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004 人助け

主人公視点と、ヒロイン視点が交互に変わりますのでご注意を

SIDE アリス


私は今、信じられないような光景を目にしている。


 先ほどの白いドラゴンの姿が急に縮んでいったかと思うと、人の姿になったのだ。


 「人化の術」・・・・モンスターの中にはそのようなスキルを使用して人と同じ姿になるというのがいると聞いたことはあるのだけれども、目の前で実際使われると驚く。


人の姿になったそのドラゴンの姿は、銀髪で黒目・・・・顔立ちも整っており、美形とはこういうことを言うのかと私は心の底から理解した。


「っと、そういえば大丈夫かい?」

「は、はい」


 ふとこっちを見たその姿に、私はどきっとした。


「あー・・・ちょっとやりすぎたよなこれ絶対・・」


 その人は周囲に倒れた山賊たちの姿を見て、頭をかいてちょっと困り顔になっていた。



「あ、あの・・・」

「なんだい?」

「あなたはいったい何者なんですか?」


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SIDEアル


「あなたは一体何者なんですか?」


 そう目の前の少女に尋ねられたけど・・・・・どう答えようか。


 というか、俺のこの種族名「神龍帝」ってわかるのかな。



「えーっと・・俺はモンスターです。多分」


 そういうと、少女はガクッとした。


あ、これあきられたかも。


「いえ、そうではなくて・・・・」


 うん。そうじゃないよね。


「神龍帝という種族名らしいけど・・・詳しくは俺もわからないんだよね」

「神龍帝・・・聞いたことがないですわ」


 あ、やっぱり。マイナーなかんじか?能力としてはチートじみまくっているけど。


「まあ、一応名前は『アル』とでも呼んでくれ」


 これだけは残っている正真正銘の俺の名前のようだからな。神様命名っぽいけど。


 クーフーリンとかヒュドラとか、そう言ったのを付けてほしかったなー。


・・・・やっぱり痛い人になりそうだからそうじゃなくてよかったかも。



「あの、私を助けてくれたんですよね・・・」


 ちょっとおびえた目で見てきた少女。


 ま、そりゃこの状況だと第三者の襲ってきた人の可能性もあるからね。


「助けたのさ。だってどう考えても・・・そこで転がっているおっさんたちの方が悪者なようだしさ」


 一応これは正直な答え。


「って言っても・・・ついうっかりでそれ以外も気絶させちゃったけど」


 よく見ると、鎧をしっかりと着た騎士っぽい人たちまで気絶している。


 「神龍帝の威圧」・・・使いどころが難しいね。ひるませるどころか気絶させているし。


と、気が付くと血を流している人が多い。


「えっと・・・この鎧を着ている騎士みたいな人たちって君の仲間でいいんだよね」

「はい、私の護衛です」

「じゃあ、治すか」

「へ?」


 少女が目を点にする。


 まあ創造魔法で・・・・


「『回復魔法(ヒール)』」


 けがを治すならこういう魔法でしょう。水魔法と聖魔法を合わせただけの簡単なものだけど。


 想像しながら使用すると、手からなんかキラキラした光が出てきた。


 試しに怪我している騎士の一人にかざすと・・・・きれいに治った。


 うわぁ・・・ここまでとは思っていなかったよ。


 でも、これ一人一人限定だな。某ゲームの回復魔法(ホイ○)みたいな感じ。


 上位互換の全体回復(ベホ○ズン)の様にはできないか・・・・その辺はやっぱり制限付くのね。まあ、便利すぎるのも問題だしな。これぐらいがちょうどいいかも。



 とにもかくにも、とりあえず俺はこの騎士の人たちだけ癒して治すのであった。


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 SIDE アリス


私はまた、信じられないような光景を目にしている。


(む、無詠唱魔法・・・・!?)


 アルという名前を名乗った目の前のドラゴ・・・いや、人化しているから人物とでもいうべきなのだろうか。


 その人が使用した魔法は、私にとって目を疑いたくなった。


 

 魔法は普通、詠唱を必要とする。


 人によって魔法の詠唱は異なる。だが、必要なのは変わりがない。


 だが、目の前のアルはその詠唱なしで、魔法名だけで魔法を使用したのである。


 しかも、人の怪我を瞬く間に癒してしまう魔法なんて・・・・教会に仕える神官とか聖女様クラスでないとできないはずのものだ。


 次々と癒されて治されていく騎士たちを見て、アリスはアルに対して驚くことしかできなかった・・・。


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SIDEアル


「・・・これでよしっと」


 怪我していた騎士の人達の怪我は完全に癒し終えた。


 まあ、流れた血液まで完全ではないけどね。


 そのあたりの治療限界はあるわな・・・神龍帝とついていても、神ではないんだしさ。


「あとは、任せてもいいのかな?」


 少女に向かって俺は話しかけた。


 そういえば、今さら気が付いたけどこの子身なりがなんかいいような・・・「鑑定」を使用しようかと思ったけど、さすがに人に向けて使うのも失礼な気がするしな・・・


「はい、ありがとうございます」


 一瞬驚いたかのように見えたけど・・・


「騎士たちももうすぐ起きるだろうけど、流れた血液とかまでは戻っていないからしばらくは安静にして栄養を付けていてくれと言っといてね」


 そのまま俺は神龍帝の姿へと戻り、飛び立とうとした。


「あの!!最後に一つ聞いてもいいですか!!」


 少女が何か叫んだ。


「・・・何か?」


・・・・あ、この姿でも言葉しゃべれるのか。そういや「言語翻訳」のスキルがあったんだった。


 というか、何かあるのだろうか?


「あの・・・また会えますか!!」


 うーん、どうだろうかな?気が付いたのもそこで馬車が燃えていた煙に気が付いたからだし。あ、いつの間にか鎮火しているや。



「まあ・・・俺は今この向こうの方にある湖に建てた家に住んでいる。会いたければそこまで来ればいい。まあ、俺自身が人里に行くときがあるかもね」


 そう言い残し、俺は自分の家へと飛んで戻るのであった。


 結局名前を聞きそびれたけど・・・また会うような気がするし、別にいいか。


 目的であった人に会ってちょっと話すこともできたし。


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SIDEアリス


「あの向こうにある湖・・・・・」


 神龍帝・・・アルが言うことが本当ならば、彼が住んでいる湖は地図に載っている場所。


 あのようなすごい魔法を見て、さらに神龍帝とかいうドラゴンで・・・もうわけがわからなくなる。


 ただ、わかったのは、彼は強大な力を持ち、優しい人物・・・モンスター?な事だけであった。


「城に戻ったら、お父様に報告しましょうか・・・」

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