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196 混浴・・・えええ?

温泉と言えばトラブルがテンプレである

・・・・何とか理性を沈めて、平静を装ったアル。


 でも、やっぱり男の子なので視線をそらしつつ、理性との戦いが始まっていた。




「・・・つまり、この露天風呂は混浴なのか」

「ええ、効能の説明の看板の隅っこに書いてありましたよ」



 記憶をたどって、思い出してみると・・・・・あった。


 いや、本当に小さな文字で何か書いてあったような気がするけどそれがこの混浴かよ!!


 もっと大きな字で書けよ!!




 とはいえ、事故なのは事故である。不可抗力ゆえに上がりにくいのである。


 両サイドを右アリス姫、左ラン王女の布陣で固められているというのもあるけど・・・・・・・。


 王女とかって貞操硬いイメージはあるのに物凄く気安く入浴できるのは良いのだろうか。


 アリス姫とかは箱入りの娘・・・・ん?でも初めて会った時も普通に馬車で移動していたし、たまによく家に遊びに来ているからアウトドア派なのかな?


 ラン王女は・・・・ああ、こっちは問題外か。戦闘面の方に行っているような人だし、戦闘中とかにはだけることもあるような気もするが、そこまで気にしないタイプなのかもしれん。


 そもそもこの世界って人間だけというわけでもないし、見た目での羞恥とかズレていたりとかも、ああでもでも・・・



・・・・少々、至高が迷宮入りしかけたが、何とか平静さをある程度取り繕うことは成功したかな。


「アル?何か悩みましたか?」

「ちょっと何か失礼な事を思われたような気が」

「いや、大丈夫大丈夫。問題は別にないよ」


 でも、ちょっと近すぎやしませんか?


 それ以上近付かれると、濡れている分タオルが張り付いて余計に体形とかが・・・・。



 

 俺の理性の状態を考えるならば、崖っぷちなような気がする。しかも足元にどんどんひびが入って・・・・・いやもう気にしてしまうというか。




 ふと、思ったけど俺自身は神龍帝というドラゴンのモンスター・・・なんだよな。モンスターは人とは違うのに、「異性」として人を見てドキドキできてしまうのはなんでだろうか。


 そこのところはいまいちわからない。前世が人という事でその感覚が残っているせいなのかもしれない。



「アル?顔がものすごく赤くなってますわ」

「真っ赤かね」

「え・・・あ、なんかグラッと・・・・」


 のぼせました。考えて浸かり過ぎてのぼせました。


 あかん、身体に力が入れにくい。


 

 ぐぬぬと力をいれて、ふらつく足をしっかりと・・


「支えましょうか?」

「ほら、肩を持つわよ」


・・・ふらついていたので、アリス姫とラン王女が肩を支えてくれる。


「ああ、ありがとう二人とも」


 感謝しつつ、立ったところで・・・・俺はふと気がついた。


 俺は腰にタオルを結んで巻いているからまだいい。


 でも、アリス姫とラン王女・・・この二人タオルを巻いているけど、手で押さえての状態だったよね?


 その手は今俺を支えるために離しています。


 となれば、タオルを抑えているところは片腕だけで出来そうなものだけど、この事に二人が気がついていなかったら・・・・・



はらり はらり・・・


「「「あ」」」



 立ち上がって数歩ほど歩いたところで、濡れて張り付いていたタオルもついに剥がれ落ち、2人の裸体があらわになった。


 今真横を見たら確実に見えてしまう状態である。


 そして、運悪くも足元が滑ってそろってこけて・・・・・


 




 気がつくと、床の方で俺達は倒れていた。


 でも、この配置・・・・二人の双丘に手が置かれている状態って身の危機しか感じねぇ。


 手の部分は悪意はないけど・・・・どうしようこの状況。


 とにもかくにも、タオルを二人にかけて、脱衣所まで二人を抱えて根性で俺は進むのであった。


 見ない見ない見ない見ない見ない見ない見ない見えてしまう・・・・・いや本当に抱えて分かるけどちょっと柔らかって何を考えているんだ・・・・



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SIDEゴーレムタウン



「ふへへへへ、こういう時に失敗から生まれた発明は面白いのだよ」

「へぇ・・・何をしているのですかね、ミャルゲスさん?」


 面白そうに外を眺めているミャルゲスに、ファーストは気になったのでちょっと尋ねた。


 窓の外はタウンの外だけど・・・・なぜかミャルゲスは面白そうにどこかを見ているのだ。



「いやぁ、偶々できた失敗作でも成功作でもある『千里眼薬』・・・要は目薬をちょっと試しているのだよ」

「千里眼薬?」

「そ、本当は壁を透視できていろいろ覗き見をゲフンゲフン、鉱山とかで効率よく鉱石を採掘できる薬品を作製していたのだよ」

「今ごまかしませんでしタ?使い道としてまともなのからまともでないのが・・・・」


 ジト目で見るファーストに、眼中ここにあらずといった様子でミャルゲスは何処かを見て返答する。


「まあ、結果として透視しすぎて、遠く離れた地が見えてしまうこの薬品ができたのだよ。で、その目薬はその限界距離しか見れないのだけれども・・・・千里眼と言っているけど、まあ時と場合によって見える範囲が越えたり超えなかったりするのだよ」


 そして、再度ピントを合わせるように目を凝らすミャルゲス。


「今こうやって試しにしてみたら、神龍帝の姿が見えたのだよ。温泉にいるけどなかなか面白そうなことになっているのだよ」

「・・・それ私にも使えませんかネ?」

「ゴーレムだと薬はいまいちだと思うのだよ」



 その返答を聞いた後、ファーストはその場からいったん離れて、アルが以前ふざけて作成してみた武器の置き場に行き、そこからどでかいハンマーを運び出したという・・・・・主の風呂を覗き見するなとツッコミを入れるために。

・・・みえているじょうたいで、これあがった後少々気まずくなりそう。

意識してしまっている分、どうアルは対応するのか。

まあ、色々と進みそうです。でも、なんとなく今一つな・・・こうモットぐいぐいっとしたい。

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