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173 ライバルと言うのか?

主人公不在回

たまには裏の方にいる人たちが出るんですよ

SIDE???・・・?


・・・・季節は冬となり、木枯らしが吹き始めたころ。


 とある山中にある山小屋に集結する者たちがいた。


 彼らの組織名は「黒衣」。古くから存在し、悪でも善でもなく、依頼を受ければそれに従うだけの組織。


 失敗すれば依頼主の経歴などを盛大に暴露し、成功すればそれに見合っただけの業績を残す。


 ハイリスクハイリターンな組織として裏の業界ではそれなりに有名でもあった。




 しかし、以前にジューメンダス獣人国にて姫の誘拐未遂ということをやらかしたので、しばしほとぼりが冷めるまで各自バラバラになって活動を休止していたのである。



その中でも、その黒衣のトップたちは今回、この場において活動再開を宣言するために集結しているのであった。



 彼らの仕事時の服装は決まって黒い衣を着ている事。


 組織名でもあり、その制服でもあるのだが特に徹底した服装の取り決めはない。


なので・・・・・・



「おひーさ!!物凄くもっこもこなものにしてみたよ!!」

「なにこれすごいモフモフ!?」

「これ布じゃねぇぞ!?羊毛100%を染めて伸ばした防寒具じゃん!!」


 そのうちの一人が黒羊と化していても、誰も文句は言わなかった。




「さてと、今回我々の活動を再開するのだが・・・・ほとぼりは冷めているよな?」


 トップで集結した者のうち、一番背が高い一人が司会をするようである。


「ああ、問題ないはずだ。もう我々の捜索はほとんど行われていないようであり、工作もしていたからなぁ」


 その発言に、全員が理解を示してうなずく。


 黒衣は組織でもあり、潜入工作することも仕事の一つとして請け負う。


 自分たちに関する捜査の手も、ある程度まで工作してほとぼりを早めに冷ますことぐらいは朝飯前であった。


「各自、休止期間中は休めたようだが・・・・何か報告があるならばこの場でしてもらいたい」

「あ、だったら俺から皆にある報告があるのだが」


 黒衣のメンバーのうち、前回の獣人国で依頼失敗して撤退してきた一人が手を上げた。


「何かあるのか」

「あるんですよね。ちょっと興味を持ってさ、とある公認モンスターの事を調べたのさ。今後、俺達の活動に関わってくる可能性もあるからな」

「とある公認モンスター・・・・エーゼット王国滅亡に関わっていた『神龍帝』か?」

「その通り!!」


 黒衣だけあって、そのような情報は直ぐに集めてしまうのが皆の癖になっているようであり、神龍帝についての情報もそこそこ知ってはいた。


 いわく、新しい公認モンスターでもあり純白のドラゴン、人化して青年という者。


 その力は強大なものであり、つい最近滅びたエーゼット王国のその件についても関わっているとされ、敵対すれば確実にやばい相手であるという認識は皆にあった。


「いやー、チートっぽい奴の事が気になって調べたんだよな。ここまでとんでもないレベルとは思わんかった」

「そのチートとかいう言葉の意味は理解しがたいが、要はとんでもなくやばいという事だろう?公認モンスターな時点で相当な実力だと思うんだが・・・・・」

「そうなんですよね。というか調べなきゃよかったと後悔しています・・・・」


そう言いつつ、皆に丁寧に印刷された報告書が手渡された。


「・・・なるほど、とある商会の大元の人物でもあるのか」

「ゴーレム商会・・・その品質は高く、結構良い値段で取引もされて盛り上がっている商会だよね」

「従業員がゴーレムだが、ここまで精巧なものは人の手ではいまだ達しにくいか・・・・」

「他に公認モンスターとの付き合いもあるんかい」

「『デュラハンのガッバーナ』、『吸血鬼(ヴァンパイア)のゼノ』・・・・・いやこれ公認モンスターの中でも激やばな奴らでしょ!!」



 その情報に、黒衣で覆われていて顔は見にくいのだが、全員の顔が引きつる。


「他にも俺が以前誘拐失敗したアリス王女、ラン王女とも関わりがあって、彼女たちに危害を加えようとしたら・・・こうだな」


 首を斬るような動作をして、死しかないことになる危険性を示す。


「また、何やら裏の方で俺達よりもはるかに上の諜報部隊のようなやつらもいるようで、そこも今後俺たちが活動する際に注意したほうが良さそうだ。敵対したら完璧にぶっ潰される」

「正真正銘の化け物と言ってもいいほどだな」


 報告書に乗っている情報も手に入れられた分であり、氷山の一角でしかないだろう。


 敵対すれば、この報告書に乗っている以上の力でこの組織がぷちっとつぶされるのは明白であった。


「ただ、友好的にさえなることができればかなりプラスだが・・・」

「その件は保留だ。俺がやらかした王女たちの誘拐未遂の事もあって、下手すりゃ目にされただけで敵対だぞ?ここは時機を見て近づいてみるのが良いと思うぜ。『縁と浮世は末を待て』・・・良縁と好機会とは、時節の来るのを待つべきもので、あせってもだめであるという言葉があるしな」

「それどこの言葉よ?」

「俺が知っているとある国の言葉だ。まあ、『時人を待たず』・・・月日は過ぎやすく、機会は失いやすいことをいうのもセットで覚えればいい」


とにもかくにも、「黒衣」内では、しばらく神龍帝に関わることを避けたほうがいいという結論が出た。


「男なら私が籠絡できそうなものだけど・・」

「それはやめておけ。こういうやつは鈍感がテンプレだ」

「テンプレ・・・いやもう、本当にわかりにくいのを使うのね」



・・・・しばらく話し合った後、再開一発目としてまずは早速来た依頼を受けることにしてその場は一時解散となるのであった。


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SIDEファースト



「ふむ・・・『黒衣』活動再開デスカ」


 ゴーレムタウンにて、ゴーレム諜報部隊・・・最近やっと部隊名が決まりかけたものたちから、ファーストはとある組織が活動を再開し始めたという報告を受けた。


「黒衣」という組織であり・・・以前ラン王女の一件にも関わっていた者たちである。



 当初、アルはこの組織をつぶす気でいたようだが、途中でその利用価値なども考えて、今は一時的に様子見という指令を下しているのである。


 敵対するような、もしくはアリス姫たちのように親しい人たちに害を及ぼすようであれば問答無用でつぶせとは言われているが、そうでなければ基本放置という事である。


 一応依頼を受けてこなすだけであり、善でも悪でもない・・・使う人次第というような存在が不気味な組織。


 構成員もいまだに完全に把握しきれておらず、接触は時期尚早であるとファーストは判断を下す。


「・・・国の裏で動くこともあるようですし、出来るだけその情報を手に入れたいですよネ」


 考えつつ、どう対応していくに関してはしばらくの課題となりそうであった。







冬の生活にそろそろ入るけど、アリス姫とラン王女のアルに対する恋に進展を入れたいところ。

けど書こうとするとなかなか執筆が進まない。なぜだ?なぜ進まない?

冬という中にあるので、せっかくだから何か小規模な事件か心が温まりそうな話も書きたいですね。

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