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028 せっかくだしな

こういう点でもマイペース

SIDEアル


突如始まった巨大なギガントオクトパスVSここのギルドマスター「大地の魔導士」ミランとの戦い。


 さすがに何が何だかわからないので、とりあえず俺は町の人に紛れて避難しながら尋ねてみることにした。


「一体何がどうなっているんですか?」

「おや?お前さん旅の者かね?それなら当然か」


 尋ねたのは、どうやら屋台のおばあさんであった。


「と言うと?」

「この国は島国なことはわかるな」

「あ、はい」

「昔からねぇ、海から大きなモンスターが襲ってきたりすんるんだよ」

「え?」


 このアララン共和国は南海に浮かぶ島国。


 気候は1年中温暖で食べ物も豊富で過ごしやすいのだが、それはモンスターたちにとっても同じらしい。


 そのため、海中にいるモンスターが陸地での住みかとするためにこの国に上陸して襲い掛かてくることがあるのだとか。


 だが、基本的に海にいるモンスターは陸上のよりも強力なものはなぜか少ないらしく、むしろ獲物として見られる傾向にあるらしい。


 で、その獲物たちをとるためにそのモンスターに対して自信がある冒険者たちが戦って、そしてついでに安全も守るのだとか。



 なるほど・・・・それで妙に避難慣れしているわけだ。


「大体の被害としては、家の壊滅もあるんだけどねぇ。ギルドや国が保証してくれるのさ」


 モンスターを倒せばその素材を確保できる。


 しかも、高値で取引できるようなやつらばかりなので儲かるのだとか。



「うまいこと出来ているんだな・・・」


 誰が考えたんだろうかその仕組み・・・・。


 この国ならではの特徴で、しかも冒険者たちの実力を堂々と見れるでギルドもランクを上げるべきかの判断に使用しているらしい。


ん?でも今戦っているのってそのギルドのトップにあたる人なのでは・・・・・・



「ギルドマスターが戦闘していいんですか?」

「それは問題ないのよ。要はモンスターを倒せればいいって話だし。自信があるならば誰だって参加可能よ」

「まあ、冒険者の人しか戦わないがな」


 あっはっはっはっはっはとそのほかの人達も笑う。

 

 なんというか、この国の人達ってたくましいのか?




 そうこうしているうちに、戦闘は終わりを迎えてきたようである。


「ぎょおおおおおおおおお!!」


 何度も岩石をぶつけられたり、足をぶった切られたりしていたようでだいぶギガントオクトパスが弱ってきているようだが、その雄たけびは物凄い怒りを込められていた。


「くっ、そろそろ倒れなさいよ!!」


 叫ぶギルドマスターミラン。


 こちらも魔力を結構消費しているようだけど、もう少しってところか。



 すっかり俺も観客という野次馬に回っているけど、あの様子なら大丈夫でしょ。


「そろそろこれで終わりにし、」

「ぎょぉげぇぇぇぇぇぇっつ!!」


 言い終わる前に、ギガントオクトパスが残りの触手すべてを連続で突き出してくる。


 もうこれしかないというか、起死回生を狙ってすべての力を籠めているな。



「くっ!!死にぞこないの癖に!!」


 かなり速いから、避けるのが大変そうだけど・・・・・


 しかたがない、助けるか。


 どーせ今日でここから帰る予定だしね。ついでにたこ足一本切り取って持って帰ろう。


 たこ焼き作れそうだしな。食用可能っぽいし。


 そう思い、俺はその場からタコ野郎に向かって駆けだした。タコの弱点とくれば、たしか・・・・・


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SIDEミラン


「くっ!!死にぞこないの癖に!!」


 ギガントオクトパス・・・・もう少し楽に倒せるかと思ったけど、思ったよりしぶとい根性があるやつのようである。


 最後の力で連続で触手を突き出してくるのはうっとおしい。


 もう魔力が少ないってのに・・・・めんどくさい奴め!!



「穿てこのだい、」

「『炎の槍(ファイヤーランス)』!!」

「へ?」


 誰かが叫ぶと同時に、バカでかい炎で出来た槍があたしの頭上を通り過ぎた。


 そのままあのタコ野郎の眉間に・・・・


ズドォォォォォォン!!


 ものの見事にその炎の槍が突き刺さり、貫通して飛んでいった。



「・・・・はぁっ!?」


 あんな無茶苦茶なレベルの物を見たことがない。


 あの一撃でどうやらあのタコは死亡したようだが・・・・・なんて威力だ・・・・。


「おー・・・・予想以上に効いたのか」


 魔法が放たれた方から声がしたので見ると、そこには白髪の・・・いや、白っぽい銀髪の青年がいた。


 魔法の感じからして、あの炎の槍はこの青年が放ったんだろうけど・・・・詠唱なかったぞ。


 というか、この感覚からしてあのスイカン割りの時に感じた魔法を使ったやつと同じだこれ。


 無詠唱で、しかも単純に炎属性の魔法だけであの威力・・・・どんだけの実力者だよ。




 冒険者でこういう話は聞いたことがないし・・・・・となると、冒険者ではないのか?



 考え込んでいる合間に、いつの間にかその青年はその場から消えていた。


 タコの足もでっかく1本がその場から消えて・・・・・。






絶対、後で何かあるぞこれ・・・・

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