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207 年の瀬

ほのぼの冬のひと時

・・・冬も深まり、ついに年末の時期へとなった。


 アルがこの世界に転生して2年を超え、3年目へと突入することになるのだが、そう考えると長かったようで短くも感じられる年の感覚である。


 その1年間の間でも様々なことが起き、そして一番大きかったと思えるのが・・・・・



「アリスとランとの交際が一番でかい出来事だったかな」

「ええ、今年1番の出来事ですよ」

「でかいもなにも、重要な事よ」


 アリスもランも今日は遊びに来ており、こうやってこたつに皆で潜っているのだ。


 さらに、こたつは改良が進んでより快適な温度調整ができるようになったのだ。


 ついうっかりこたつの中で寝たとしても、風邪をひかないように適度な調整も可能であり、安心して潜り込むこともできる。


 ゴーレムタウンにいる職人ゴーレムの中には、こたつの新たな高みを目指す者が出たりしているんだよね・・・・



 

 外は雪がちらほら降り積もり始め、年の瀬を思わせるかのように王城では掃除が一生懸命行われているようで、ゴーレムタウンの方でもファーストたちが全ゴーレムの年末一斉点検をしているらしい。


 そう言えば、ピヨ吉たちに托卵で押しつけられたあの大量のヒヨコたちもいつの間にか全員育って、大空へと飛び立っていった。結構壮大な光景だったなあれは。


 居候しているミャルゲスさんは、年末でも研究区画に引きこもるそうで、なんでも今度は誰でも気軽に使えるようなモンスター避けの匂い袋を開発しているらしい。


 商人とか、移動する人たちには受けが良さそうだけど・・・・・・俺ら一応モンスターだよね。


 そのあたりは大丈夫なのか聞いてみたけど、公認モンスタークラスの力のあるやつなら効果はない奴らしいので、まあいいだろう。


 でも、何か失敗してやらかしたらこの寒空の中、身ぐるみはがして北の方にある寒い大地へぶっ飛ばすとファーストが厳重に注意していた。


・・・一応、公認モンスターだし、そのあたりは考えてほしいが・・・・・普段の行動とかを考えるとなぁ。




「そろそろ議会とかも選挙の時期が来ていたような気が・・・」

「ああ、このルンデバラート国ってそうだったわね」


 ルンデバラート国は王族はいるけど王政ではなく、選ばれた議員たちが政治を執り行う民主制・・・というには貴族が議員をやっていたりするから微妙なところだが、議会で政治が決められているのである。


 王族は飾りの様なものであり、物凄く重要な時とか条約の締結時に署名するなどと言った、前世の現代日本の天皇制に近いのかもしれない。


 まあ、アリスが(神龍帝)と結婚するとしたら、今の王位継承権はその子供か、もしくは親戚の方に移るらしいけどね。


 ・・・・まあ、子供とかを考えたら顔が暑くなるのでまだその話はやめておこう。


「お父様・・・現国王が退位した場合、今のところ候補としては公爵家の人になるはずでしたね」

「公爵って、王族の血筋から出ていた家だっけ」

「ええ、そうよ。ちなみに、ジューメンダス獣人国は公爵家が多くあるのよね」

「そりゃまた何で?」

「武闘大会などで力を示して、そして王へなろうとするような人が多いのよね」


 ジューメンダス獣人国はいちおう王政ではある。


 けど、国民性が活発で武闘大会など体を動かす競技を盛んに行い、自身の力を見せたい人が多くいるのだ。


 そして、力の強い者がリーダー・・・王へと昇格したりするらしい。


「でも、こうしてアルの元へ嫁ぐとなれば、新たな王を決定するためのバトルロワイヤルあたりが開かれそうね」

「王決定戦・・・・なんか見てみたいな」


 それはそれですごく盛り上がりそうなものである。


 そんでもって、そう言うので国王を決めたりするので血筋として元王族として、公爵家も多いのだとか。


 ただ、誰もが不正をせず、正々堂々としているので今のところ問題もなくうまくいっているらしい。



 すがすがしい試合を求め、正々堂々決めて、毎年きちんと大会に出て・・・・・すっきりとした国民性ともいえよう。


「そういうのが良さそうですけどね・・・他国だと、貴族内で派閥争いが合ったり、政治汚職などもあって、大変なんですよ」

「議会の議員とかでもそういうことする奴がいたりするのか?」

「そうなんですよね。ですから数年に一度ぐらい、家が一つ潰れることもあるんです」


 汚職ダメ絶対という感じにしているようだけど、それでも出てきてしまうのは人の性なのだろうか。


 前世も今世もそういう議会とかはめんどくさい巣窟になっているのだろうな。



「なので、毎年きちんと予算の見直しとか、怪しい金の動きがないかも審議されるのですよ」

「横領とか、そう言うのってどこにでもあるのか・・・・」

「ぶっちゃけどこにでもあってほしくありませんけどね。多く人がいるからこそ、どうしてもそういう人が出てしまう感じですよ」


 働きアリの中に怠けているアリがいて、取り除いてもまた怠けるやつが出るような感じだと考えればわかりやすいかもしれない。


 結局、世の中全てがきれいごとで出来るわけじゃないからな・・・・



 ぬくぬくとこたつに暖まりながらも、考える年の瀬であった・・・・

・・・さてと、春になったらなったでいろいろ起きるかな。

冬のこの平穏なひと時も、年を超えると無くなるからなぁ・・・

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