093 忘れてましたが
お正月でも投稿中
SIDEアリス姫
「ふ~ん♪ふふふん♪ふーん♪」
アリス姫は今日はご機嫌であった。
アルからもらった専用車両のおかげで、アルのところに通いやすくなっているからである。
従来の馬車での移動よりも早く行くことができ、しかも安全面は普通の護衛よりも高い。
なので、より気楽にアルのところへ通いやすくなって、ついでに・・・
「ランには負けないですよ!」
ジューメンダス獣人国の王女であるランもアルを恋愛的に狙っているのをこの間理解し、真夜中に夜這いを仕掛けるとかいう卑怯な方法はだめだと説教したうえで、正々堂々正面から互いにアルを狙っているのである。
なので、互いの恋のライバルとして認めあったうえで、アリス姫は現在アルに対してのポイント稼ぎも行っているのであった。
「それにしても、この専用車にはまだ名前を付けてなかったですね」
ふと、年が明けてから気が付いたが、この専用空陸車にはまだ名前がなかった。
「うーん、アルに相談して付けたほうがよかったかな?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーSIDEアル
「そういえば、確かになんて名前にするか考えていなかったな」
アリス姫がやってきて、そう言われて俺はその事に気が付いた。
専用車とか言っておきながら、なんて名前の物にするかまでは忘れていたな。
まあ、今はもう一つ悩んでいるのだが・・・
「そのことに相談しに来たのですが・・・・アル、忙しかったのですか?」
「いや、悩んでいてさ」
アリス姫がその光景を見て、不安そうになったので一応説明をした。
あたりには散乱している木くずなどがあり、その中心に立つはマネキンの様な人形。
そう、年越し前に思いついた「職人ゴーレム」を現在制作してみているのである。
「素人が作るよりも、職人が作ったほうが良い出来なものが多いからね。スキルを成長させた奴をいろいろやって、それが入ったものを作って入れ替え式で様々な職人と化すゴーレムを作ってみていたのだけれども・・・・なかなかうまくはいかないんだよね」
「アルが作っているのはすでに素人では無理なものですが・・・・」
アリス姫が苦笑いをする。
うん、チートレベルなものになっているのは自覚しているからね。
とはいえ、いざ作製して見るとこれがなかなか難しい。
「まあ、行き詰っていたから気分転換にはちょうどいいか。アリス姫専用車の名前を付けるのも忘れていたしな」
つけるとしたらなんて名前にしようか。
車みたいなものだからそれっぽい名前のほうがいいかな?
空陸用だからそっちに近いもので・・・・・・・
「『エミュー』とか?」
ダチョウみたいなやつ。結構早いし、その名前の方がしっくりするかもしれん。
「『エミュー』ですか・・・いいかもしれませんね」
アリス姫もいい感じに受け取ってくれたようである。
まあ、割と早く思いついたのはいいけど、こっちの職人ゴーレムの方も考えなきゃな・・・・スキルとかが多いんだよね。
職人ゴーレムってよくよく考えたら1台だけでいいのかな?
2人1組の仕事とかありそうだし・・・・




