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203 秘密の話

・・・・アリスとランとの交際に関しての障害?

「・・・・ん?」


 ジューメンダス獣人国から自宅に戻って3日後、アルの家に手紙が届いていた。


 その手紙の差出人は・・・・・『吸血鬼(ヴァンパイア)のゼノ』。前に知り合った公認モンスターでもあり、大昔から存在するガチで化け物クラスの奴である。


 一応互に転生者という事もあって仲が良いのだが・・・・・手紙を送ってくるのは珍しい。



 手紙の内容を見ると、どうやら指定された時刻の、その座標に来てほしいというモノだった。


 ただ、気になるのが・・・・「武器も所持可能」という文である。



 

 どう考えても物騒だし、なんとなくただ事ではないような雰囲気がする。


そのため、真面目にしてその指定道理に俺は動くことにした。






 2日後、指定された場所に来たのはいいけど・・・・・無人島?


 草木も生えておらず、あちこちが荒れ果て、周囲の海流もひどいものである。



 そんな場所に一人立っているゼノはものすごく見つけやすかった。


「おーい、ゼノ。指定通り来たが何かあるのか?」

「・・・来たか」


 人化して着陸し近づくと、ゼノはそうぽつりとつぶやいた。



「さてと・・・わざわざ手紙でここに来るよう指定したのは面倒だったかもしれないが大丈夫か?」

「いや、まあ平気だが・・・・」


 気がついたけど、なんとなく空気が張り詰めているような気がしたので、俺は気を引き締めた。


「さてと、ここに呼んだ用件だが・・・・その前にまず、アル、お前は王女2人の交際をするそうだな」

「ああ、そうだが」


 その話はもう噂になっているようだ。


 その噂はゼノのところに届いたのなら相当広がっているかもしれないけど・・・あ、そのせいか?


 というか、割りと真面目な雰囲気のようである。



「・・・その王女たちの家系についてだが、ちょっとある秘密があるんだ。歴史に埋もれ、長い年月の間に闇へと葬り去られたものがね」

「秘密・・・・・・?」








 ゼノは語り、その話を聞いてアルは驚いた。



「・・・え?まじで?」

「今言ったことは真実だ。何しろ、そう言うのは俺自身きちんとわかっているからな。伊達に長生きしてねぇぞ」

「いや・・・でも、アリスもランもまさか・・・ゼノ、お前のかなり遠い子孫にあたるのかよ!?」



 驚愕の事実をアルは聞いた。


 ゼノには二人の奥さんがいるが、その子供の孫の玄孫の・・・・・とりあえず物凄く遠い子孫がアリスとランにあたるそうなのだ。


 だが、どうやら吸血鬼(ヴァンパイア)の遺伝子までは受け継いでおらず、正確には母方の方での遺伝がなされたらしい。


「つまり、彼女たちにとってゼノはひいひいひいひいひい・・・爺さんってことなのかよ」

「ま。そういう事だな。とは言っても、大昔から続いているしこの事実に気がつく人はほとんどいないだろうよ」


 ・・・・まさかとは思ったけど、本当の様だ。


 つまり、ゼノが先祖で、アリスたちがその子孫という事になる。


吸血鬼(ヴァンパイア)の特性によるものかはわからんが、一応自分の子孫だと感じ取ることができる。そう干渉することも特にないが、それでも大事な人との間に生まれた子の遠い子孫だ。爺ちゃんのように言われるのを避けて・・・・また、ろくでもない噂を立てるような輩の事も考慮して、その事実は公表しないが、今秋のその交際話を聞いて言っておこうと思ったのと同時に・・・・」

「同時に・・?」

「もうかなり離れた子孫とはいえ、大事な存在だ。アル、お前に託すのは心配ないとは思うが、ちょっと戦闘して確かめたくなってな」

「ああ・・・子孫を心配して、一回本気で戦って見ようという事か」

「そういうことだ。本気で戦いあって、その実力を見てきちんと安心したいからな」


 拳と拳で語り合って、本当にアリスとランが俺にとってふさわしいのか、ゼノは見たいらしい。


 実力を確かめたいというのもあるだろうし、なによりも強さのつり合い的には申し分ない相手である。



 ただし、互いに本気を出し過ぎると周囲への影響がとんでもないことになるから、この絶海の孤島に呼ばれたようである。


「ちなみに、一応制限時間をもうけさせてもらう」


 互いの実力的に釣り合う・・・均衡しているような物であり、勝負が長引く可能性も、もしくは短期決戦となる可能性もある。


 なので、念のために制限時間を作るのだ。



「制限時間は・・・明日の日の入りまで。それまで互いに全力で争っていこうか」

「本気を出していける相手ならば、やりがいがあるし、一度やってみたかったんだよね」

 


 互いに全力を解放し・・・・・その日、神龍帝と吸血鬼(ヴァンパイア)の激しい戦闘が繰り広げられたのであった。


・・・その影響のせいか、周辺の海からはモンスターも動植物も逃げ出し、沿岸部では浜辺に大量の魚たちが打ち上げられ、流れ弾が飛んだのか、山が突如として消し飛ぶという不思議な現象が起きたという。

公認モンスター同士での、それも相当な実力者同士での本気戦闘である。

なお、周囲への被害を最小限にとどめるために、その手の結界を張る魔道具(マジックアイテム)や魔法も何重にも張り巡らされていたのは言うまでもない。

ゴーレムたちが戦闘前に、陰でセッティングしたのである。

それでも、強大な力のぶつかり合いの影響は大きなものであり、少々流れ弾も飛んでいたが・・・・そこは後で修復予定である。

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