049 ゆったりとした日
もうすぐ50話!
今回はゆっくりとした日常風景
「こけーこっこっこっこ」
「ここーっこっこっこっ」
「・・・相変わらず可愛いなお前ら」
夏真っ盛りになってきたようで、日陰で休みながらアルはピヨ吉とピヨ美の羽をなでていた。
すでに成鳥となったようで、体の大きさも鶏というよりも秋田犬ぐらいのサイズになっているのだが、それでも可愛い鳥たちである。
卵も毎日1個は確実に生んでいるようで亜空間収納でとっておいて、目玉焼きやスクランブルエッグに出来るんだよね。
あとはここに温泉があれば温泉卵ができるんだけどな・・・・・確か片栗粉とか塩を加えたお湯で出来る方法がなかったかな?
「にしても、お前ら本当にでかいな」
「こけ?」
「ここ?」
なんとなく普通の鶏のサイズの方を思い浮かべるので疑問の声を出すと、二羽とも首をかしげる。
可愛い・・・癒されるというか、なんというか。
ふと、思ったけどこの子たちって前世の日本で見た鶏よりも大きいけどさ、これが本当の雷鶏の大きさかな?
「『鑑定』」
ちょっと気になったので種族の部分だけ鑑定してみよう。
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「真・雷鶏」
雷鶏の真の姿。純度が高く、高質な魔力をエサにして育てられた結果、通常の雷鶏からさらに上の存在へと進化した。大きさは通常の物と変わらないのだが、その品質は比較できないほど向上している。
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・・・あー、なんか予想通りかも。
神龍帝の魔力をエサにして育てていたけどさ、まさかチート生物の魔力でチートな感じに育つとは・・・・。いや?チートではないのか?
一応上の存在であって、品質がものすごく向上しているだけみたいだし・・・・まあいいか。
「この辺が気持ちいいか?」
「こけ~~~~」
「こここ~~~~」
首をなでてあげると、二羽とも気持ちよさそうに目を細めてゆったりとその場でおとなしくする。
まあ、可愛いから良しとしよう。これが気持ち悪い背物だったらさすがにいやである。
「ぐぉぉぉぉっ」
「お、畑の水やり終わったのか」
「ぐぉぅ」
と、気が付くとこの間迷宮から連れてきた地龍がこっちに寄ってきた。
名前もついでにつけたよ。地龍からちょっと文字をもじって『ドラン』だ。
オスなのかメスなのかは鑑定で調べてみた結果、雄である。しかもまだ若いようで。
まあ、こちらもペット感覚かな?畑番をしてもらっているし、結構良い奴だよ。
どうも種族としては俺の方が圧倒的に上なので服従しているようだったけど、この間改めて鑑定して見たら「神龍帝の眷族」なんて称号が付いていたぞ。
その称号には何か効果があるようで、能力が通常よりも高くなるらしく、大地を豊かにする様になったらしい。
こいつ一体がいれば、地球での砂漠化も解決しただろうな・・・・・まあ、もうここは前世の世界とは別の世界だから無理だけどね!!
とにもかくにも、今日もいつも通りの日々になるようであった。
のんびりとしたこういう暮らしがうらやましく思えてきた。