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077 さてと、事情を聴きますか

本日2話目

ラン王女のしゃべり方はどっちかというとしっかりした感じに安定してきた。

本当はお嬢さまキャラにしたかったのだが、なぜ武闘家風方面へとなってしまったのだろうか。

 ミスリルロックバードの遺体を回収し、とりあえず自宅に一旦アルたちは戻った。



 服が汚れていたのでお風呂を貸し、衣服は洗濯機の中に入れて、とりあえず替えの着替えはアリス姫が馬車から持ってきた。


 一応、大雨の時とかでぬれた際に備えての物らしい。


 あがってきたラン王女の髪と尻尾を素早く乾かし、こたつに入りながら話を聞くことにした。


「さてと、なんでラン王女がここにいるんだ?」


 この人って一応ジューメンダス獣人国の王女だよね?


 なんでそこから離れたこの森にまで来ていたんだろうか?



「ああ、それには理由があってだな・・・その」


 ちょっと頬を赤らめたラン王女。風邪でも引いたのかな?


 ・・・その様子を見たアリス姫は、何かを察したようで少し目をとがらせていた。



「いや、私はこの前、アルに負けただろう?」

「ああ、あの試合ね」


 この間のジューメンダス獣人国での試合か。



「それでだ、私自身の強さはまだまだだとよく思い知ってな、それで修行の旅に出ようと思って、国を出てきたんだ」

「・・・一国の姫が大丈夫ですか?」


 アリス姫がラン王女に質問する。というか、なんかちょっと声冷たくない?


 どことなく、アルは寒気を覚えた。


「大丈夫です。ここに至るまでの道中で盗賊やモンスターたちが襲い掛かっては来たが、すべて軽くひねりましたからね」


 ひねる?倒すじゃなくて・・・・・と、ここで俺は気が付く。


 物理的にか。倒すという言い方でもいいんだろうけど、物理的にか(首をボキッと)


 いやホント、ジューメンダス獣人国の国王ってハルカンドラって名前だっけ?あの人自分の娘(ラン王女)を何をどうやってこんな人に育てたんだよ。



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「すまない!!」

「どうしたのですかハルカンドラ王!!」

「いや、今何かものすごくすまない気分になってな・・・」


 同時刻、ジューメンダス獣人国でそのようなやり取りがあった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「で、ここまで来たのはいいのだが、あのミスリルロックバードに捕らえられて、食べられる寸前にでも反撃しようと考えていたわけだ」


 なるほどね・・・・・。


 ラン王女でも、空中にいる相手は分が悪かったようで、逃げてきたところでそのふわっふわな尻尾をつかまれたってわけか。


・・・ちょっとモフモフしたいかも。


 いやいやそうじゃない。


「そういえば、見たところ怪我はないようですけど大丈夫ですか?」


 一応尻尾をつかまれて宙ぶらりんな状態だったけど・・・・。


「それがな・・・付け根が痛い」


 尻尾の付け根の部分をさするラン王女。


 まあ、全体重がその部分にかかればそうなるよな。


 というか、よくちぎれなかったよな。


「獣人の尻尾はしっかりと体から生えていて、特にラン王女の様な狐の獣人だとしっかりしているそうです」


 狐の獣人の場合、1本だけじゃなくて3本とか9本の人もいるらしく、そのせいか付け根の部分はやたら頑丈になっているのだとか。


 9本の場合妖怪じゃないのかな?



「一応、炎症を起こしているのだと・・」

「それなら治そうか?一応『回復魔法(ヒール)』を使えるからね」


 正規の魔法とは言えないけどな。水属性と聖属性を創造魔法で混ぜて作ったやつだし。


「それならば、頼みます」


 そう言ってラン王女は一旦俺の方に・・・


「ぬぅ・・こたつから出たくないかも。あったかくて出にくいというか・・・」

「ああ、わかりますよ。アルが作ったこたつってどことなく囚われますね」


 こたつにつかまったようである。


 室温はちょうどいい具合なのだが、こたつの一ファンがまたできたようであった。


うーむ、こたつってどの世界でも脅威となるのか・・・・・・。恐るべしこたつである。



寒い時期には手放せないもの。それがこたつである。

ラン王女は自前の尻尾で暖はとれるものの、やはりこたつという魅力にはかなわなかったようだ。


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