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016 主人公以外の人視点3

こういう主人公とそれ以外の視点ってなかなか変わった感じにできて良いな

今回も少し説明部分あり

SIDEゲバルト&ラスラン


「あはは・・驚かしたようでなんかすまないな」

「い、いいえ・・別にいいですよ」

「なんかお茶までもらってしまっているっすし・・」


 現在、アルの家でゲバルトとラスランはお茶をもらって飲んでいた。



 森の中で腰を抜かした二人に対して、神龍帝は人化の術とやらで人の姿になって二人に話しかけてきたのである。


 で、わけを正直に話そうとしたけど、立ち話も何なのでと言われてこうして家に招かれているのであった。


 アル自身、腰を抜かさせるほど驚かせたのは申し訳ないかなという気持ちであったのだが、ゲバルトとラスランにとっては自分達では絶対に勝てないような相手に緊張感を持っているのであった。


「で、ここまでわざわざ来た目的ってのが・・・俺にその問題児の冒険者のことを知らせにか」

「は、はい。Cランク冒険者レバータカってやつです」

「公認モンスターである神龍帝さんを倒そうと馬鹿言ってしまっているやつなんでっすよ」

「まあ、そんなやつはどこにでもいるのか・・・」


 どことなく呆れた顔をしたアルに、二人は緊張する。


 この場合、下手に機嫌を損ねて暴れられても怖いからであった。


 というか、何で来てしまったんだろうという後悔をいまさらしていた。


「しかも、新人潰しの称号って・・・・・あきれ返るほどどうしようもない奴がいるんだな」


 はあっ、と溜息をつくアル。



 その姿を見ているうちに、ゲバルトとラスランは少しずつ恐怖心を薄れさせていった。


 あのドラゴンの姿は驚いたけど、こうして話してみるとなんかいい人っぽい感じがしてきたからである。







「・・・・で、中々ランクが上げられないんですよねー」

「へー、結構苦労しているんだねぇ」

「俺っちたちは本当はもっと稼いでいきたいんっすけどなかなか難しいんっすよ」



 話しているうちに、いつの間にか打ち解け合っていた。


 今日は天気も良く、ついつい世間話や苦労話で盛り上がってしまっていたのだ。


 アル自身もこうして人の話を聞くことによって、それなりには楽しめた。


「ついでだし、昼飯食べていくか?」

「あ、アルさんにわざわざそうさせたくはないです」

「まあ、せっかくここまで来たんだから食べて行けよ」



 昼時になり、三人で昼飯をとることにした。


 アルが今日作ったのは、湖でとれた魚のムニエルと、貝の味噌汁、炊き立てのご飯と普通の昼飯だったのだが、かなりおいしかった。


「モンスターですよネ・・・・何でここまで料理ができているんですか?」

「何事も慣れと研究と探求心さ。こういう森の奥深くに住むと、こういったことにも手を出したくなるからねぇ」

「うまいっす!!この味噌汁なんか、ばあちゃんを思い出しそうっすよ!!」



 食後、せっかくだからということである自らが相手になってちょっと特訓してやるよと言われた。


 さすがにそれはいろいろと世話になりっぱなしなので辞退した。というか、神龍帝の特訓という時点で常人が受けて無事でいられない可能性があったし。



「と、そろそろ森から出たほうが良いんじゃないか?俺のせいかこの森のモンスターがほとんどいなくなっているようだけど、暗くなったら何かと危険だぞ」

「あ、そういえばもうそろそろ夕方ですね」

「なんかいつの間にか普通に客人として扱われていたっすね・・」


 あはははと笑いあう。


 思ったよりも公認モンスター・・・神龍帝のアルさんは気さくそうで、いつの間にか互いに友人といった感じになっていた。



「ここか!!神龍帝がいるのって!!」


 その時、何やら乱暴でがさつそうな声が聞こえた。


 みると、森から誰かが出てきた。



「し、新人潰しのレバータカ!!」


 ゲバルトが叫ぶ。


 その出てきた人物は、彼らがアルに知らせておこうとしたギルドの超問題児であるCrank冒険者のレバータカであった。


 伊達にCランク冒険者ではなく、頑強そうな肉体に、ガッチガチに固めた鎧を着て、大斧を背負っている。


「ふーん、あれがレバータカってやつか・・・なんかバイキングのイメージがあいそうだな・・・」


 バイキングが何かは知らないけど、アルは平然としていた。余裕がものすごくあるみたいで、落ち着いている。


「がはははははは!!神龍帝がどんな化け物かと思ていたけど、こんなひょろそうな男がとはな!!」


 ゲバルトとラスランの姿は完全無視なようである。


 アルが神龍帝であるとわかるのは、その特徴が公認モンスターの紙に乗っていたからであろう。


「なんというか、筋肉だるまのパワーバカって感じだな。名前を並び替えるとバカたれだし」

