020 南下してみよう
何かのフラグが立っているような気がするのは気のせいだろうか?
ギルドに向かい、ザップリンさんいに相談してみた結果、南の海上にあるという島国「アララン共和国」というところに向かえばいいんじゃないかと言われた。
なんでも、南国で食べ物などが豊富だからここでは見られないようなものも多いらしい。
「だがのぅ、大騒ぎになる可能性を考えんかったのか?」
「ああ、確かにその可能性は考えていなかったや」
普通に考えれば、でかいドラゴンが飛んでいく光景は怖いものでもあるし、物凄いものでもあるのだろう。
下手すると謎の飛行物体とか言われて討伐されかねん。されはしないだろうけど。
「なので、公認モンスターにはこのようなものを持ってもらうようにお願いしているのじゃよ」
と、ザップリンさんが取り出してきたのはなにやら一枚のカードである。
「『公認モンスター証明書』か」
「そうじゃ、うっかり渡すタイミングを忘れておったからいまさらじゃが、このカードをどこのギルドだるとも、しっかりと見せれば公認モンスターであるという証明ができるのじゃよ」
「いわば、身分証明書ってところか」
というか、うっかり忘れていたって・・・・。まあ、別に困るようなことはなかったしいいか。
いや、よくないのか?
翌日、朝早くに起きた。
「それじゃあ『転移魔法』で夜には戻ってくるから、それまで留守番していてくれよ」
「ピヨコッコー!!」
「ピピピー!!」
だいぶ成長してきたヒヨコたちにそう言い、俺は人化を解いて大空に飛び立った。
「・・・にしても、これってやっぱどうやって飛べているんだろう」
神龍帝の姿になって、飛んでいると思うのだけど・・・・この背中の翼のサイズとかそう言うのを考えるとどう考えても飛ぶ力がおかしいような・・・・。
まあ魔力とかそういうのが作用していると考えればいいのか?自分の体の事だけどよくわからん。
同じドラゴン仲間がいればいいんだけど、近くにはいないしな・・・・・。
とりあえず考えるのを止めて俺は空を飛んだ。
太陽の出てきた方角からこっちが南だと推測できたけど、この世界もそういう部分は地球と変わらないんだな・・・・。
そのおかげで方角とかがわかりやすいけどな。
とりあえず、南へ南へと飛んでみて思う。
・・・日焼け止めないかな?太陽の光がもろ背中にあたるから結構暑い。真っ白な体だから反射しているんだろうけど・・・・表面積がね。
人化して魔法で飛んだ方がやっぱよかったかな・・・・?でも、こうして自分の翼で飛ぶほうが何となくいい感じだし・・・。人間、誰しも自分の力で空を自由に飛びたいからね。今俺ドラゴンだけどな。
こうして自分の力で飛ぶのも、悪くはないし別にいいか。
・・・・一応騒ぎにならないように地上からは見えにくい高度で飛んでいるけどね。
昼飯の時には地上にいったん下りないといけないな・・・。
そ~ら~をじゆうにっ飛びたいなっ♪はぁい♪タケ・・・・
みたいな感じのものが欲しいと思う時ってありますよね。通学とかそういう時に。
良いな主人公・・・自分の翼で空を飛べて。航空力学とかそう言う点で見たら奇怪に思えるけど、ファンタジーだから気にしないほうが良いか。