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185 なんてことをしてくれたんだよ

シリアス・・・・どっか逃亡した

・・・・目の前に立つのは、青白い肌、ボロボロのローブで身を包み、顔はヴェールのような物でよく見えないけど明らかに人ではない人物。


 その人物が手に持っているのは、薬品を入れる瓶のようなものであり、目の前にいたバッホーンたちにその中身をぶちまけたらしく、バッホーンたちは皆何やら煙が噴き出ていて気絶しているようであった。




 唖然として見ていたアルだが、すぐに何者なのかは「鑑定」のスキルで見ていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族名:『リッチキング』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ・・・・・いやね、まさか話題というか、公認モンスターに出くわすとは思っていなかったよ。


 というか、何をやってくれてんのこの人!?



「・・・・えっと、何をしたんだ?」


 とりあえず、口から出たのはその言葉である。


 

 聞こえたのか、そのリッチキングはこっちの方に堂々と向いて胸を張った。


「ふーはっはっはっはっは!!よくぞその質問をしてくれたな素性の知らぬ青年なのだよ!!我が名は公認モンスターのリッチキングにして、その偉大な研究を行う『ミャルゲス』なのだよ!!今宵の実験は我が研究にして忌まわしき呪いを解くための重要な行為なのだよ!!」

「堂々としすぎだろっ!!」


 まさか自分から全部名乗り出るとは思わなかった。


「そしてとくと見よ!!この我が研究成果の結果を!!」



 なんかもう、自分の世界に完全に入っているのか、ミャルゲスとかいう中二病を中途半端にこじらせたかのような公認モンスターは煙を出しているバッホーンたちに向けて指さした。



「・・・・あれ?もしかして・・・」


 煙が解けて、いまいち変化が出てないように見えるけど・・・・なーんか物凄い嫌な予感が。


「『鑑定』」


 ちょっと性別だけを・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

性別:オス⇒メス

性別:オス⇒メス

性別:オス⇒メス

性別:オス⇒メス

性別:オス⇒メス

性別:オス⇒メス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・・・・ぜーんぶオスからメスへと移り変わっている鑑定結果がでました。


「全部メスになっている!?」

「ふーはっはっはっはっは!!我が第762534番目の研究、ここに大成なのだよ!!これで忌々しきこの体の呪いと決別ができるはずなのだよ!!」

「いやちょっと説明してくれ!!」



 もうこの人猪突猛進のごとく、次から次へと勢いよく話しすぎ!!


 一瞬でも警戒した心を返せ!!









 落ち着きまして、互いにいったんきちんと自己紹介に入った。


 公認モンスター同士だし、どうもこの人悪い人ではないようだしね。というか、どっちかと言えばアホの気がしているんだけど。


「さてと、改めて自己紹介するのだよ。我が名は公認モンスター『リッチキング』にして、数多くの偉大な研究を行う超狂気の科学者スーパーマッドサイエンティストで、かつては5賢人として名をはせたこともあり、『暗黒の魔導士(ダークソーサラー)の、天才的な・・・」

「名前は先ほど聞かせてもらったので、省略してもいいですよミャルゲスさん」

「あ、はいなのだよ」


 結構めんどくさそうなタイプかと思いきや、案外あっさりしていた。


 というか、やっぱ中二病とかをこじらせていませんかこの人?


「俺は公認モンスター『神龍帝』の『アル』だ」

「神龍帝、噂には聞いたことがるのだよ。たしか純白の穢れ無き輝きを纏い、すべてに公正な判断を下して、この世のすべてに革命をもたらした・・・」

「そんなに大げさに誇張しないでほしい」


 こっちが恥ずかしくなるんだけど。というか、後半知らないんだけど。




 とにもかくにもこのミャルゲスさん、何やら呪いを患っていたらしい。


 そしてその呪いを解くために、このバッホーンたちを・・・・


「性別を変える『性転換薬』を作製して、実験のために偶々見つけたこの群れにかけてみたわけですか」

「うむ!!この研究が成功すれば我が呪いが解けるだけではなく、鶏でオスをメスに変えて卵の生産を増やしたり、繁殖のためにオスしか捕まえられなかった動物の一部をメスにして繁殖をさせたり、さらには世の中の悩める性別が精神と肉体で異なる者たちのためになるのだと考えてやったのだよ」


・・・・すんごくしっかりしたまともな理由である。


 でも、その余計な事のせいでバッホーンが全部メスに変わったんですが。しかも一度変わった奴は二度と元の性別に戻れないようだ。


「変えるだけで、元に戻す薬までは作っておらぬのだよ。まあ、薬物に耐性がある者には無効化なのだよ」

「なんて余計なことをしてくれたんだよ・・・・・」


 おかげで、せっかくのバッホーンのオスがいなくなって、ボルドの負担は変わらないじゃん。


 この群れは一応放置するけどね。流石にこれ以上増えたら今度こそボルドが死にそうだ。




 で、案の定この人の名前を聞いて気がついたけど、禁止薬物を製造した人物だった。


 話してみると、研究費用を稼ぐために売りつけたようである。


筋肉増加薬(マッスルポーション)は元々邪魔な大岩などをどかすために使われた薬品なのだよ。その使い道を悪い方へ扱うやつがいるから、禁止薬物となっているのだよ」


 元々の使い道って要は土木工事用・・・・・・それを悪用されていった結果、禁止薬物って・・・。



 なんかこの人の作るモノって、使いようによっては結構影響でているよな。


 あれか?ダイナマイトの使用法が本来トンネル工事用で、戦争に使われるようになったみたいな感じか?





 それはともかく、せっかくのバッホーンたちが全部メスになったせいでここまで来たのが無駄足になっちまった。


「まあ、そんなことはどうでもいいのだよ!!この薬を飲めばついに我もこの忌まわしき呪いが解けるはずなのだよ!!」


 と、もう一つ持っていたようでその中身を一気にグイッとミャルゲスは飲み干し・・・・・


「・・・マズゥ!?」


 超・激マズだったようでぶっ倒れた。


 しかも、さっきバッホーンたちの方は煙が出ていたのに、何の変化もない。



「・・・・どうしようかこの人」


 もう勢いだけで進んでいるような人だし、関わってもどんどん勝手に話していくからついていけん。


 とりあえず、このまま放置しようかとも考えたが、気絶しているので放っておくわけにもいかなそうなので起きるまでその場にいてやった。


 


 ん?待てよ?


 バッホーンたちに薬をかけて変化して、ミャルゲスさんは飲んで変化なし・・・・・・それって飲み薬じゃなくて塗り薬なのでは?


 ツッコミを入れるべきか、入れないべきかと少々悩むのであった。

 

公認モンスター「リッチキング」の「ミャルゲス」

マシンガントーク、中二病こじらせ気味、語尾が「~だよ」っと濃くしてみました。

悪い人ではなく、我が道を突き進む感じですかね。

・・・そして、この人が性転換薬を作った元となった呪いとはなんだろうか?次回に続く!!

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