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181 一緒に買い物:当日

内容を濃く書こうとしたら、逆に薄くなった。

なんかね、こう、もやっと・・・なんていえばいいのだろうか・・・・

SIDEアル


「待ち合わせはここか」


 ラン王女と一緒の買い物当日、待ち合わせ場所として首都ランダナムの西側、商業区画への入り口前でアルは待っていた。


 ・・・デートっぽいから少し意識しちゃうな。こういうのってテンプレとして「待った?」「いや、そんなに」とか言うのがあるだろうけど、果たしてそのようなことはあるのだろうか。


 

 まあ待ち合わせの5分ほど前に来ているんだけどね。行動をするなら5分前行動を心掛けている。


 



 と、待っていたら向こう側でややざわめきが。


「ん?なんか騒がしいな」


「綺麗な人があっちにいるんだって?」

「あんな人がここにいたか?」

「・・・すごいきれいだ」

「わんだふぉぉぉぅ!!」



 最後の人、なんか変な叫びだなおい。


 その方向を見ると、誰かが歩いて・・・・って、んん?



「待たせたわね、アル」


 目の前まで歩いてきて、堂々とラン王女がそう言った。


 着ている服はいつもの冒険者用のではなく、なんか普通に町娘とかが来ているようなお出かけ用の服のようだけど・・・・雰囲気がちょっと違う。


 いや、元々ラン王女は綺麗だけど、戦闘面の方で印象が強かったんだよね。


 でも、なんか手入れされて綺麗になっているような・・・妖艶と言った方が良いのやら。


 狐の耳の部分や、その見えている尻尾の毛並みがいつも以上に手入れされており、日に輝いているような錯覚を起こさせ、美しさをその光によって増大させているかのようであった。


 

 なぜそこまで気合が入っているんだと言いたい感じである。でも、これはこれで良しとしよう。


・・・狐と言えば、連想するのが妖狐で、そこから考えると和服の方がより似合うかも。なんか惜しい感じがすごいある。



「えっと、それじゃあ買い物始めようか」

「ええ」


 とりあえず一緒に歩き始めたけど・・・・きちんときれいにしているだけに、人目を引くなぁ。



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SIDEラン王女



(・・・ちょっと手入れしすぎたかしらね)


 アルの横に一緒に歩いているラン王女は、自分の格好を再確認して少し赤くなった。


 ジューメンダス獣人国にいたときは、戦闘面の方に精を出して、髪とか尻尾の手入れはやや適当に済ませているところもあった。


 だけど今日はアルとの買い物もといデートであるため、気合を入れて手入れをした結果、毛並みが整って普段以上の美しさが出てしまったのである。



 ラン王女の獣人としての種族は狐。


 しかも、獣人の狐の中ではさらに美しい容姿を持つとされる「金狐族」に分類されるのだ。


 戦闘に関しての部分は、父親の方を(父親以上に)受け継いでおり、その美しさは母親の方を受け継いでいたのである。


 歴史上には、はるかに大昔、その金狐族の娘を狙った一国がとある公認モンスターの怒りを買って滅びたとさえも記録されているほどであり、「傾国の狐」とも言われる。



・・・要は、普段は隠されているのを気合い入れ過ぎて本当の美しさを出しただけである。


 磨けば光る原石とは、まさにラン王女の事であった。・・・普段はちょっと曇らせているだけで。




 とにもかくにも、今日はアルとの一緒の行動であり、めいいっぱい楽しんでおこうとラン王女は気持ちを切り替えるのであった。


(装備の手入れのために向かうのと、ついでに普段着の方の相談でもしましょうかね・・・・うまい事既成事実とかも出来ればいいのだけれども、それはまだ無理ね)


・・・何気に結構腹黒く考えてもいた。




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SIDEファースト


「・・・意外ですネ」


 ゴーレムタウンの一室にて。ファーストはその報告を読んで驚いていた。


 先日、窃盗団のボスが使用した禁止薬品の製造者を突き止めたのは良いが、その製造者が意外な人物だったからである。いや、意外ともいえないのか?



「製造したのは・・・・公認モンスター『リッチキング』ですカ」


 諜報部隊の調査によって判明した禁止薬品の製造者、それはまさかの公認モンスターである。


 しかも、アルと関わりがあるギルドマスターのザップリンの知り合いでもあるリッチキングだったのだ。



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「リッチキング」

アンデッド系モンスターであり、「リッチ」と呼ばれるモンスターの最上位種族とされる。

元は聖職者であり、聖属性の魔法に優れていた者が何かしらの呪い、もしくは特殊な死亡の仕方によって生まれ変わった種族とも言われる。

現在確認されているのは10体ほどであり、公認モンスター扱いなのは3体しかおらず、残りは討伐された、もしくは現在もどこかで潜んでいるとされている。

アンデッド系なのに、聖属性の魔法が弱点ではないので討伐も難しく、魔法に優れているモンスターでもあるためその実力は高い。

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・・・他にも同種族のモンスターがいるとはいえ、こうもピンポイントで当たるとはファーストの予想にもなかった。


 ただ、なぜ公認モンスターがこのような禁止薬品を製造したのか・・・・そのあたりはまだ調査中である。


「一旦マスターに相談したほうが良いのでしょうカ・・・・・?」


 もし、敵対するようなことになれば目も当てられないような惨事を引き起こされる可能性がある。


 そのため、この事実をアルに相談し、どうすればいいのか判断をしてもらうしかなさそうであった。


ちょっとシリアス混じる?混じらない?

公認モンスターでも、結構事情が多いのはいるんですよ。

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