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076 再会?

ラン王女視点からです

出来ればここまでの道中も書いてみようかな。

SIDEラン王女



「はぁっ、はあっ・・・」


 ラン王女は必死になって逃走していた。


 城からでてすでに1週間は過ぎているだろう。



 格闘術にたけ、獣人国でも敵なしであった彼女は今、あるモンスターから必死の逃走を続けていた。



 盗賊が現れてもむしろ蹂躙して泣いて懇願するまで攻め、普通のモンスターが現れても瞬く間に蹴り殴りひねり倒していくラン王女。


 だが、そんなラン王女でもそのモンスターの相手だけは悪かった。


「『ミスリルロックバード』はさすがに相手が・・・・!!」

「グェェェェェッツ!!」


 けたたましい雄たけびを上げ、ミスリルロックバードは今にもラン王女をつかみかからんとしていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ミスリルロックバード」

魔銀(ミスリル)という鉱石で覆われている巨大な鳥のモンスター。

大空を我が物顔で飛び交い、狙った獲物はモンスターであろうと問答無用でその強靭な足でつかんで、自身の巣に持ち帰って捕食してしまう。

極めて凶暴性が高く、ギルドから公認モンスターたちに討伐をできればしてほしいとの通達がされてはいるものの、空を飛べるものは存外少なく、また、このモンスターの特性もあって攻撃手段が限られるので、進んで討伐しようとする者はいない。


魔銀(ミスリル)

魔道超伝達希少鉱石と言うのが本来の呼び名。

魔力を非常に通しやすく、魔道具(マジックアイテム)の材料として超優秀で、流通量が少なく、非常に高価である。また、鉱石として発掘されるのだが、モンスターの中には魔銀(ミスリル)が体の一部として構成されている物もいる。別名「生きた金属」。

自然界で産出されることが少なく、現在流通しているほとんどがモンスターから取れるものが多い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 このミスリルロックバードは、その体が魔銀(ミスリル)で覆われており、空の相手に対して有効な魔法が効きにくい。


 矢なども弾き返し、更に射程圏外まで移動する知能もあるのだ。


 通常の打撃攻撃が一番有効とされるのだが、空から襲ってくることが多く、しかも足や肩つかんできてこうげきできないようにおさえこんでくる。


 グリフォンやワイバーンに次ぐ、空を飛ぶモンスターの中では出会いたくないモノランキングトップを独占していた。



 ラン王女の攻撃は、格闘術による打撃攻撃。


 元から魔法を使用するわけではないので相性としてはまだましかもしれないが、大空を飛ぶ相手に対しては有効手段とは言えなかった。



 なので、その姿を見かけたときにラン王女は全速力で逃げ、ミスリルロックバードは追いかけてきているのである。


 どうやら獲物としてロックオンされているらしく、中々しつこい。



 あとちょっとで、ラン王女の尻尾がつかまれそうで危険である。



 けれども、神龍帝が住むという「開けぬ森」が目に見えてきた。


 このまま森の中に逃げ込めさえすれば、木々が邪魔して何とか振り切れそうであった。


 だが、ここで油断したのがよくなかったのであろう。


「グェェェェェェッツ!!」


がしぃっつ!!


「きゃぁっつ!!」



 失速をしてしまい、その尻尾をつかまれて、そのまま一気に空中へと持ち運ばれる。


 尻尾をがっしりとその爪でつかまれてしまい、根元に痛みを生じた。


 このままヘタに動けば、ちぎれる危険性がある。


(こうなったら、このモンスターが捕食をする場所までおとなしくして、捕食される寸前に一気に戦うしか・・・)


 覚悟を決め、ラン王女はおとなしくしておくことにしたのであった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEアル




「今日も森は平和かな」

「うわぁ・・・こうしてみると本当にすごいですね」


 現在、アルは森の見回りをしていた。


 人化を解除し、神龍帝の姿で飛んでいるのだが、今日はいつもと違って頭の上に・・・・・。


「アリス姫、そこ寒くないよな?」

「ええ、上着を着こんでいますもの」


 アリス姫があたまの上に乗っているんだよなぁ・・・・落とさないようにいつも以上の注意が必要だ。



 なんでこうなったのかというと、人化を解除したタイミングでアリス姫が遊びに来たからである。


 で、これから森の見回りをしようとしていたところで、アリス姫がふとついていって見たいといったのだ。


 まあ、空から森を見るのは爽快だし、人なら誰しも大空を飛びたいと思うからね。


 高所恐怖症の人達は除くだろうけど、あの有名なロボットの道具の様なものも欲して空を飛びたくはなるものだ。


・・・・まあ、俺は翼で飛んでいるけどな!!航空力学的に考えてもおかしいところはあるけど、そこは別に気にしないでおこう!!




