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248 回収作業

「……はぁ?雲上の巣?」

「ハイ、報告によるとそのようなものが確認されているそうデス」


 ゴーレムタウンにて、アルはファーストからとある情報を聞いた。


 その情報とは……雲上に飛行可能なモンスターの巣が作られているらしいという事である。


 ただ、雲上とは言っても雲に普通は乗ることはできない。


 このゴーレムタウンもアルの魔法『雲固め(クラウドロック)』によって固められた雲だからこそ設立できているのであり、普通に考えたらありえないような話なのだ。




 アル同様に雲を固める魔法を扱える者が居れば話は別になるだろうが、雲に乗るという発想自体を考える人は少ないようであり、またそのような事が出来る者が居るとは考えにくい。



「諜報部隊(飛行専門)によると偶然発見したようで、高度はこのゴーレムタウンよりやや低め、固められただけの雲のようであり、移動は風任せのようですがその雲上には多くのモンスターが巣を作っているようデス」

「ワイバーンにグリフォン、ペガサス、ハーピー、ガーゴイル。さらにドラゴンで飛行可能な……火炎龍(ファイヤードラゴン)に本来なら雷雲に住むと言われる雷龍(サンダードラゴン)もいるのか」



 飛行が可能なモンスターたちが、そこで巣を作って空を漂っているらしいが……その土台の雲はどっから来たんだ?


「魔法によるものの可能性が一番高いのですが……マスターの仕業デスカ?」

「いや、ここ最近そんな魔法なんて……待てよ?」


 そこでアルはふと思い出した。


 結構前の事であり、ほとんど忘れていたが……魔法『雲固め(クラウドロック)』を初めて使用した時の雲、あれは確かそのまま放棄していたことがあったのである。


 別に気にも留めていなかったし、誰にも利用はされないだろうなとは考えていたが、思いっきり有効活用されてしまっているようであった。



 まさか今になってそのことが表に出るとは思っていなかったが……まぁ、やってしまった物は仕方がない。



「以前作ってそのまま放棄していた物だろうな。一応迷惑とかはかけていないよな?」

「あ、やっぱりマスターの仕業でしたか……一応、大丈夫のようデス。巣作りの場所になっているだけで、周辺にこれといった被害を及ぼしてはいないようデスネ。ただ、最近狭くなってきているようなのでそのあたりで争いが起きてもおかしくはありまセン」


 ほったからかしにしてはいたが、その報告を聞くと今後きちんと管理したほうが良いのかもしれない。


 そうアルは考え、その雲上へと向かうことにしたのであった。












「あれがあの雲か……」


 風の流れと計測している諜報部隊の予測から、予定飛行地点へアルは向かったが予想通りその雲を見つけることができた。


 見れば、たくさんの空を飛べるモンスターが生息しているようで、さながら南極のペンギンコロニーのような光景である。



「あの様子だと大分飽和してきているな……拡張しないとそろそろ限界になるんじゃないか?」


 ぎっちぎちの満員電車の一歩手前……あと数年もしないうちに限界が来るであろう。


 とりあえずは、雲上に出来た巣などを破壊しないように、一旦他の雲を引き寄せて固めて拡張する必要性がある。


 このまま放置していると、そのうち住処を下の方にいって、本来いつかない場所にいるモンスターが出てきて生態系を乱すようなことになっても困るからね。



 とはいえ、このままの状態で近づこうにも、子育てをしている様子もあるしうかつに行けば死に物狂いで巣を守ろうとするやつらが出る可能性がある。


 おとなしくさせればやりやすいだろうが……ここで久しぶりにあれを使ってみるか。



「『神龍帝の威圧』」


 久しぶりのスキル発動だが、効果は抜群だったようである。



……あ、やべ強すぎた。久し振りだったら感覚を忘れていたよ。


 あぶく拭いてぶっ倒れるものとか……なんかごめん。

「082 誰もが夢を見るかもしれない」のやつです。

考えてみれば結構長い事やっているんだよなぁこの物語。

にしても、「神龍帝の威圧」の力って久しぶりの使用かもしれない。いつ以来だっけ?

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