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225 公私分離

暗い場所にある明るい国ってところかな。

 透明な亀の甲羅の中に入って20分ほどで、リューグジョウ王国入国口へとアルたちは到着した。


 ここで入国審査が行われるのだが、アルの場合は公認モンスターである証明書を出したらフリーパスとして利用が可能であると説明された後に、問題なく入国できた。



 なんでも、武器の持ち込みとかをこの国では制限されるのだが、モンスターなら元からその体自体が武器のようなモノであり、取り上げるのが不可能。さらに、公認モンスターが相手なら機嫌を損ねてしまう可能性があるので通常以上の手厚い歓迎がなされるのだという。


 あと、妻であるアリスとランもアルと一緒にいたので同様の扱いを受けた。


 公認モンスターの事で初めてものすごいまともな対応をされたような気がする。



「飲めや歌えの♪」


「宴会会場♪」


「やってくるのは地上の客人♪」


「海の底のこの国で♪」


「入り混じっての夢のひと時♪」


「「「「どうかお楽しみくださいなっ♪」」」」



「・・・・すごい宴会会場というか、宴の場というか」

「踊っている人や、お酒をつぐ人。、花吹雪をまき散らす人」

「国そのものが大きな宴の場になっているわね」


 国内に一歩入るだけで、あっという間に地上から来たアルたちは歓迎を受けた。


 このリューグジョウ王国は年中このような宴が開かれる国であり、海の底で光も届かないような場所のはずなのに、その国民性もあるのか海の中で最も明るい国ともされている。


 そのことを、アルたちは身をもって今まさに体感していた。


 国中に空気の泡で出来た道があり、その外側から人魚が行ったり来たりしながらその中にいる人たちに様々な食べ物を渡してきたり、お酒を注いで来たりしている。


 一応、新婚相手にはそれ用の対応がとられるようでそこまで激しいものはないけど・・・花吹雪はどうなのだろうか。


 というか、海の底の国なのに花吹雪とはこれいかに。


「事前情報を聞いていたけど、情報以上にすごい感じだな」

「こんなので国として成り立っているから不思議ですよね」

「ある意味成功した国ともいえるのかも」


 宴のような騒ぎを毎日やっているようだが、実はその宴をする人員はきちんとローテションで決められていて、宴をするときはめいいっぱい楽しみ、仕事になったらしっかりと真面目に働くようである。


 遊びは遊び、宴は宴、仕事は仕事とそれぞれの役割をこなし、公私混同せずに真面目に取り組むのだとか。


 仕事の最中に怠けたりしない代わりに宴では羽目を外し、宴で思いっきり騒ぐ代わりに仕事では真面目に取り組む。


 交代交代で割り振られた時に宴を開き、仕事をこなし、しっかりとその時々に合わせて生活をしているのだという。


 そのおかげで、連日この国で大規模な宴が開かれていても国の機能そのものは、真面目に働く時間にやっている人たちがこなすので問題がこれまで一度しか起きていないらしい。


「数百年ほど前に一度問題があったらしいけど、その詳細までは不明なんだよね」

「其の情報は他国にも伝わっていませんし、知っているのはこの国王族だけでしたっけ」

「でもそれ以外では問題が起きないのがすごいわね」


 とにもかくにも、この大規模宴会会場の様なところを観光するのだけれども・・・・・すごい光景だよなこれ。


 国全体で宴を開き、明るく輝くような生きている姿を感じさせるリューグジョウ王国は、まるで海の底で輝く太陽のような輝きを感じられたのであった・・・・


 



・・・なお、国全体が宴会会場の様な場所と書いているけど、一部きちんと静かになって休める場所が設けられています。

流石にずっと宴会を開いて騒がしかったら眠れないからね。

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