094 アリス姫がいてこそ、考えも思いつくな・・・
093からの続き
とりあえず、アリス姫専用機の名前は決まったので、今度はこちらの職人ゴーレム作成の作業をすることにした。
「まあ、一応私用で使う物だから普通の職人さんたちには迷惑が掛からないようにはするけどね」
「それはお願いします」
下手すると、既存の職人の職業を奪うからな・・・・何事もバランスは大事だし、こっちから崩すとさすがに良心が痛む。
まあ、スキルの方はばんばん「コピー」で取りましたけど。
「この取ったスキルを、この試作してみたカートリッジにまずは入れるんだよね」
「スキルを別のモノに移し替えることってできるんですか?」
「生き物は無理みたいだけどね。ピヨ吉たちでちょっと試した」
「創造魔法」のスキルで「スキル移植」の魔法を創って見たのだが、どうも無機物にしか移植できないようである。
まあ、今回の目的には合うけど・・・・人にスキルを分け与えるというのはやはり無理だ。
そのぐらいの制限がなければとんでもないものであることには間違いがないが。
「ちなみに、『コピー』のスキルで取ったのはそのスキルの初期段階の状態のモノになるけど・・・・一応同じのを複数用意しているんだよね」
「複数ですか?」
「ああ、同じスキルでも、成長によってどうも分岐するようでね」
コピーをこっそり人込みに紛れて行っていた時に気が付いたんだよね。
「例えば、『鍛冶師』からは『魔法鍛冶師』や『防具特化鍛冶師』とかみたいなのがあるんだよね」
『進化の鍛冶師』って言うさらに成長した物があるようだけど・・・・
とりあえず、元は同じでも成長のさせ方によっては全く違ったものになるようなのである。
「そこで、複数をコピーしていったんこうしてカートリッジに入れて、ゴーレムにセットして、成長させればいろいろな方向へ成長するのではないかなと」
「面白い事ですね・・・・というか、それをしたらスキルについての研究をしている魔道ギルドあたりが食いつきそうですよ」
「魔道ギルドが?」
「ええ、魔道ギルドはもっぱら研究専門の変人の集まりとも言われているので・・・」
まあ、そんな研究が行われていても何ら不思議はないな。スキルが成長するならば、その成長はどうなるのかを知りたくなる人物が出るのは確定だし。
・・・というか、アリス姫の口から変人の集まりって出てきたことに驚くんだけど。
王族にもそのように伝わっているって本当にどんなギルドなんだ?
「一応、どのくらいのスキルを用意しているのですか?」
「えっと・・・・これが一覧だな。数が多くて把握するために一度書いてみたんだよね」
アリス姫に、一旦まとめてみた一覧表を渡した
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「鍛冶師」「防具特化鍛冶師」「武器特化鍛冶師」「拳闘士」「魔法使い」「薬屋」「錬金術師」「医師」「整体師」「農家」「商人」・・・・
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「・・・鍛冶師が多くないですかね?3つも重複してますよ」
「いやそれ本当に俺も思ったんだけど、よくよく考えたら結構分かれそうなんだよね」
武器とかでも斧や槍、剣などがあるし、防具に至っては鎧でも鉄の鎧とか、皮の鎧などが多い。
また、日用品でも包丁とかフライパンなどがあるため、一口に鍛冶師とは言っても、その初期のスキルは結構レパートリーが多いようなのである。
あ、「錬金術師」ってのが個人的には一番気になっている。
某鋼の人みたいにやるんかね?というか人造人間とかいそうだよな・・・日本人転生者で、そのスキルを所持しているやつがいたら絶対作っているだろ。
あと、整体師ってのは偶々コピーをしていたら見つけたんでついでに取ってきた。なんかこのスキルとかって利用すれば・・・・マッサージチェアとか作れそうじゃない?風呂上りに使ってみたい。
「まあ、スキルとかの成長案は別にいいとして、問題としては・・・・そのゴーレムをどう作るかに寄るんだよね」
職業によってカートリッジで変えるのであれば、その職業に合わせた環境とボディにしなければいけない。
そこがな・・・・その体をどういう物にすればいいのかが問題なのだ。
「ネックレスとかはいいんだけど、さすがに人型にしたほうが良いとは思うけど・・・不気味の谷現象になりそうだからね」
「不気味の谷?」
対象が非人間的姿なら、人間とほぼ同じ動作をしても別に何も感じない。
しかし、人間とほぼ同じ姿をして、人間と動きが変わらなければ、不気味なというか、妙な感悪を抱かせる現象の事である。
それを乗り越えさえすれば、別にどおってことはないのだろうけど・・・・俺の中身って一応人間だしな。
その現象に出会うのは目に見えているよ。
「だからね・・その不気味の谷越えの体にするか、いっそのこと人間とは違った姿にして防ぐかの方法があるんだけど・・・・なかなかうまくはね」
実際、マネキンみたいな試作品を作ってみて、動きがすんごいぬるぬるしていて気持ち悪かった。
速攻で壊したけど、あのようなものは作りたくはない。
「こういうゴーレム作りは、やっぱりその道の専門家がいるかな・・・」
「あの、アル・・・一つ思いついたんですが」
「ん?何かあるの?」
「職人ゴーレムが作りにくいのであれば、その職人ゴーレムを作るスキルを何かの方法で作ってみて、それで職人ゴーレム(仮)とかで稼働させて、作らせればいいのではないかと・・・・」
「・・・・それだ!!」
俺の手で作るんじゃなくて、ゴーレムにゴーレムを作らせればいいじゃん!!
あ、でも「職人ゴーレム(不気味の谷越え)を作る」スキルなんて普通無いか。
となると・・・・ここは創造魔法でスキルを組み合わせて作ってみればいいのでは?
重要となるのは・・・・人形作り、デザイン、性能、あたりかな?
「これに使えそうなスキルは・・・・・・」
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「人形使い」・・・ゴーレム制作時に、思い通りのゴーレムの形を作りやすくするスキル。あくまで補助的。
「新人デザイナー」・・・・まだまだ成長の余地があるスキル。一流になれば皆の注目を浴びる服が作れる。
「頑固職人親父」・・・こだわりが強くなる。こだわればこだわる分だけ性能が微妙にアップ。
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・・・・初期段階のモノばかりだから、まだこれしかないのか。
このスキルを成長させた奴を組み合わせてから作ったほうが良いな。
まあ、ゴーレムの方はこれで大体のめどは立った。
となると、次の問題はその置き場である。
亜空間収納に仕舞えるとはいえ、いつでも使いたいなら常に稼働させていたいし・・・・どこかに小屋でも立てて、そこで職人として仕事をしてもらっているほうが良いだろう。
だが、そのためには土地が必要だが生憎この近辺は開発していない。
しようとすればできるけど、その分環境破壊になりそうでちょっと怖い。
ふと、空を見上げて・・・・・・その土地問題の解決策を思いついた。
某天空の城みたいなのを創り上げてしまえば問題は解決するぜ!!空は無限だ!!
というか、こういうふうに考える人って結構いるよね。
でも、これはあくまでもチートな神龍帝のアルだからこそできるのです。
くれぐれも、自信過剰に真似しては・・・・・できないか。というか、誰ができるんだこの作業をこの世界で。