060 こたつのために三千里 その5
やっと目的地だぜ
途中、いろいろあったものの、ついにアルは目的地へとたどり着いた。
「ここが、こたつの材料になりそうなモンスターの素材が取れる『ボーノ火山』か」
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「ボーノ火山」
今もなお、活発な火山活動を続ける火山。流れ出る溶岩で山は成長し、徐々に大きくなってきた。
草木も生えない山になるかと思われていたが、耐火性の高い草木が多い、噴火時に灰色に染まる以外は緑豊かな山にしか見えない。
溶岩もしょっちゅう噴出しており、固まりにくい性質を持つのか文字通りの溶岩湖もある。
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念のため、毒性のガスとか火山灰が目に入るようなことが怖いので、それ用の顔全体を覆うマスクを作ってきました。神龍帝サイズと、人化時用のサイズの2種類だよ。
お値段なんと、金貨1枚というコストです!今ならおまけとして卵一パックプレゼント!!・・・・って、ふざけてどうするんだ俺。
ついつい、どこぞやのTVショッピングみたいにやってみたけど、このマスク他にも使えそうだな。
さて、ここに来た目的としてはこたつに適したモンスターの素材集めだが、公認モンスターの務めとして、中々討伐されない、もしくはできないモンスターの討伐も兼ねているのである。
「えっと、狙うは『コークスタートル』か」
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「コークスタートル」
その名の通り巨大な亀。そのサイズは15メートルほどで、鋼鉄よりも強固な甲羅を持つ。
常に何か燃えるモノを食べ続け、体内の火を維持して高熱を発する。
その甲羅は高熱に耐えるために強固なものになっていったが、ついでに熱も自ら発するようになった。
攻撃手段は体当たりや、息を吸い込んでからの超高熱の光線の様な炎のブレスを吐く。
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この甲羅が、今回のこたつの材料に適したものになりそうだという。
なんでも、そのままでもとんでもなくかたくて軽い防具として流用ができるそうだが、甲羅自体も発熱を続けているらしく、サイズによって熱量を調節できるらしい。
さらに、このモンスターは火を吐いて攻撃して相手を燃やし尽くすそうだが、この甲羅からの熱は引火はしないという都合のいいものだ。
サイズによって調節するのでそのあたりは難しそうだが、安全面から言えばこたつの材料として優れているだろう。
なお、討伐がなかなかされないらしく、理由としてはそのモンスターの強さが結構なものだとか。
・・・亀ならさ、ひっくり返せば良さそうな気もするが。
とりあえず適当に探し回ると、目的のコークスタートルの姿を確認した。
木々をむしゃむしゃぼりぼり食っており、食事中のようである。
「というか、亀ってあんな顔だっけ?」
なんとなく、ミドリガメとかのような顔を想像していたけど、お伝えできないような気持ち悪い顔をしていた。
いやこれ某ゾンビ映画に出るやつみたいな感じで、気持ち悪いというよりもグロイ顔だな!!
それ以外は普通の亀と変わらないようだけど、何処をどうしたらあんな見た目になるんだろう?
気が付いていないようなので、まずは先手必勝と試してみたいことも兼ねることにした。
「亀ならひっくり返れば起きれまい!!」
どがぁぁぁぁん!!
人化せずに、神龍帝のこのままの状態で横から思いっきり蹴りを入れてひっくり返した。
というか、結構堅かったな。
まあ、相手が亀という事なのでまずはひっくり返してみたが・・・・だめか。
すぐに起き上り、「ぎゃしゃぁあぁぁっつ!!」と威嚇してきたよ。
そんな簡単にはやられませんってか。
と、亀が口を大きく開けて、周囲の空気を吸い込み始めた。
それと同時に、甲羅がものすごく赤くなっていく。
「お、これがコークスタートル必殺の『灼熱の息吹』か」
なんとなく、ここはブレスを吐けるドラゴン的な心で対抗してやりたい。
一応防御力も高いと聞くし、甲羅が目的だから頭だけ消すように狙えばいいかな?
「ぎゃしゃぁぁぁぁぁっぁっつ!!」
コークスタートルがものすごく怒りながら、まるでレーザーの様な炎を吐いてきた。
こっちはブレスを吐く本家でも元祖でもあるドラゴンだがな!!
「『セブンズブレス(炎)』!!」
スキル名は忘れかけていたけど、こちらも炎にしたブレスで対抗する。
水属性とかにしてやるのもありだったけどさ、水蒸気爆発の可能性が怖かった。
互いのブレスがぶつかり合い・・・・・・こちらのブレスの方が威力が高かったようであっという間に押し返した。
「ぎゃしぁぁぁぁぁぁぁぁl!」
押し戻されるとは思っていなかったのか、そのまま驚きの悲鳴を上げ、狙い通りコークスタートルの頭だけがブレスの中に飲み込まれて消しされられるのであった・・・・・・。
ひっさびさにやってみて言うのもなんだけどさ、やっぱこれ凶悪だな。
頭だけ綺麗に消滅したけど、その真下の地面が融解してしまっているし・・・やっぱやりすぎるんだよね。
とにもかくにも、何とか目的の素材を俺はゲットしたのであった。
でもさ、なんかこうあっさり過ぎて面白みがないな。こたつが壊れたときのことを考慮して他に周辺のモンスターを狩ってみますか。
・・・・のちに、この地を訪れ旅人はこう証言した。
「大地のあちこちに融解してできた穴が開いていて、明らかに物凄くやばい奴が暴れたのだと思いましたよ」と。
「セブンズブレス」を忘れている人は、001の話を読むことをお勧めします。
忘れそうだけど、一応ブレスを吐けるんだよね。
さて、次回はやっとこたつ作りだ!!




