034 ちょっと料理2
うまいこと行かないな?
「この部位は牛、この部位は豚ッと・・・」
アララン共和国でのキングピッファローグシュ討伐後、俺はそのモンスターを解体していた。
鮮度を保つために適当な場所に地下室を作ってそこに入り、、そこの気温を「創造魔法」で作成した「氷室」で下げてやっているので吐く息が白くなり、うすら寒い。
いや、だいたい気温がマイナス位になっているけど、この体はどうもそういうのは大丈夫だ。
だけどね、気持ち的に寒いんだよ!!体は平気でも、凍り付いた場所とか見たらそりゃ寒くなるわ!!
さっきまでいたのが南国だったというのもあるな・・・・・。
まあ、とりあえず「鑑定」によって細かくキングピッファローグシュの肉を種類ごとに分けていく。
牛、豚、魚の肉が混ざっているからな・・・・・魚の部分がやっぱり少ないな。魚の特徴が背びれと尻尾部分しかなかったことが原因かな?
あと、電撃を流して倒したから焦げた部分もあり、内部が主に焦げていたので内蔵の調理は不可能。
まあ、ソーセージぐらいしか犠牲はないだろう。
でも「最高級の肉」と鑑定で出るのはよだれ出そう・・・・おっと、肉にかかる。
数十分ほどかけて、使用可能な肉を亜空間収納に仕舞った後、残ったのは頭と骨と、内臓部分だった。
骨はまあ出汁が取れるからこれも収納するとして、牛の頭はどうするかね・・・?舌を切ってタンとして焼肉に出来るようだけど、なんかやめておこう。
「あ、ギルドに出せばよかったか」
買い取りしてくれるよね?モンスターに体内からは魔石というのも出るそうで、こっちも今のところ使い道はないけどこれは取っておこう。
「さてっと、どういう料理にしようかな?」
地下室を閉じて外に出て、この肉をどう調理していくべきか考える。
もうそろそろ雷鶏が成鳥になって卵を産み始めるからかつ丼とかに調理してできるけど、そこは豚の肉にするから・・・。
「そうだ、サイコロステーキにしようかな?」
まずは、肉をサイコロ上にきれいに切り分けます。
鉄板は一応あるのでこれで焼くのは良いとしてソースはどうしようか?
というわけで、ソースだけは市販のやつを使用。ギルドにいったん転移してキングピッファローグシュの頭を売却した後、首都の商行区画にて適当に購入。
この世界の通貨基準を教えてもらっていたのはよかったなー。
まあ、売却額が金貨3枚ほどになったけど。あの頭もそこそこ高級食材とか、はく製にしたりなどの使い道があるようだったしね。
とりあえず、鉄板で肉を焼く。
じゅわぁぁぁぁ~~~~~~~
物凄くいい音がして、その香りは鼻腔をくすぐる。
レアもいいけど、ミディアムにでもしておくか。
ソースもすこし流して絡めて、ついでに畑でとれた野菜も添える。
出来上がり、味わってみると濃厚な肉汁が口に広がり、うまいの一言しか言えなくなる。
最高級の味・・・・というよりも天上へ上るかのような味わいであった・・・・。
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その頃、ギルドでは
「これは俺が食べるんじゃぁぁぁぁ!!」
「いやいや、こちらが食べるんですよ!!」
「こちらのシェフの方が最高においしく出来るんですよ!!」
「・・・・何が起きたのかのぅ?」
「あ、ギルドマスター。実は先ほどアルさんが売却してきたキングピッファローグシュの頭をめぐっての争いが起きたんですよ」
キングピッファローグシュは超高級食材。
その頭も調理すれば最高級の料理へとなるのだが、めったに市場に出て回らない。
そこへ、アルが持ち込んで売却してきたそのことを目ざとく聞きつけたグルメな人たちが争って購入しようとしているのである。
はく製に使いたいという貴族もいたが、大半がそれはもったいないとか言ってほとんどが食欲に押されているのであった。
「他にキングピッファローグシュ討伐の依頼とかなかったか?」
「それがめったにないですからこのような騒ぎになるでしょうが・・・・・」
頭を抱えるギルド職員。
ギルドマスターのザップリンは他にキングピッファローグシュが居なかったかどうか、アララン共和国のギルドマスターのミランに尋ねてみようと思うのであった。ついでに、自分も少し欲しいと思っていたりもする。
そろそろ王女また来るかな