047 強行軍ともいうのかな
まあ、こういう時こそフルに能力を生かしましょう。
無駄なのか有効的なのかいまいちわからないけど。
現在、アルは迷宮で人化を解除して神龍帝の姿で飛んでその階層を移動していた。
「わーお、『神龍帝の威圧』のスキルのおかげで気絶しているモンスターが多いな」
眼下を見れば、気絶しているモンスターからひるんで動けなくなっているモンスターまで多く存在していた。
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「神龍帝の威圧」・・・半径5キロ圏内の生物に対して発動可能。自身が認めた者以外をひるませることができる。
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・・・どうやらこのスキル、縦方向と横方向に指向性を持たせてしようができるようだ。
なので、到達した階層でその階層のみでガンガン「神龍帝の威圧」を発動していたらあっという間にモンスターたちが倒れていく。
たまたまその階層で活動していた冒険者たちにも影響が出るかもしれないが、ここは「冒険者」を認めたとして見たら効果はない様だ。いまいち不明な部分が多いし、ここは後で実験してみないとわからないな・・・・ゲバルトとラスランあたりが引き受けてくれないかな?
この姿を見て腰を抜かす者が多いようだが、そこはどうにもならん!!
とにもかくにも、このペースなら目的の34階層ぐらいまではこのままでいいかな?
まあ、10階層ごとにボスモンスターと呼ばれる奴がいる階層があるようで、前の人が倒されるか倒すかしないと入れないようである。
まあ今回は早く入れたけどね。
10階層~
ここのボスモンスターは「キングスライム」の様だ。名前は似ているけど、某RPGのような王冠をかぶっておらず、目も口もないでっかい水球みたいな感じだな。
結構でかいスライムで家一軒ぐらいのサイズかな?
まあ、ブレス一発で焼き払ったが。
ボスモンスターを倒すと宝箱と次の階層への階段が出るけど、宝箱の中身が瓶詰「スライムの体液:純度100%」って何?まんまスライムじゃないかい。
「鑑定」のスキルで調べた結果、かなり高額で取引される化粧品となるようだ。
保湿とかにもよく、角質も取れて、さらにシャンプーなどのように使えば汚れがものすごく綺麗に取れるらしい。
しかも、食器洗浄に使えば皿の汚れもしっかり取れて良いもののようである。
スライム舐めてました、スイマセン。かなり使えるものですねコレ。
創造魔法で石鹸モドキを作ったことはあるけど、こっちの方がはるかに優れているのがなぁ。
20階層~
この階層のボスモンスターは・・・
「「「しゃぁぁぁぁぁっつ!!」」」
「へぇ、3つ首の蛇か」
ケルベロスの蛇バージョンてっところか。
鑑定したら名前は「トリプルスネーク」と出たけど、ここは「ケルベロスネーク」とかそういう方が面白かったような気がする。というかその名前だと段ボールに隠れるおっさんを想像したのはなんでだろうか。
まあ、敵ではないわ!!
3つの心が1つになれば強敵だったかもしれないけど、人化して挑発して誘導したら互いに首が絡まって死んだよ。締め上げられたんだね・・・・・。
まあ、このモンスターはCランク冒険者たちが何人かで組んでやっと倒せるようだけどね。
ブレス一発でもよかったかもしれないけど、面白みがないからなぁ・・・・。
で、30階層のボスモンスターが・・・・・・
「ぎゅぉぉるるる・・・」
「えっと・・・・・」
どうしよう、ここのボスモンスターは「地龍」とかいうやつで、ドラゴンの仲間に入るやつだったらしいんだけど、神龍帝ってそのトップにあたるようだから速攻で本能的に理解したのか土下座されたんですけど・・・・・。
目の前で、大きな蜥蜴にも見えなくもない地龍が土下座しているこの光景やいかに。
ある意味初めてあった同族だけど、なんか複雑な感じだよ。
ここはとりあえず、無視しようにも何かできないし、かといって倒さないと階層の階段が出現しない様なんだよね。
転移魔法は一度行ったところならいけるけど・・・・いけないと意味がない。
とはいえ、ここで全面降伏しているモンスターを殺すのもな・・・・あ、そうだ。
「というわけで、畑番を引き受けてもらうことにしました」
「まじですか・・・」
「迷宮のボスモンスターっすよね?それここに連れてきて大丈夫っすか?」
この際、ここからいなくなればいいのかなと思って自宅に「転移魔法」で一緒に連れて帰ってきました。
朝早くから潜ったけど、地上に出て見るともう夕方だね。
ゲバルトとラスランが驚くが、まあ大丈夫であろう・・・・・多分。
「ぐぉぉぉぉっ!!」
地龍も外の空気を吸えてなんかうれしそうである。
作物の管理とかを快く引き受けてくれるようでいいよね。
まあ、その場でじっとして成長を見守り、水をやったりする楽な仕事だけど。
・・・・というか、モンスターがモンスターを使役するとはこれいかに?
後でアラモードさんに話しておくか・・・・。
あ、名前も決めないといけないな・・・・ちょっとめんどくさいか?
気を取り直して再びダンジョンに戻り、だいたい目的である34階層まで俺はついにたどり着いた。
この階層あたりなら、俺がうろついていても逃げないモンスターがいるだろうしね。
やっとたどり着いた後、アラモードさんのもとに戻り、到達を話した後一旦また自宅に戻るのであった。
なお、副産物としてモンスターが動けなくなっているのが多かったために、冒険者たちが狩り放題の素材取り放題だったらしい。俺の今回の目的は体を動かすことだったし、別にそのぐらいはいいか。
なお、40階のボスモンスターにはまだ挑まないつもりである。
ここからは1階層づつ丁寧かつゆっくりと心行くまで暴れまわったほうが良いからね。