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232 事件はいつも突然に 

ほのぼのと過ごしたい

現実でもそう思える。

 ランとの外出の翌日、アルはファースト共にタウンでとある計画案を見直していた。


「鉄道計画ってもうできちゃったのか」

「はい、蒸気機関車によるものであり、用途としては主に観光用になるでしょウ。輸送関係は転移板(ポータルプレート)がありますし、行き来に関しての観光産業発展が見込めるかト」



 以前、蒸気機関について開発をアルはファーストたちにゆだねて様子を見ていたのだが、思った以上にその計画が大規模な物になってきているようであった。


 この世界には転生者のような存在がいるので、いままでこのような蒸気機関の事を思いつく人はいただろう。


 けれども、知識があっても技術や材料、費用の面でとん挫しているような人は多くいる。


 また、魔法や魔道具(マジックアイテム)と言った物もあるので、この世界では産業革命のようなものが起きていないのだとか。


 

 だがしかし、神龍帝ことアルのもとにはそれらがそろっていた。


 職人ゴーレムたちが設計・組み立てし、技術の面ではミャルゲスが手伝って研究してより効率的にと突き詰める事が可能になり、材料はタウンの鉱山もあるし、その上費用はゴーレムたちの商会で稼いだ莫大な金があるのだ。


 その為、ちょっと試しに出来たらどのくらいの規模になるのかなとアルがファーストたちに蒸気機関による計画を練ってもらったのだが・・・・・思った以上の規模になっていた。


「念のために試運転も兼ねてタウン内で小型蒸気機関車を走らせていマス。用途の目的としては輸送も可能ですが・・・・観光という事も可能でショウ」


 この世界には素晴らしいような場所が多くある。


 先日訪れたことのある世界樹(ワールドツリー)の国なんかがいい例だろう。


 そのようなところに言って見たいと考えても、時間がかかることから億劫になったりしてなかなかその機会はない。


 けれども、移動手段で早いものが確立すれば・・・・利用する人が多く出るはずなのだ。


 従来からある馬車の業者などの競争相手になりそうだが、そこはまあまあいい線引きを引けるように調整をしたい。



 とにもかくにも、子の席にて一番大きな変化をもたらせそうな計画であった。


・・・・まぁ建前は観光などに利用できそうだという利用目的がある事だが、本音を言えば単に俺が蒸気機関車の動く様子を見たいというのがある。


外観だけ蒸気機関車のドラゴナイズドとは違う、本物をね。


 だってあの力強さとかちょっとあこがれるもん。俺だって男の子だもん。



 なお、この世界には普通に盗賊やらモンスターなどがいるので、そのあたりの対処方法もただいま寝られているそうな。


 一番効率が良さそうなのが排障器というのを取り付けるのと、普通に冒険者に護衛を依頼するような形などと様々な案件が出ている。


 あ、でも出力がどうもミャルゲスに任せたせいかどえらいことになっているようで、もしかしたら問答無用で何もかも吹き飛ばして猛進する可能性があるそうだ。


・・・・設計する人選間違えたかなー?


 そう思ってファーストを見て見ると思いっきり目をそらされた。


 あ、こいつもそう思っているな。




 と、そのことを話している時であった。


「た、大変でスー!!」


 突然、その場に一体の小さなゴーレムが入って来た。



 ゴーレム諜報部隊、連絡員、タウン在住人ナンバー・・・・・いくつだっけ?


「どうかしたんですか34567号?」


 ・・・・うん、数が現在何台いるのか今度把握し直しておくか。


 っと、そんな事を思っている場合ではないようである。



「そ、それがバンダンガ帝国で情報を集めていた・・・・・」


 その話しと同時に、俺の魔道具(マジックアイテム)の携帯が着信を知らせたのであった・・・・。












「何があったんだよ!?」

「いや俺にもわかんねぇよ!!」


 バンダンガ帝国ギルドにて、アルはサイトウに向かって疑問の声を出したが、サイトウもこの事態の把握はまだできていないようであった。


 ギルドの周囲を見てみれば、がっちりと武装しているバンダンガ帝国ではない国旗を掲げた兵士たちがいた。


 直接ギルド内に転移魔法(テレポート)できたので、俺の存在はまだ漏れていないようだがどうやら現在、バンダンガ帝国では大変なことになっているようだった。



「俺にもまだよくわからんのだが、どういうわけかあの異国としか言えないような兵士たちが突如大群で押しかけてきて、国中を占拠しまくっているようなんだ」

「一体何をどうしたらこんな事態になったんだよ・・・・」


 サイトウが頭を抱えながら言う言葉に、アルはその心労がどれだけのモノになっているのか察した。


 あのゴーレムが入ってきた時に行った知らせは、「バンダンガ帝国が突然異国に攻められている」という情報だった。


 念のためにそこに潜入していた諜報部隊の大半は帰国してきたが、まだ数人ほどは情報収集のために残るらしい。


とはいえ、大混乱の状況らしいのでアルはサイトウの事を思ってギルドに来てみたらこの状態である。


 

 幸いというか、ギルドそのものは国から独立した別の機関という扱いになっているので攻撃せずに、周囲を囲む程度のようである。


「馬鹿皇子たちがやらかしたのか、それともまったく別のところか・・・今は全く分からねぇ」

「とにもかくにも、ギルドに突然襲撃をかけてこないようだが・・・・こりゃちょっと困った事態になったな」


 今はまず、情報を集めるのが先になりそうであった。


・・・いきなりのバンダンガ帝国の危機のようです。

果たして一体何があったのだろうか?

次回に続く!!


シリアスになるかな~と思っていたけど、いまいちシリアスにならんかも。


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