005 調味料
本日2話目
チートとは言っても制限はあるな
とりあえず人助けした後、俺は家に戻った。
「転生して初めて人に会ったけど、まともな人間がいたのはよかったなぁ」
これで恐ろしい化け物しかいない世界だったらいやだった。
アルはそう思いこの世界に転生できていることを神に感謝したのであった。
「そういえば・・・結局名前とか聞いていないけどまあいいか」
とりあえず、今は今晩の食事の準備である。
「おっ、以外に結構早く育つな」
昨日、森を探索して見つけたリンゴ・・・・の様な果物。
見た目がリンゴだが、鑑定によると「アッポウ」という英語名を無理やり変えた名前の類似した果物であった。
まあ、リンゴとほとんど変わらないようなので、庭に種を植えてみて、トト○のごとく素早く成長させて身を増やして食べたいと思って、成長を促す魔法を作ってかけてみたけど・・・
なかなか立派に成長して、まだ青い実をたくさんつけていた。
早く熟したのを食べたいな。
その横では、小麦とほとんど変わらないとわかった植物も栽培中である。
名称は「ムムムギ」。結構ふざけているな。
この世界の植物などを調べて分かったが、前世に目にしたものと名称が違うだけで変わりがないものが多かった。
まあ、このほうがなにかと楽だしね。
あとは米や大豆があれば日本食風にできるんだけど・・・この森にはどうも自生してないようで残念だ。
機会があったら庭で栽培しよう。あ、環境を考えて在来植物が侵されないようにしないとな・・・。
とりあえず、湖から釣った魚を捌く。こういうサバイバル知識ぐらいなら持っているからね。
捌いた後に、焚火をして、そこに串刺しで焼けば簡単焼き魚の出来上がり。
「にしても・・・・醤油とかが欲しいな・・・・」
調味料が現時点でないからなぁ・・・。あ、水魔法を何とかして創造魔法で塩水にすれば塩が手にはいるかな?
思いついたが吉日、やってみる価値はありそうである。
海のしょっぱさを思い浮かべて・・・・
「『食塩水』・・・・・・・・・・・ダメか」
炎、水、木、雷、土、聖、闇の全属性を組み合わせた魔法を想像して使えるようになるのが創造魔法だけど、やっぱりそこまで楽にができないのか。案外制限があるもんだな・・・・。
まあ、チートじみているならその分制限もかかるよな。
・・・神龍帝の身体で鑑定して見たら、その鱗とかがとんでもないものになっていたし・・・・。
まあ、だったら海まで飛んでみればいいだろうけどまた今度にするか。
回復魔法を使って疲れたしな・・・・・・・あの少女、無事に帰れていればいいけど。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
SIDEアリス
森から抜け、怪我が治った騎士たちと共に、私はいったん城に戻った。
そして、お父様・・・・この国の国王に今日の出来事を話した。
「なんと!?ドラゴンに助けてもらえたのか!!」
「はい、神龍帝というドラゴンで、名前は「アル」と」
「ふむ・・・偶然とはいえ、助けてもらってありがたい。そのドラゴン・・・アル殿に礼を言いに行った方がいいだろう」
「はい、言いに行っていいんですよね」
「ああ、お前を助けてくれたドラゴンだ。ぜひとも改めてお礼を言いに行きなさい」
お父様に許可をいただき、私はあのドラゴン・・・・人化して無詠唱魔法で回復魔法を使ったあの人に、私はお礼を言いに行くことにしたのであった。