241 名づけと今後の方針
名前やっと決まった・・・・
…種族が人間となっていた子は、人間が故に寿命の長さが他の3人よりも短くなりそうなので、長寿になれるように『ラル』。
神龍は悪しき者たちを浄化しそうな感じがあるし、博愛の心も持ってほしいので『セレス』。
獣人(金狐)種族の子はしっかりと状況を把握できるような明晰さをもって、対処できるように『エルド』。
そして唯一の男の子だったドラグニルの子は、決断力をもって人々の心の調和をできるように『シスト』に。
それぞれその意味を持つ宝石の名前『コーラル』『セレスタイト』『エメラルド』『アメシスト』から少々もらって変えたが、良い感じだろう。
「とは言っても、どう育てるのかはまだ手探りかな・・・」
「大丈夫ですよアル。可愛いこの子たちならきっといい子に育ちますから」
「鍛えあげてちょっと戦えると楽しそうなのだけれどもね」
ランのその一言…ツッコミを入れるべきかどうか、アルは一瞬迷ったが、結局ツッコミを入れるのをあきらめたという。
自分の子との模擬戦…まだ幼すぎて無理だけど、将来的にはやってみたいのだろう。
うん、ちょっとこれ鍛えてあげないと大惨事になりそうな気がするのは気のせいかな?
「一応、お二人ともまだ出産したばかりですのでまだまだ安静にしている必要性がありマス。育児の方では、私達このタウンにいるゴーレム一同もお手伝いをきちんとさせていただきますネ」
「うむ、我もどう育つのか見てみたいし、時々手伝うのだよ」
ファーストとゴーレム一同及び、ミャルゲスが育児にきちんと手伝うらしい。
…ミャルゲスはちょっとやめてほしいかも。実験による爆発に子供たちが巻き込まれてほしくないからな。
そうアルは思いながらも、アリスとランに抱えられてすやすや眠っている我が子をいると、どこかほっとしたような穏やかな気持ちになった。
「こうして改めてみると…本当に二人とも頑張ったよね」
そっとアリスとランの頭に手を乗せてアルは撫でる。
抱きしめたかったが…さすがにまだ生まれたての我が子を抱えた状態なのでちょっとためらった。
おろしてもらってと言うのもいいけど、今こうやって寝ているのだし邪魔したくなかったのである。
「はい…いや本当にものすごく死ぬかと思えましたよ」
「難産というか、危うく腹を切り裂いて出してもらおうかとも思えましたからね…」
自然分娩で良かったと、この痛みを乗り越えてアリスとランは共感できているようである。
「っと、そう言えば誰が先に生まれていったのかな?」
姉妹姉弟きちんと確認せねば。
「まずはラル…次にエルド、セレス、シストの順番です。長女としてはラル、エルドの二人が、次女としてセレス、弟としてシストになりますね」
「それぞれの子供ですから、分けて考えたほうが分かりやすいわよ」
まあ、皆一緒育てるのだから別にいいか…全員同い年になるけど、そのうちきちんとそういうところが出るだろう。
できれば弟をパシリに使うような状態にはなってほしくないが。
何せ女の子3人、男の子1人で一番年齢順で低いのもあるしな…押され気味になるような気しかしない。
「あ、そう言えば忘れそうですが、この子たちが将来的に自立をした際に一応頭に入れておくとすれば、皆王族の家系に入りますので公爵に近い扱いになるかと・・・」
そう言えば、アリスもランも王女であった。
王族の血縁関係者として、仮に貴族の爵位を入れるなら公爵としてもおかしくないような地位にある。
そして、その父が公認モンスターであり…今はまだどうなるかはわからないけど、この子たち自身も相当力があるだろうし、美しくも成長しそうだから欲望にまみれた悪い虫が寄ってくる可能性も否定できない。
そのあたりは今後きちんと考えるべき課題かな…ああ、シストの方はハニートラップを将来的に仕掛けられる可能性も否定できないからそのあたりも要注意か。
今後の子育て方針と、将来的に起こりうる厄介ごとの可能性にアルは頭を悩ませるのであった。
どんなことでも大先輩と呼べるような人がいるからね。
…あれ人じゃなくて公認モンスターか。なんにせよ、参考になりそうなことは聞けそうである。