025 スイカン割りセカンド
あれだけで終わると思う?
一応マイペースに過ごすけど、それなりには何かしらに巻き込まれるよ
『さーっ!!この決闘で必ず生まれる素晴らしい友情があったが!!』
え?必ずそんなことになるのかそれ。
『ここでスペシャルマッチだーっ!!』
・・・・つまり、まだ何かやるのか?面白そうだしもうちょっと見て見るか。
ちょっと近くにいた人に聞いてみると、大抵このスイカン割り決闘は前半が普通の決闘で、後半戦として今年ここまでやったスイカン割りで素晴らしい戦闘をした人が招待されて行われるものだそうだ。そして、そのスペシャルマッチが終わった後は、その割られたスイカンが野次馬たちに配布されるらしい。
スイカンが無駄にはならないのはいいかもね。というか、野次馬がここまで集まっているのはそれ目当てか。しかし・・・・スイカ割りでの戦闘ってなんだ?ルール的に考えてスイカンを割るために互いに応戦しあうのか?
というか、あの司会の人まだまだハイテンションだな。
『さて、今回のスペシャルマッチはぁぁぁあっ!!この二人だぁぁぁっ!!』
司会の人が指さすと、誰かがその場所に飛び込んできた。
「どっせいやぁ!!」
「ふんすぅ!!」
先ほどまで対決していた人たちがいたところに、新たな人物が立っていた。
砂煙がいい感じの雰囲気を醸し出している。
『赤コーナー!!今年78回目決闘スイカン割りでの勝者!!冒険者ランクBの拳闘士ラースぅぅぅぅ!!』
「いえぇぇぇぇいい!!」
vサインをするラースとかいう冒険者・・・女性で赤いビキニを付けて結構きれいな顔立ちだけど・・・・その胸が残念な感じである。
うん、悲しいような気がするんだが・・・・。
『青コーナー!!今年85回目決闘スイカン割りでの勝者!!去年この国の冒険者ギルドのギルドマスターに就任した元冒険者ランクAランク!!異名持ち「大地の魔導士」ミランぅぅぅぅ!!』
「よっしゃぁぁぁぁぁ!!」
こちらもvサインをする女性だが・・・・・同じく残念な感じがする。どこがとは言わないけど同じなような気が。
冒険者たちはある程度有名になるとなにかしらの異名が付くようだけど・・・・「大地」ってことは土魔法かな。
というか、今の名前の「ン」の部分を無理やり伸ばした司会の人すごいな。
『さぁてっ!!スペシャルマッチゆえに賭けるものはないのだが!!果たしてどちらが勝つのか!!』
まあ、見物な感じがする。
互いに目隠しをして、先ほどと同じように回転した後棒を構える。
『野次馬の皆さんはもう少し避けてください!!』
ん?注意喚起?
何かまずいのかな・・・・?ちょっと「鑑定」。
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種族名:『人間』
名前:ラース
性別:女性
HP:425
MP:506
スキル:「拳闘士」「拳強化」「速足」
称号:「Bランク冒険者」「絶壁を宣告されし者」
種族名:『人間』
名前:ミラン
性別:女性
HP:567
MP:400
スキル:「魔導士」「土魔法強化」「魔法強化」
称号:「元Aランク冒険者」「ギルドマスター」「永遠の0」「大地の魔導士」
「拳闘士」・・・格闘術に優れるようになるスキル。副作用として体形がスレンダーになる。
「拳強化」・・・殴っても手が痛くならないようになり、拳の威力が上がる。
「速足」・・・素早さが若干上がる。
「絶壁を宣告されし者」=「永遠の0」・・・悲しい。どこがとは言わないが、この現実を受け入れてしまえないが故についてしまう称号。
「魔導士」・・・魔法を使用する際に威力が上昇。「魔法使い」のスキルが成長した。
「土魔法強化」・・・・土属性の魔法が大幅強化&消費魔力削減効果。土属性を徹底的に鍛えあげることによってつくスキル。
「魔法強化」・・・・「魔法使い」のスキルの派生。いつの間にかついており、魔力の消費を抑えることができる。
「大地の魔導士」・・・異名でもあり、称号でもある。土魔法を極めた者が付く。
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・・・何やら悲しいものがあったようなのは気のせいか?涙が出てくらぁ・・・。
「=」が付くってことは同じってことだろうけど・・・・もしかして他にもつくのあるかな?
まあ、スキルのコピーはしなくてもいいか。
しかし、さすがというか、あのレバータカってやつよりもステータスが上だよね。
ギルドマスターの方もすごいし・・・・ザップリンさんも今度鑑定してみようかな?あの好々爺のお爺ちゃんも結構実力がありそうだったしね。
いやまてよ、ギルドマスターが普通にこうしていていいんかい。ザップリンさんだって・・・あれは歳のせいか。
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「へくしょい!!」
「どうしたんです、ギルドマスター?」
「いや、なんか儂の事を誰かが噂しておったような・・・・」
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両者が棒を構えて・・・・・
『レッツ!!スイカン割り!!』
「せぇぇえいやぁぁぁ!!」
「ぬっせぇぇぇぃ!!」
司会の人の合図によって、両者同時に動き出す。ここまではさっきの人達と同じだが・・・・。
「うなれ砂の~~~~~~~~」
「必殺!!空気砲!!」
ラースという人の方がいきなりその場で正拳付きを繰り出す。ミランというギルドマスターの方はなにやらまだ詠唱中の様だった。ただし、見当違いの方向の地面に向かってだが・・・・
どごぉぅ!!
「はぁっ!?」
地面がこぶしの形でへこんだ。空気を拳で叩いて前に突き出したようであるが・・・・・なんじゃそりゃ。
というか、こうなるならそりゃ注意喚起が出るわな。
「~~~~~~~~~~『大地アッパー』!!』
ミランが何やら詠唱し終えた思うと、地面から何やらでかい拳が現れてアッパーをかけた。
ただ、見当違いの方向で・・・・。
すどぉぉん!!
『おーっと!!観客の数人をふっ飛ばした!!安全のためにもう少し離れてみてください!!』
野次馬が巻き添えを喰らった。
でも、これがこの国の名物なのか何が起きても逃げない野次馬たちすごいな・・・・下手したら怪我するけど。
というか、どんどん白熱化しているのがすごい。野次馬たちも盛り上がっているし、この国の人たち本当にたくましいな。
しかし・・・・あれだけやってまだスイカン割れていないんですけど。
と、そんな時だった。
「~~~『岩石爆弾』!!」
ドカァァァン!!
「!?」
ミアンが放った魔法だが、その破片がこっちにとんできた。
「あぶねっ!!」
慌ててよけたのだが、さすがにいくつか避けきれないと判断した。
「『盾』!!」
簡易的な防御魔法をとっさに「創造魔法」で作成して素早く発動させる。
原理としては、魔法を打ち消すというか、霧散させるイメージなので闇属性などを使用。ただし、色合い的に黒いとなんかあれなので素早く白くしようと光魔法で覆う感じにする。
ここまでわずか0.001秒。最速で創造魔法で魔法を作製したことになった。
魔法名を唱えると同時に、白い盾のような(某機動戦士の持つ奴が白一色な感じ)ものが空中に形成されて飛んできた破片を受け止めると同時に素早く消滅させた。
危うく怪我をするところだったよ・・・・いや、この人化している状態って怪我するかな?
「なっ!?今何か魔法を感じたような気が!!」
あ・・・・なんか面倒ごとの予感。
面倒ごとが来るのはお約束