065 やっぱ来ました
やっぱこういうこともしたくなる
「ここがジューメンダス獣人国か・・・」
アルは今、ジューメンダス獣人国を訪れていた。
なぜ訪れたかというと、ここの情報をちょっと集めたくなったからだよ。
せっかくあちこち飛び回れるスペックを持っているからさ、こういう時は体を動かして見に行ったほうが良いもんな!!
なので、人化解除してここまで一気に飛んできた。
馬車で大体1週間ほどかかる旅のようだが、全速力で飛べば1日ぐらいで着いた。
ふと気が付いたけど、以前よりも飛行速度が速くなっているんだよね。
よくよく考えたら、俺って神龍帝ってついているけどまだまだ成長中なんだよな。
・・・・できればあと少しで成長が止まってほしいけどね。巨大になりすぎたらそれはそれで面倒そうだし。
とにもかくにも、せっかく来たのでいろいろ見回ってみることにした。
「うまいな、新鮮というか、野菜の甘みとかももうたまらんね!!」
「おお、わかるのかにいちゃん!!」
屋台で適当に串焼きを食べたが、素直な感想を言うと店主はうれしかったのか、もう一本おまけでくれた。
どうも、獣人たちは鼻が利くらしく、新鮮な食材かどうかなどがわかっているようで、その分食のレベルが高いようである。
ただ、肉を好む傾向があって、中々野菜を食べない人も多いのだとか。
「もう数日ほどで、なんでもルンデバラート国との友好30周年式典が開かれるんだが、豪華なものらしいんだよな」
「へぇ、そういうのがあるのか」
普通の旅人だと思っているのか、ちょっと祭りとかないかなと聞くと、店主は気軽に答えてくれた。
「出店が出るようなものではないようだが、それでもにぎわうのが良いのかあちこちで楽しみだという声もあるんだぜ」
「出店はないのか」
「ああ、そこが残念だが、めでたい感じなら別にいいんだよな!」
物凄く明るいというか、活発な人だなぁ・・・・・
ついでにそこそこ情報を集めるついでに、あちこちの店から食べ物を買ったりしてました。
普通に観光気分だよな。
ただ、気になる話も少し上がっていた。
「人間が気に食わないだの、俺達が史上最高最強の種族だの言うやつらの動きも活発なようだな・・・」
そういうことを考える人って種族や世界が違えど普通にいるんだな・・・・。なんとなく複雑な気持ちである。
まあ、そんなことに乗っかる人はほとんどいないようだけどね。でも、なんとなく警戒しておくか・・・。
何でだろう、企みとかしている人たちが哀れになる未来しか見えない。