082 誰もが夢見るかもしれない
本日2話目
こういうあったらいいなみたいな感じなのって結構書くときに便利。
「ふわふわで気持ちが良いな・・」
現在、アルは寝床を作製し、すぐにできてそこに横たわった。
誰も来なさそうな場所でかつ、静かである場所として・・・・
「『創造魔法』さまさまだな」
雲の上である。
某青猫の道具でもあったと思うが、雲を固めて寝られるようにしたのだ。
水魔法と火魔法を少々混ぜ合わせ、さらに氷結などもさせて調節した・・・「雲固め」である。
雲が冷えて固まったのなら雪とか降るのではと思うが、そこは魔法と言う名のご都合主義。深く考えるのはやめておこう。
感触がふわふわのもこもこから、カッチカチまで硬さを調整できるようにしたのだ。
布団も雲製にして、かけて寝てみるとなかなか快適である。
雲全体もうっすい膜で覆うようにして、日光の量を寝やすくなるようにカットできていて、気温も調節。
まさに理想の空飛ぶ寝床の完成であった・・・・空を漂うので、起きたら迷子になる可能性があるが。
あ、でも「転移魔法」があるからいつでもどこでも帰宅できるか。問題解決。
「おやすみぃ・・・・」
人化を解除し、神龍帝の姿で雲に包まれて寝たら結構気持ちいい。
すぐに、俺は寝たのであった・・・・。
ずずぅぅぅぅん!!
「・・・ん?」
何か衝撃があったので目を覚ますと、太陽がてっぺんに来ておりどうやら昼まで寝てしまったようだ。
けど、今の衝撃波なんだ?
衝撃があった方向を向くと、どうやら俺の乗っていた雲が山にぶつかったようだ。
ここまで高い山と言うと・・・・ああ、『サンサン山』とかいう山か。
前にアリス姫に地図を見せてもらって、地形図とかも覚えているんだよね。この世界の測量技術とかって絶対転写がらみあるだろ。地図記号が日本のと酷似しているんだぞ。
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「サンサン山」
この世界で3番目に高い山。なぜこの名前が付いたのかと言われると、太陽に近い山と言われており、大昔の登山家であるタナカと言う人がそう命名した。
斜面は急と言うよりも垂直な壁と言った方が早く、頂上にはなぜか極上の酒が湧き出ている。
ただし、一定量以上に保たれており、あふれたりしないのだが、鮮度も新鮮なままで腐らない世界三大不思議な酒とも言われている。
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ここまで流れて来たってことは・・・結構風の流れが速かったのだろうか。
飛んで帰れない距離ではないけど、めんどくさいし「転移魔法」でとっとと帰りますか。
「この雲はどうしようかな?」
帰ろうとしたけど、ここまで寝ていた雲をどうするかが問題だな。
魔法でもう普通の雲でもなくなっているから、消えることがないし・・・・うーん。
このままでいいかな?適当に世界を漂流させておけばまたいつか戻ってくるだろう。
と言うわけで、雲を置いて俺は自宅に戻るのであった。昼飯どうしようかな・・・・?
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SIDEザストギルド
「依頼はこれでいいかしら?」
「はい、依頼に会った通りの素材を確認しました。・・・・おめでとうございます!!依頼達成回数と態度、あと実力などの総合によって、あなたはAランク認定と言うことになりましたよ!!」
「まじか!!」
「早いなあの女!!」
「絡んできた男共もなぎ倒し、ありとあらゆる討伐依頼をこなす彼女がついにAランクかよ!!」
受付嬢のその声に、ギルド内にいた冒険者たちがざわめく。
あまりにも早く、不正を使っているのではないかとまで言われたのだが、その冒険者の彼女と手合わせし、敗れた皆は口をそろえて「不正ではなく実力だ」と言い切った。
その彼女がついにAランクとなったのである。
「ふふふ・・・だいぶ時間もたっているしそろそろ良いかしらね」
その彼女はそうつぶやき、ギルドから出ていくのであった・・・・・・。
次回、再来とでも書くべきかな。
雲に乗ってゆらゆらのんびり空を漂う・・・・気持ちがよさそうでいいなと思える。
というか、人が願う事って空を飛ぶことが多いような気がするのは気のせいだろうか?




