023 アララン共和国
本日2話目
上陸です
「・・・あの島が『アララン共和国』ってところかな?」
家から出発してはや3日。夜中には「転移魔法」で帰るとはいえ、意外にも時間がかかった。まあ、物凄くのんびり景色を楽しみながら飛んでいたしな。
全速力であれば、おそらく2時間ほどであろう。まあ、ゆっくり行くのもまた一興。
チートレベルでも、こうして楽しみがないとつまらないからね。
ともかく、今俺は南の海上に浮かんでいる大きな島を見つけたのであった。
この距離から見て、民家や白っぽいものがあるから間違い何であろう。
だけど、問題としては・・・・・・
「どうやって入国しようか」
それが問題であった。
人化して飛行魔法でゆっくり入ろうとしたらはじかれた。
鑑定してみると、どうもあの島国全体に何やら結界のような、バリヤーのようなものが張ってあるらしく、空からのモンスターの襲撃や、不法入国を防止するための物らしい。
もちろん、ブレスを吐けば穴を開けて入れるけど・・・・厄介ごとは増やしたくないしね。
壊した後にこの結界が元に戻らないとか、全部壊れたとかになったら目も当てられないし・・・・・。
しょうがないので、どうやら定期便が出ているようなので、島から離れた陸地からそれに乗って入国した。
お金なんかはブラックウルフをギルドに持っていって、毛皮以外を換金したらそこそこ入ったので大丈夫だったけど・・・あのあたりではめったに出ないやつだったから危うく大騒ぎに。
飛行していて、遠くの方で見つけて捕らえたと説明して事なきを得た。
「亜空間収納」のスキルや、「転移魔法」はすでにギルドには説明済みかつ公認モンスター証明書にも記載済み。パスポートかよとツッコミを入れたくなるけど、この公認モンスター証明書が俺の身分証明書の様なものらしいしな。
この国で何かあれば、この国のギルドにこれを見せればいいっぽいしね。結構便利。
・・・・ちなみに、今日はこの国の宿屋で泊まってみるつもりである。
ヒヨコたちの面倒だが、ちょっと考えてザップリンさんに相談してみたらいい考えだと言われたので、公認モンスターからの指名依頼として以前会った冒険者二人組・・・・ゲバルトとラスランを家に迎えて数日ほど留守番してもらうことになった。あの二人は悪いところがないようだし、安心できるかな?
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・・・・ちなみに、この時に報酬は「神龍帝の鱗3枚」としていたのだが、ゲバルトとラスランが換金してみたところ物凄い額となったので泡吹いて倒れたということが起きた。
神龍帝という公認モンスターの鱗で、しかもこれで武器や装備を作れば物凄い魔法耐性や物理耐性、状態異常耐性を持った優れたモノになり、さらに様々な能力向上効果のある薬のもとになることがギルドにいた鑑定士とかいう人たちが発見したのが原因らしい。
ちなみに、鑑定士たちが鑑定した鱗はザップリンさんにちょっと気になったので調べてもらえないかなとアルが渡したものである。
素材までチート級だったのは・・・・・さすがに後日聞いたアル自身も引いた。
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上陸してみると、南国なので結構気持ちがいい感じの気温である。
売店とかにあるのも、自宅周辺の開けぬ森にないような果物や野菜などが多い。
それに・・・
「青い空、白い浜、きれいな海・・・・・まさに南国だな」
理想的なかんじだけど・・・・・ちょっと悲しい情報もある。
この海、モンスターが他の海に比べて多いそうな。
暖かい気候が原因らしく、水中系のモンスターが多くて海水浴ができないらしい。残念無念。
まあ、今回来た目的は果物とかだし別にいいか。
「うわぁ・・・・人多いな」
がやがやと人込みも多いが、地球の人込みよりはましである。
なぜなら空気もまだきれいだし、物凄い窮屈になるってこともない。
スリなどはいるらしいけど、亜空間収納になんでも入れているから大丈夫なんだよね。どっからでもかかってこいや!・・・・なんか間違った使い方をしているような気がしなくもないけど。
「えーっと、この果物とその野菜を3つずつください」
「あいよ、銀貨2枚銅貨10枚だ」
「はい」
一応、お金も細かくしているからピッタリ払える。お金をこの世界で使うことになったけど、アリス姫にこの世界のお金について聞いておいてよかったよ・・・・
なお、この国にもギルドがあるようなのでここのギルドマスターにも挨拶をしてみたほうが良いのかな。
公認モンスターですので・・・・・・いや、やめておこう。面倒ごとの予感しかしない。
まあ、気を取り直して俺は新たな食糧を自宅で栽培できないか調べるために買いまくるのであった。
ただ、残念なのがこういった南国にはありそうなヤシの実がないのでヤシの実ジュースを飲めなかったことかな。・・・・密かに飲んでみたかった。まあ、この世界だと名称が変わるけど。
島に結界があるけど、どうやってできたのかは実は謎らしい。魔道具で再現しようとした人がいたけどできなかったそうだ。この島国の神官だとかいう人が代々張り直しているそうだが・・・・・。