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243 そして彼の結末は

今回でボルドは引退かな。

このボルド話が思った以上に長かったような気がする。

 ゴーレムタウンの牧場区画では、この秋ボルドにとって待ちわびた瞬間が来た。


 ずっとギラギラとした目で狙ってくる同種のバッホーンのメスたちから狙われ、また自身になぜか惚れているユニコーンのプラチナによるアプローチにも疲れ果てた、バッホーンのボルド。


 春から行われてきたメスたちの子育ても終わりを迎え、もう間もなく毎年秋に起こる繁殖期(無間地獄)へ突入しようとしていた。




 本来であれば、この牧場にいるバッホーンのオスはボルドだけの為、その他のメスたちに追い回されて昨年は干からびて死にかけてきた。


 だが、今年は違う。



「よーし、大体計算通りオスになったな」

「そりゃそうなのだよ。この我が創り出した薬に失敗はないのだよ!」


 ボルドは見た。


 何かしらの不思議な薬が子育てを終えたメスたちに投与されて、何頭かがオスになったことを。


 それはすなわち、彼だけが負担を強いられる時代がようやく終わりを迎えたという事になるのだ!!



「バッホォォォォォン!!」

「おー、ボルドも負担が減るのが分かるのか、物凄い号泣しているな」

「地獄を乗り越えた先の希望に、ようやくたどり着いた歴戦の猛者のような表情なのだよ」

「そんな表情見たことがあるのか?」


 柵を超えた先に、今の居場所を創り上げた人物であり、主でもある圧倒的な格上の存在(アル)と、この繁殖期に起こる地獄からの解放となる薬品を創り上げた救世主(ミャルゲス)がいた。


 その二人によって、このメスからオスたちへ変えた状況が行われたことに、ボルドは深く感謝をささげた。


 これでようやく、自分の負担がぐんと減る‥‥ボルドにとって、最もありがたいと思えた時間であった。




…………しかし、彼らは気が付かなかった。


 ミャルゲスが創り上げ、投与したのは性転換させる薬。


 肉体的(・・・)にはメスからオスへと変化させるのだが…精神的(・・・)にはどうなのだろうか。


 外観は変わっても、内観は変わらない…そういう可能性を考えてはいなかったのだろうか。


 そしてそこから導き出されるのは、ある一つの恐ろしい事実。



 メスは例年通り、オスを狙うのでそこはいい。


 メスからオスへ変化した者たちがターゲットにされるのだからボルド以外をメスたちが狙う事があるだろう。



…だが、メスからオスへ変化した者たちはどうするのだろうか?


 体としては、オスとなったのでメスに襲われるままになるだろう。


 だが、心はメスのままである。


 けれども、身体はオスとしての本能を求めているのだ。


 メスからオスへと変わった者たちは、メスの感覚そのままでいるのかもしれない。


 となれば、必然的に他のオスを襲うのだろうが…彼女たちが子をなした相手は誰か。


 そして、今年も結びたいという相手は誰か。


 その結論を出してしまった時…すでに遅かった。





 数日後に起きた悲劇。


 それは、心も変化させる薬をミャルゲスが慌てて作り上げなかったらずっと続いていただろう。


 静まったのはいいが、起きてしまった悲劇はもう取り返しがつかない。


 危ない扉は閉じたのだが、去年の秋以上に悲惨な目にボルドはあうのであった。


 後に、この悲劇はある国を滅ぼす際に非道な方法として考えられるのだが、その時にボルドが察知して辞めるように必死になったのはまた別のお話・・・・

…悲劇が起きたから彼が表舞台に出なくなったのである。

後に、ユニコーンのプラチナとの事があったのだが…それもまた別のお話。


この話ヤッパリ改変したほうが良いかな…書いているだけでも悲惨にしか思えなくなった。

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