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088 修羅場目撃?

「う~~~~~ん」


 腕を思いっきり伸ばし、アルは目が覚めた。


 今日はかなり熟睡できたみたいで、結構気分がいい。



「あ、そういやラン王女が泊まっているんだっけ」


 いつも通りに過ごそうかとしたけど、ラン王女がいるなら先に朝食でも用意してあげるべきか?



 外を見ると、まだ日の出から間もない感じで、空がまだ少しだけ薄暗いが徐々に明るくなってきている。



 とりあえず、こたつに寝ているラン王女に気を使ってあまりうるさくないように朝食を作ろうかな。







「・・・・・なんだこの状況」


 こたつの部屋とキッチンがつながっているため、部屋の扉を開けてそろりそろりとキッチンへ行くつもりだったんだけど・・・・・。


「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」


 ラン王女がいるのはまだいい。けど、何でアリス姫がいるんだ?


 しかも、無言の圧力があって、アリス姫は仁王立ちで、ラン王女は正座しているし。



「えっと・・・おはよう」


 とりあえず、俺が言えたのはその言葉しかなかった。









「ネックレスでここに転移した?」

「ええ、階段から落ちそうになって握りしめたらなったのよね」


 とりあえず、アリス姫も交えての朝食となった。なぜあのような光景になっていたのかはわからないけど、聞いたら何か地雷が踏むような気がして聞けないな。と言うか確実に踏み抜く。


 今日の朝食は簡単におにぎりにしたけど、二人とも結構気に入ったようである。流石日本の定番。


「それって今頃城では大騒ぎになるんじゃ・・・・」


 シャレにならんぞ。一国の姫が突然の失踪とかって新聞の一面・・・あ、この国って新聞無いか。



 とにもかくにも送り返さないと。ついでにラン王女も引き取ってもらうほうが良いかな。


 今の時間帯はすでに日が昇ってきて、明るくなってきているのでそろそろやばそうだ。



「・・って、そういえば城の客間までしか行ったことがなかったんだった」


 直接部屋に送り返そうかと思ったけど、よくよく考えればアリス姫の部屋に行ったことがないからできない。


転移魔法(テレポート)」ってどこでも使用可能な魔法だけど、一度いった場所じゃないと行けないっていうのが欠点である。改善しようかなとは思いつつも、魔法の場合どう改良すべきか。




「大丈夫です。朝はもう少し遅く起きるのであと1時間ぐらいは平気ですよ」

「寝不足だけどね・・・・いやほんとあれから数時間」

「・・・・ラン?」

「はい!!」


 ラン王女がつぶやいたようだが、アリス姫が謎の気迫で黙らせる。なんだこの有無を言わせない謎の力関係。


 本当に何があったんだろうかこの二人。






まあ、一応早めに部屋に戻ってもらった方が騒ぎが起きることもないだろうし、さっさと城にアリス姫と共に転移魔法(テレポート)で向かった。



 ついたのは以前来た客間であり、アリス姫の部屋ではない。


「あ、そうだちょっとアリス姫」

「なんでしょうか?」

「そのネックレスこっちで一旦改良しておこうか?階段でころげおちそうになって家まで来たわけだしね」


 安全装置でもつけておくべきか。階段から落ちそうになっても、ゆっくりと落下する程度にな。


 付与は3つぐらいまでで、すべてつけてしまっているのだが、ちょっと付属品を取り付ければいい話である。



・・・ここでアルは知らないことだったが、付属品を付けて付与を増やすという方式は実は昔から考えられていた。だが、干渉しあって逆に打ち消すという問題があってうまいこと言っていなかったのでそういう方法は発展しなかった。


 しかし、アルの場合付与させるのが創造魔法によるものなどのために干渉をしあわないらしくて、そのためにネックレスが国宝級どころか伝説級にまでなることに気が付くのはまた後の話である。




「でも、無事でよかったですわ。(本当はアルの身に違う危険がありそうで心配になって発動したのですけれども・・・・)」

「ん?」

「いえ、なにもないです」


 何かつぶやかれたような気がしたけど、ほとんど聞こえなかった。


 まあ、気にすることじゃないか。


「それじゃ、俺はもう帰るな」

「あ、あの一応気になったのですけど、ランとの間には何もありませんでしたよね?」

「え?特に何もなかったぞ」


 しいて言うならば、収納袋で驚かれたところだけど。


「その様子ですと大丈夫そうですね・・・よかった」


 何かほっとされたようだけど、本当に何もなかったからね?





 家に帰ると、ラン王女の姿がなくて書置きがあった。


 読むと、今日のところはもう帰ると単純な内容であった。


「・・・結局なんだったんだろうか?」


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SIDEラン王女


「あー・・・辛かった」


 ラン王女は森の中、首都に向けて歩いていた。



 昨晩、アリス姫がまさか来るとは思わず、そのまま無言の圧力に負けて正座させられていたのである。



 アリス姫の性格は優しいと知っているのだが、まさかあそこまでアルのことに対して怒るとはラン王女は思っていなかった。


 恋とは、人を変えるのだとラン王女は身をもってさらに知った。



 だけど、今回の事で別に引き下がるわけではない。こっそり行うのがダメであるのならば、正々堂々正面から向かうべきである。


「絶対に、負けないんだからね!!」


 ラン王女は改めて決意し、その声は森に響いたという・・・・





『神龍帝のペンダント』改善点

・真横の転移だと寝ているときに脇腹ダイレクトアタックの危険性があるため、神龍帝の近くに変更。

・緊急時以外にも、任意による転移を可能にした。

・「神龍帝の威圧(劣化版)」の効果を改善。敵意や悪意が強い相手ほど、もしくは所有者が拒絶する相手程濃厚に威圧を発動させる。

・今回の家への転移により、落下時などにゆっくりと怪我しないように落ちるように「安全装置」を付属。矢が飛んできても跳ね返せるようになる。はっきり言ってやり過ぎである・・・「鑑定」より

・帰宅用の転移は本人の希望もあり、付与されず。

アリス姫の建前:一緒の転移の方が安全

アリス姫の本音:一緒に居たい



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