「なんだとぅ!!」


 呆れたあのように声を出すアルに対して、怒るレバータカ。


「ええい!!ここで公認モンスターの神龍帝とかいう貴様を倒して俺様のランクを上げるんだ!!」

「途方もない馬鹿というかなんというか・・・その自信に感嘆を示すよ」


 やれやれと肩をすくめるアルに、物凄く頭に血が上っているレバータカ。


 ここで相手の実力をわかっていないところがランクが上がらない原因であろう。


 ゲバルトとラスランの方がわかっていたということは、素質としてはこの二人の方が将来的にレバータカより上の実力を持つだろうとアルは思った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDEアル


 この筋肉馬鹿ダルマ男・・・・稀に見る大馬鹿じゃないのか?


 そう思えるんだが・・・・ちょっと調べてみるか。


(鑑定)


 最近気が付いたけど、「鑑定」のスキルって実は心で唱えても発動するみたいなんだよね。


 ついでに、わざわざ来た二人の鑑定も行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族名:『人間』

名前:ゲバルト

性別:男性

HP:55

MP:24

スキル:「短剣使い」

称号:「Fランク冒険者」


種族名:『人間』

名前:ラスラン

性別:男性

HP:59

MP:60

スキル:「長剣使い」

称号:「Fランク冒険者」


種族名:『人間』

名前:レバータカ

性別:男性

HP:200

MP:10

スキル:「大斧使い」「力持ち」

称号:「Cランク冒険者」「ギルドの問題児」「新人潰し」「馬鹿者」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 称号がひどいな・・・・。


 なお、体力ってのは本当の意味での体力ではなくて、どれだけ動けるのかってことを示すらしい。無くなっても別に死ぬとかそういう物ではないそうな。


 平均すると


一般人(大人でも子供でも大差はないらしい)・・・20~30


冒険者では:

Hランク・・・20~30


Gランク・・・30~40


Fランク・・・50~60


Eランク・・・70~100


Dランク・・・100~200


Cランク・・・200~300


Bランク・・・300~500


Aランク・・・500~800


Sランク・・・800以上確定。


 らしい。一応アリス姫とギルドマスターのザップリンさんに聞いてみたらこうだったんだよね。


 モンスターだと、その基準はわからないそうだけど。


 あと、MPってのは魔力で最低でも10は必ずあるらしい。そして、その大きさはランクに関係ないとか。


 この世界って不思議だな・・・。ちなみに、これは上限がないらしく俺のがERRORになっていたのは測定不可能なぐらいあったかららしい・・・・ここでチートってのがよーくわかったよ。


 というか、このレバータカってバカまさに最低のMP量である。


 なお、この「鑑定」というスキルはあまり人に話さないほうが良いとも言われた。


 まあ、誰だって見られているかもしれないって感じの疑いを持つだろうしね。



「さあっ!いざ勝負だ!!」


 斧をもって迫ってきたレバータカ・・・・・遅っ。


「『麻痺(パラライズ)』」


パチッ


「ほぐわっ!?」



 下手に攻撃すると殺してしまう可能性があったので、護身用にというか手加減用に作っておいた雷魔法を応用したスタンガンのような魔法を俺は発動させた。


 物凄い効き目で、一瞬で白目をむいてレバータカが倒れたよ。


 早すぎるだろ。


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SIDEゲバルト&ラスラン


「い、一瞬であのレバータカを倒したのかよ・・・」

「しかも、無詠唱魔法っす・・」


 ゲバルトとラスランは驚いた。


 さすが公認モンスターというか、あっけなくレバータカを魔法一発で倒してしあったのである。


「流石にこんな野郎の命は奪う価値もないしな。・・・・なあ、こいつってギルドに引き渡せばよかったんだっけ?」

「あ、はい!!」

「それでいいはずっすよ!!」



 こちらに振り向いて質問してきたアルに対し、二人はすぐに返事した。


 新人潰しとか言われていたレバータカをあっさりとやっつけるその力・・・・絶対逆らわないようにしようと二人は心に刻んだのであった。



「こいつを担いでいくのも面倒だしな・・・・あれ試してみるか」


 ふと、何かを思いついたかのように言ったアルに、二人は何か嫌な予感を覚えたのであった。

アルがちょっと前に思いついたあれですよ

ギルドに初めて行く前にね・・・

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