ!ムシャムシャ……う〜ん美味い!本当なら皮を剥いて食べるんだろうけどこの爪は皮を剥くのに適してないしいいよな。


  身は引き締まっており脂は少ない。蛇は食べたことないがこれが蛇の食感なんだろうか?皮は冷めた焼き魚の皮みたいだがこれはこれで美味しい。

  一番美味しいのは血液だ。甘くジューシーで脂が少なくなんとなく物足りない肉に十分な満足感を与えてくれる。

  のんびりと蛇の肉を平らげ満腹になったので洞窟に戻って一番奥で寝転がりながら考える。


  俺の正体は分かんねえけどわけわかんないまま死にたくないし頑張って生きていくか……ゲテモノは何度も食べてきたから平気だしな。

 


  こうして俺のお気楽な魔物生活が始まった。


 


 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