041 たまには日常を
「コケーッ!!」
日が昇り、庭でピヨ吉の鳴き声が響いた。
成鳥に成長してどうやら普通の鶏同様朝に鳴くようである。
「ふぁわぁぁあ・・・・」
部屋の布団から起き、まずは湖に向かってアルは・・・・
どっぼぉぉぉぉぉぉん!!
人化を解き、神龍帝の姿で豪快に目覚ましのために湖に飛び込んだ。
この時飛び散る水しぶきが、庭に生えている作物への水まき替わりでもある。後でちゃんとするけど。
朝シャンならぬ、朝飛び込みだが俺が結構すっきりする。
なにせ、全体が一気に冷えて目覚めるのだから。
「あー・・・・すっきりした」
一気に目が覚めて、シャキンとできるこの方法はいいよな。
雪が降って来たらまずそうだけど、季節的に今は夏のようだし大丈夫だよね?
それに、水の中の温度ってあまり変化しないらしいし・・・・でも、乾かす際に体温が奪われるかな。
すっきりしたところで、朝食を作る。
「今日のメニュー・・・あれ再現してみようかな?」
卵が取れるようになったし、こういう時にぐらいやってみたいことである。
まず、あらかじめ用意したフライパンを加熱し、そこにあらかじめ作っておいた食パンを載せて軽く焼く。
次に、小皿に食パンを置いておいて、卵を割ってやや半熟気味の目玉焼きを作ってから・・・
「パンに乗せて完成!!ラピュ○パン!!」
簡単だけど、やってみたい料理でもあるよねラピュ○パン。
ついでに醤油を少しかけて料理を少しいじってたべた。
雷鶏の卵、普通の鶏の卵よりも格段においしい・・・・・でも、完全再現するにはやっぱ普通の鶏の卵かな?
「まあ、おいしいからいいけどな」
食後は人化を解いて軽く森中を飛ぶことにした。
現在俺がいるこの「開けぬ森」・・・・俺がここに住み着くまではモンスターが多く、盗賊なども隠れて住んでいたらしいけど、俺が住み着いて以降はほとんどいなくなったらしい。
ただ、その代わりに小動物が多くみられるようになってもいるそうだ。
なんでも、俺・・・つまり神龍帝という強いモンスターが出たから、それをなんとなく感じ取ったモンスターの中で頭のいいやつとかが逃げて、盗賊とかでもうかつに森の中に俺に出会えばやばいと考えていなくなり、その結果、小動物を襲うような野生生物もいなくなって増えたようである。
ついでに、俺の住処で住むことによって安全性を高めてもいるんだとか。
その代わり、たまにだけど俺の家になんか木の実が置かれるように・・・・・これって共生関係って言うのかね?
ついでにアリス姫によると、この森の名前の変更案が出ているそうな。
「開けぬ森」から「神龍帝の森」へと言う変更案・・・・俺は森の主か何かか?どこぞやのシ○神のもいみたいな言い方だよ。
まあ、そんなことは別にどうでもいいけどな。
「おや?」
ふと、上空から見ると森にまた新しい動物の群れが入ってきていた。今度はウサギか・・・
こうしてみると、結構この森って生態系が豊かになってきているような。
よく前世の地球で外来生物が持ち込まれて生態系が変化するってのもあったけど、これも似たような物かな?プラスの方面で良いみたいだけど。
飛行を終え、自宅に戻って畑仕事をする。
最近ちょっと研究し、うまい育て方を画策中。もっと大きく、味を良く、病気に強くっと・・・。
「創造魔法」で都合よく作れそうなものだけど、こういう努力もしていかねばダメ人間になってしまう。
いや、今はもうモンスターだからダメモンスターとでもいうべきか?ややこしいなもぅ。
温室もなんとかうまい事かどうしているようで、南国の作物もすくすく生育中。成長魔法は効き過ぎてつかえないからね・・・・。南国の物限定だし・・・・なんでだろう?
「コケェ~~~~」
「ココココーーー」
「ここがいいのか?」
少し休憩として、鳥の世話としてなでる。
成鳥になったのでヒヨコ時代のふわふわ感が薄れたが、それでも結構触り心地がよい。
ただ・・・・大きくない?中型犬サイズなような?
雷鶏ってここまで育つのかな。今度アリス姫が来たら聞いてみよう。
昼食はちょいと工夫。
この間行ったアララン共和国産の海藻を煮詰めてだし汁を取り、ちょっとお好み焼きに挑戦。
具材は共和国産海産物だぜ!!
ぐにょり
「・・・・思ったよりも触感が気持ち悪い」
クラーゲンとかいう食材を入れたのはまずかったか・・・・。クラーケン、つまりイカに似ているかと思って入れたけど、鑑定して見たらこれクラゲに似たやつだ。
「まぎらわしいわっ!!」
買ってみたときは真っ白だったから勘違いしたんだけど!!死後に透明感が無くなって白くなるんかい!!買う前に鑑定でしっかり調べるべきだったよ!!
ただ、一応調理方法によってはおいしくいただけるようである。クラゲが食えるとは・・・いや?でも一応地球でもあったよね?あれはたしかせんべいに加工・・・・だっけ?
昼食後は、人化を解いて今度は昼寝である。
神龍帝の姿で寝ると、全身に日の光が当たりなかなか気持ちがいい。白色だから光を反射してしまうが。
鱗の一枚一枚にまんべんなく浴びて、日光浴もとい昼寝を楽しむ。
「あ~~~至福の時だ・・・」
「コケ~~~」
「ココ・・・」
ピヨ吉たちも一緒になって昼寝するのだが、つぶさぬように細心の注意を払う。
昼寝を終え、畑仕事をして日が暮れてきたので風呂に入る。
風呂の水は湖から引いてきているので楽だな。
その後、夕食をとるのだが、今日は簡単に揚げ物にした。
歯を磨き・・・・・この身体って虫歯になるのかな?いや、神龍帝の姿に戻ったときに虫歯になっていたら物凄く痛そう。
布団に潜り込み、そのまま俺はぐっすり眠りにつくのであった・・・・
何もない時はだいたいこういう1日かな。