 アリス姫を乗せて飛んでいたが、普段なら見ることのない森の上空からの景色にご満悦のようである。


 しかしなぁ、やっぱこっちも注意がいるし、何かこう、手にもって運べるような乗り物、もしくは入れるような箱を作製したほうが良いかね?


 龍籠とか、そういう感じのものを創れば安心してこっちも運べるしな。



 そう思いながら飛行していると、ふと視界の端にある物を捕らえた。


「うおっ!?なんだあのギンギラリンに光る飛行物体は!?」

「モンスターです!!」


 「鑑定」をかけて見ると・・・・ミスリルロックバードか。そういえば、ギルドから公認モンスターあてにも討伐願いのが来ていたな。


 遭遇確率が低く、合うことは稀らしいけどまさかこのタイミングで・・・・・ん?


「誰か捕まってないか?」



 何やら足に何かをつかんで運んでいるようだ。


 目を凝らしてみて・・・・あっ!?



「あれラン王女だ!?」

「ええっ!?」


 なんでジューメンダス獣人国の王女がいるんだよ!!しかも、そのモフモフそうな尻尾をつかまれて身動きとりにくそうだし!!



「アル!!助けてあげられませんか!!」

「魔法は効きにくいらしいしな、この姿でならブレス・・・・いや、ラン王女に下手すると直撃する」



 なにせ、威力が高すぎて扱いづらいですからね。下手するとラン王女にもあたってしまう。




 と、どうやら向こう側も気が付いたようである。


 ミスリルロックバードは俺の姿を確認して、慌ててくるりと向きを変えて逃げようとしている。


 アリス姫の頼みもあるが、何せ彼女を今頭の上に乗せているものだから、下手に動けねぇ。


 しかし、おろしている間にあのモンスターを見失う可能性がある。


「こうなったら・・・アリス姫!!ちょっと速く飛ぶからしっかり鱗に手をかけるなりしてしがみついてくれ!!」

「わかりました!!」


 がっしりとアリス姫がしがみついたのを感覚的にとらえ、負担をかけぬように加速し、一気にミスリルロックバードとの距離を詰めた。



「グェェェェェェッ!!」


 その速さに、ミスリルロックバードも驚いたのであろう。


 けど、遅い!!


「作っておいてよかったよ、トマホーク!!!!」


どがぁぁぁん!!と、亜空間収納から取り出したトマホークをミスリルロックバードの頭にぶつけた。


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「神龍帝のトマホーク(特大)」

星4クラスの武器。神龍帝時の時にも扱える大きなサイズで、切れ味も抜群。

アニメで見たどこぞやの3体合体ロボットの使っていた物のデザインを参考にした。

流石にブーメランのように扱えず、振り回すだけだが神龍帝自身の力によって威力は絶大。

製作理由は、神龍帝の人化解除時のときは攻撃手段が少ないので、ちょっと増やしてみようかなと思い付きで作成したのである。

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 いやほんと、使うことはないかもしれないけど、持っておいて損はなかったね。


 ゲッ〇ートマホークって叫びたかったけど、今はそれどころではなかったからね。



 一応、アリス姫には使用直前に目をつむってもらっており、頭を魚の三枚おろしのようにした光景は見られていない。なかなかグロイなこれ。


 ラン王女はそれなりに大丈夫かなと思って注意をしなかったが・・・・。



 とにもかくにも、頭を失ったミスリルロックバードの身体はラン王女を手放して落下した。



 ラン王女が落ちる前に、こちらは素早くキャッチ。握りつぶさないように慎重にっと。


どすぅぅぅん!!と下の方で落下音が聞こえた。



「ううぅっ・・・・すまない、神龍帝のアルよ」


 手の中で、ラン王女がそう言った。


 とりあえず、何でここにいるのかを聞くために、一旦俺たちは地上に降りるのであった。

 



ゲ〇タートマホーク・・・元ネタわかる人いるかなこれ?

「神龍帝の威圧」をかけてもよかったかもしれないけど、慌てていてとっさに出来たのがこれだからなぁ。

ふざけて実は結構いろいろ作っていたりもする。巨大ロボットが持つ武器を、巨大なドラゴンが扱ってもおかしくはないのかな?

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