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180 一緒に買い物:前日

デート回の前日

SIDEラン王女


「ふん♪ふん♪ふふふん♪」


 ・・・ジューメンダス獣人国の王女でもあり、現在は冒険者登録をしているラン王女は夜中、今借りている宿屋の自室で明日の用意を楽しんでいた。


 この間の窃盗団逮捕の際に、神龍帝のアルにその見返りとして買い物に付き合ってくれるようにお願いしたのである。


 表向きは、今使っている装備の修理や替えなどであり、裏向きは・・・恋する乙女心からのデートである。



 まあ、鈍感であろうアルにはわかっていないだろうと思いながら、このデートで何とか気持ちをこちらに傾けたいともラン王女は思っていた。


 普段は戦闘に興味があるのだが、それでも恋する心はきちんとある。


 なので、明日の買い物もといデートが楽しみであった。


 その楽しそうな姿は、前日である今日一日中ずっとでており、ギルドや宿での夕食をとる時やお風呂に入る際にも浮き出ており、余り本人は気にしていないのだが見た目は美しいのにさらに美しく見えて、ギルドの方では仲間の女性に腹パン足ふみビンタハリセンなどをくらう男性冒険者の被害が出ていたのであった。



・・・・その晩、寝付きにくかったのは言うまでもない。遠足前の子供のような気分である。


 なお、この事はアルから渡されていた携帯によって恋のライバルでもあるアリス姫にも一応話しており、一歩リードしてみせると宣戦布告もしていた。


 聞いたアリス姫は、ならば後日自分も誘ってみようと計画を練っていた。



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SIDEアル


「うーん、買い物に付き合うとは言ったものの・・・」



 ラン王女の買い物に付き合う前日だが、アルは考えていた。


 装備とかそういうので相談の事のようだけど、あまりいいアドバイスが出来なさそうなのは自覚しているからである。


 というか、女子との買い物って服とかそう言うのだというイメージはあるのに、なぜ冒険者用の装備の事でだろうか。そこはちょっと変わっているような気がする。


 まあ、戦闘に関して優れているわけだし、健康的でいいのではないだろうか。


 以前手合わせした時もあるし、かなり強いのは分かっているからね。王女って何だっけと少々悩むようになったけれども・・・・・・。




 でも、こうして異性の誰かと一緒に買い物をしに行くというのは新鮮なようにもアルは感じた。


 前世はぶっちゃけ友人と一緒だったし、ヤンデレ部隊なるモノが居たらしいから、異性の人と買い物に行くとかはやったことがないような・・・・。


 


 ともかく、明日の服装をアルは決めることにした。


 衣服のデザイン監修はゴーレムタウンでファッション業界に手を出してきているとあるゴーレムに任せているからいいとして、やっぱりこういう時ぐらいは普通に楽しみたい。


 白い髪はやや目立つので、帽子もかぶっていたっ方がいいのか・・・・


 その夜、アルは自身の服装でも悩むのであった・・・・・・。



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SIDEファースト



 ゴーレムタウンの自室にて、ファーストはある報告書を読んでいた。


 窃盗団「神速の風」を捕らえる際に、そのボスと思わしき人物が使用した薬品・・・・禁止されている物であり、その出所を考えるにどこかのつながりがないかと探っていたのである。


 一応アル自身にとってはもうどうでもいいことであり、特に気にもかけていなかったが、その薬品の出来具合を調べてファーストが自ら独断で動いているのである。



 その使用されていた薬品『筋肉増加薬(マッスルポーション)』は禁止薬物でもあり、そう都合よく入手できる代物ではない。


 違法な取り扱いとして厳重処罰の対象になるようなものだが、それを入手するにはそれなりのつてが必要となるはずである。


 なので、一介の窃盗団のボスが持っているということは、偶然盗んで手に入れたか、もしくはその背後に支援者がいて手に入れたの手段しかないだろう。




 まあ、その支援者とかはファーストにとってはどうでもいい。そのことを調べるのは政治的に関わる人たちで十分である。


 だけど、この薬品の製造者に興味を持ったのである。



 『筋肉増加薬(マッスルポーション)』は危険指定の薬品であり、その調合方法もスキルがあっても難しい代物である。


 なのに、その少しだけサンプルとしてとれた薬品を、タウンの科学調査班(薬関係のスキル所持ゴーレム)が調べたところ、完璧に近く、凄腕であると見て取れたのである。


 

 そういう違法なものに才能が使われるのが惜しいので、どうにかしてこちらに引き込んで別の方向で生かしてあげたいとファーストは思った。


 眠る才能はもったいない、スキルはカートリッジ交換でゴーレムたちは得られるが、それでも経験などを考えるとそう言うことができる人の方がいい。


 あわよくば勧誘できないかとファーストは画策するのであった。


・・・別の目的としては、バッホーンのボルドのためにより効果的な元気の出る薬が作れないかと知識の相談という事もあったりもする。





ゴーレムたちだってスキルを強化して職人として腕はそこいらの者たちとはくらべものにはならない。

でも、人が作るモノにも様々な知恵や工夫が凝らされているから、その勉強もしたいという知識欲を持っているんだよね。個性とかもあるし、そのあたりを伸ばすのに必要なのだから。

・・・なお、試験的に「鍛冶師」のスキルを持つのゴーレムを有名職人のところへ学ばせに行かせてみるということも計画中。伝統的なところもあるし、地域独特の物を学ばせて、より向上を目指すのだ。

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