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168 交渉術が欲しいと思う

現実でも欲しいと思う時がある。

 神龍帝・・・アルは森の中の視線に向けて、顔を向けた。



 もうその視線には気がついているぞとかいう感じで見てみたけど、果たしてどう反応するかな。




 こういう時に「交渉術」とかそういうスキルが欲しいものだが、世の中そんなに都合よくスキルを得ることはできない。


 コミュニケーション能力が高そうなやつなら持っていそうだけどね。商人とかも持っている人は持っているだろうけど・・・。




 そのまま視線の方角を見ること数分。


 ここでじれて先に動いたのは向こう側の様であった。




 がさりと木々が揺れて、2人ほどの人影が下りてきて目の前まで出てきた。


 残る人もいるが、こちらは様子見とかで、この出てきたやつらが話し合いをしてくれる相手と言うことになるのかな。




 近づいてきてその姿を正確に見ることができたけど・・・・・一応文化的な服装だ。


 葉っぱ一枚とかそういう格好だったらどうしようかと思ってはいたけど、きちんと衣服は着ているようだ。


 男女のペアで・・・・やはりエルフか。



 こっそりと「鑑定」をかけてみようかと思ったが、下手に感づかれて警戒を強められても困るのでここはぐっとこらえる。


 しかし・・・やっぱエルフだけあって美形だな。人とは違った美しさと言うか気品のような物を感じ取れるよ。




 そのまま黙って見ていると、片方の男のエルフの方が声をかけてきた。


「・・・お前はいったい何者だ?何を目的にここまで来ているんだ?」


 その目は警戒をしていて、恐る恐るだが身構えている。


 女のエルフの方をちらりと見ると弓を持っており、いつでも攻撃に移れるような状態であった。



「・・・俺か?俺は公認モンスター・・・・神龍帝のアルだ」


 質問に丁寧にかつ正直に答える。


「公認モンスター・・・・!?」


 その言葉に驚きで目を見開くかのように、2人ともびくっと体を震わせた。


 まだ隠れている人たちの方の視線からも動揺が伝わってきているな。



「あ、言っておくが別に何もする気はないからな?ただこの森をちょっと調べて何か面白い物とか、おいしい物とかがないか探しに来ているのと、この間・・・お前らのような視線を感じたのもあって、興味をもって話してみたくなったという目的があるだけだ」


 きちんと目的の内容まではっきりと伝え、嘘偽りがないことを伝える。



 その言葉に、エルフの男女はあっけに取られて何も言えないような表情をしていた。


 ちょっと早く言い過ぎたかなぁ・・・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEエルフ6人衆


 ・・・・森にすみ始めてから見守りをして、外部からの侵入に対して警戒する交代制のエルフ6人衆。


 この日、森内に侵入してきたのは・・・・この間の謎の怪しさ満点な青年であった。



 そして、話しかけるために今週の6人衆の中でも冷静に話せるアゾンとメルダが相手をしたのだが・・・。



「公認モンスターとか予想外なんですが・・・・」

「いや納得はいくよ?あのパッと消える芸当とか人離れしているもん」

「それでも危険性は変わりないでしょ」

「というかあの二人予想外すぎて思考が追い付いていないぞ」


 茂みに隠れ、様子をうかがう残りの4人であったが、思考が追い付いていない様子の二人のエルフを見てちょっと慌てていた。



 あの青年・・・・公認モンスターの神龍帝と名乗っていたが、その名はエルフの中でもきちんと伝わっていた。


 いわく、その真の姿は純白の尊いドラゴンであり、普段は人化して人に紛れている。


 そして、つい最近滅びたとある愚かな国をそのようなことにしたというのも、その神龍帝だということだ。




・・・・愚かな国、エーゼット王国で捕えられていた違法奴隷の中には、エルフの娘たちもいた。


 集落も違うし、この森とは違うところに帰還していたのだが、エルフ間にはきちんと連絡手段があり、その詳細な情報が伝えられていたのである。


 

 そのため、其の情報を思い出してあてはめて見ると、たしかにあの青年はその神龍帝が人化している姿と一致するようであった。



 とはいえ、正体が判明したところでどう対応するべきだろうか。



 素早く互いに話し合い、とりあえず危害を加える気もなく、興味で来ただけのようだし・・


「この際、招待して接待でもするか。公認モンスターの中でもかなりの大物らしいし、うまいこといけばここでつながりを持てて将来的に助けてもらえることもあるかもしれん」

「打算的ですが・・・・そうしたほうがいいでしょうね。生物としての格がすでに上ですよ」


 きちんと相手の実力を測り、ここは逆らわずに村の方へ招待して、つながりを持っておいた方がいいのではないかという意見に一致した。



 とりあえずフリーズしている二人はそっとしておいて、残りの全員がアルという者の前に出た。


「・・・すまない、我々も警戒していたのだが、公認モンスターとあれば、ぜひとも村に招待したい」

「招待?」


 意外そうな顔をして、アルはそうつぶやく。



「ああ、危害を加えないようだし、こちらとしても逆らう気はないのだが・・・・・どうでしょうか?」

「うーん・・・・・まあいいか。ここであったのも何かの縁とも言うし、その招待を受けるよ」

「ありがとうございます。では、こちらへ・・・」


 とりあえず、村の方へと彼らは神龍帝を案内することにした。


 先に、到着前に足が速いエルフを村の方に向かわせ事情説明をさせておく。



 下手にいざこざが起きる可能性を考慮して、回避するようにしておくのだ。


 まあ、起きたら起きたでどう転ぶかは神のみぞ知るが・・・・・・



エルフの村へご案内。

森の奥地にあるけど、果たしてどのような村であろうか。

そして、アルはどのようなことに遭遇するだろうか。

次回に続く!!


・・・もっと良いネーミングセンスが欲しいと思う今日この頃。物語は思いつけど、名前が困る。

それを考えると、親が名前を考えてくれるのもありがたいと思えるよ。

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