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062 姫と会話3

ほんわか平和

本日2話目

「はふぅ・・・これは確かにものすごい快適ですねぇ・・・・」

「でしょう、アリス姫・・・・」

「こけ~・・・・」

「ここ~・・・・」


 今日は、アリス姫が夏祭り以来、久し振りに遊びに来たのだが、アル制作の「こたつ」に興味を示て入ってみたところ、こたつの心地よさに当てられたようである。


 「こたつには魔物が住む」という言葉があるが、モンスターである神龍帝が入っているのであながち間違ってもいないだろう。


 ついでに庭から入ってきたピヨ吉とピヨ美も入ってきており、皆でほんわかと温まっていた。


 季節は秋ごろであり、本格的な冬ではないがこの心地よい暖かさは魅了するのであろう。



 ちなみに、この熱源としているコークスタートルの甲羅は幾つかを予備として収納しており、作る過程で出た無駄な分は、畑の方にいる地龍(アースドラゴン)のドランの周辺に細かくして埋めてある。


 地熱のようにできて、こたつに入れない分の配慮である。


 なお、アリス姫の護衛として外にいる騎士たちには、つい最近思いついて作ってみたカイロの試作品を手渡している。


 あっちも護衛を一応しているのだし、寒空の中待たせるって言うのもなんか悪いからね。




「それにしても、このような心地よいものを作れるなんてアルはすごいですね・・・・」

「いや、材料がなければ作れなかったから、むしろ材料となったやつに感謝するのが良いと思うよ」


 ちょうどよいものがなければ作れなかったものでもあるため、感謝するならこの熱源であるコークスタートルにしたほうが良いだろう。


 空に彼らがやや透けて移っているような気もするが、まあほおっておくか。



「これ売りに出せばきっと皆欲しがりますよ」

「だけどなぁ、これ熱源がモンスターの甲羅だし・・・」


 というか、そもそもこの世界にはこたつがなかったようだ。


 お好み焼きとか食文化で転生者の形跡はあるのに、このこたつなどの様な電化製品モドキが見当たらない。


 なんでだろうかと思ったけど、答えはすぐに思いついた。


 

・・・知識があっても、作るまでの過程が無視できない。


 「マッチ棒を一本作れ」という問題がある。


 普段何気なく使ってはいるが、いざ作ろうかと思うと、どうやって作ればいいのかわからない。


 その原材料と製造過程を消費者は知らないのだ。


 そして、この世界に転生したとしても、そのあたりは同じ。


 部品などを無理やりスキルで作るとか、俺のように自分で自由にどんなモンスターからでも採取できるようなチートみたいなものがなければ、そう言った地球にあるような道具を創り出せないのだ。


 周囲と相談しあってやっと形になってできるものもあるだろうが、大抵は作れずにいるのではないだろうか。


 そのため、レンジや冷蔵庫、自転車、そして今のこたつがこの世界にないだろう。


 かと言って、全く作れないわけでもないかもしれない。


 リバーシやトランプ、コマなどはあるようだし、遊具関係なら頑張っているんだろうな。


 食文化の方も、代わりになるようなものがあるし・・・・・・。



 まあ、結局はその製品を作るまでの材料や、部品などの問題があるんだろうな。




 難しい話になりそうなのでさっさと結論付けて、亜空間収納から果物を取り出した。


「こたつにはやはりこういう果物があいますかね」

「ほんとですね、結構あうかもしれません」


 取り出したのは「ミカン」。


 うん、名前は全く同じだけどこたつで食べるようなミカンじゃない。この世界の物はサイズが1.5倍ほど大きい。


 どっちかというと、オレンジと言った方が正しそうだけど・・・・その皮のむきやすさとかはミカンと大差ないんだよね。甘さはこっちの方が上だけど。


 おいしいから良しとして、ミカンを剥いて食べる。白い部分も取りたくなるが、それは個人の好みにもよるかな?あ、ミカンの皮って何か役に立つようなこともあったような…‥‥なんだっけ?


 ここでお餅なんかもあってもいいんだけど、モチ米がねぇ・・・・探してみようかな。


「ふわぁぁあ・・・なんか眠くなってきましたよ」

「あ、起きたほうが良いですよ。こたつで寝ると風邪ひきますし」


 先日引いたからな。軽いものですぐに治ったけど、こたつ恐るべし。


 

「ここまで心地よいものだと、外交に使えそうですね」

「あー、確かに良いかも。特に寒い国とかでは効果はてきめんかもしれないね」


 こたつ外交ってなんか平和そうだな。その国のトップたちがこたつで平和に語り合い、その心地よさでリラックスしあう・・・・ものすごく平和そうに思えた。




 その日はアリス姫とほんわかとこたつで談笑し、気に入ったようなので予備で作っておいたのをあげた。




 後日、アリス姫がまた来た時にこたつの製法を国王と議会の議員達が知りたがって、何とか市民にも流通できるようにしたいと来たが・・・・・・そんなに気にいったんですかい。というか、あげたのってその一台だけなのに、なんで議会の議員たちまでそのこたつの心地よさを知っているんだろうか?




裏話

国王が、アリス姫がこたつに入っているのを見かけて入らせてもらい、そこから王妃も加わって家族で心地よさを堪能した後、普段議会で頑張っている議員たちに国王が紹介して入ってもらったところそこから心地よさに気が付き・・・・・

と、あっという間に広まったのである。なんかこたつで一体化するとは平和だな。

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