052 夏祭りー初日
アリス姫の護衛?
アルがいれば十分すぎるレベルである。
夏祭り当日となり、アルはあらかじめアリス姫と決めていた待ち合わせ場所にきていた。
わかりやすいといえば分かりやすいけどさ、ギルド前なんだけど。
「意外にも他に待ち合わせにしている人が多いな」
ギルドが目立つからか、結構待ち合わせ場所に使ってる人がいる。
騎士だったり、浴衣をレンタルしている人だったり、カップル、女・男友達同士と様々だ。
冒険者同士ってのもあるな。
「アリス姫まだかな・・」
と、待っていたらアリス姫の姿を見つけた。
「お、こっちだよー」
手を振ると気がついて駆け寄ってきた。
「すいません、待たせたでしょうか」
「いや、待ってないよ」
そもそも「転移魔法」があるから時間ぴったりに行くことも可能なんだよね。
今回はテンプレっぽく少し早めにきたけどな。待っていたけど、待ってないと言うのがいいんだっけ?
アリス姫が着ていたのは、祭りということもあり、ピンク色の良く似合う浴衣着であった。
こっちもレンタルして着ているけど・・・確実に転生者が関わっていそうだよな?先人の転生者の人に言えるとすれば、よくやったと感謝したい。物凄く感謝したい。
大事なことだからつい2回言ったけど、こういう時って転生者はありがたい。
探せば結構いるかもしれないな・・・・屋台に「お好み焼き」や「ベビーカステラ」等、祭りでもおなじみの名前の食べ物があるし、その可能性は高そうである。
食文化以外が発達していないのは、たぶん魔法とかがこの世界にあるせいか、もしくは機械を作ろうとしても一人ではチートみたいな能力がない限り、設計ができても材料や部品が作れないのが原因であろう。
まあ、食文化が重要だから別にいいけどね!!
材料はさすがにこの世界独特の物だが、ほぼ近いものになっているところを見ると再現できるように
とにもかくにも、アリス姫と一緒に俺たちは祭りの出店を回ることにした。
一応この夏祭りは3日間開催されて、昼間から夜までの時間制限はあるのだが、店が入れ代わり立ち代わりして飽きさせない工夫がされているようだ。
最終日の夜には、輸入物だけど盛大な花火があるらしい。この辺も転生者がいた感じがあるが、夏の風物詩としては外せないので物凄く良いね!!
なお、金はこちら持ちにしている。アリス姫に払わせるわけにはいかないし、一応迷宮にいったん向かって狩りまくって換金しまくったんだよな。
物凄い金額になったけど、ギルドに預けたんだよね・・・・一応銀行のような役割もあると聞いておいてよかったよ。
なお、一応大金だったらしく、あわただしくギルド職員が動かされたのは言うまでもない。
金銭感覚がまだいまいちわかってないもので・・・・
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「流石に物凄いでござるな・・・・・」
アルたちが祭りを楽しんでいたその頃、迷宮がある都市ベースタックのギルドマスターであるアラモードは、アルが持ち込んで換金してきたモンスターの素材の山を見てその量と、モンスターに驚き呆れていた。
買い取り金額がものすごいことになりそうになったので、慌てて商人ギルドにも買い取ってくれるように要請したのである。
大量に様々な素材が手に入るということもあり、商人ギルドも食いついて換金したのだが・・・・。
「この金額、首都の一等地で大きな屋敷を立てられるほどでござるな・・」
ただ、この買い取り金額総計は「神龍帝の鱗」よりも安い。
さすがに以前、ザップリンさんに聞いた鱗の買い取り金額も考えて、少々の自重をアルはしていたのであった。
・・・・それでも、かなりの金額であったが。
ザップリンから「神龍帝の鱗」の買い取り金額を聞いて、後にアラモードは語る。
「鱗を売られなくてものすごくよかった」と。
ザップリンさんがいる方のギルドでは、一応金はあったからね・・・・・。