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164 タイミングが悪かった

だしたつもりになっていた

よくある間違いである

「・・・・えっと、大丈夫ですか?」

「おぉぉぅ・・・誰か、人を呼んでほしい・・・・のぅ」


 

 森でのエルフっぽい警戒心を向けた目線の事を相談しようと、その翌日に、こういう時の相談役としてザップリンの下へアルは転移魔法(テレポート)でギルドの執務室に入ったのだが・・・・。



 ザップリンさんが、ブリッジのようにきれいに体をそらして倒れていた。。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鑑定結果:ギックリ腰

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 鑑定しなくても状況的にはわかるけど一応調べる。


「えっと『回復魔法(ヒール)』・・・・効くかなこれ?」


 ポゥッと回復魔法(ヒール)をとりあえず応急処置としてかけてみた。


「あぁぁぁ・・・・おぅ、結構楽になったのじゃ」


 魔法の発動後、ザップリンさんがゆっくりと起き上り、椅子に座る。


 結構効いたようだけど、今日のところは帰ることにした。


 一応魔法で治ったようなものとはいえ、医者にきちんと見てもらった方がいいので職員を読んで、ザップリンさんの事を頼んでおいた。



 貴重な相談役の人がいなくなるとこっちも困るからね。ザップリンさんって何かと物知りだし、そう言うところでは重宝するからなぁ・・・・。







「と言うわけで、こっちに相談しに来たんだよな」

「それはまあ、なんというか爺さんにご愁傷様、お大事にと言いたいところだな・・・」


 なので、次に相談できそうな帝国ギルドマスターのサイトウのところに来た。




 前世からの友人だし、こういう事には頼れそうだしな。


「その森か・・・エルフが住み着いた可能性があるというのか」

「ああ、結構な密林と化しているし、モンスターもそこそこ住み着いているからな。俺のようなモンスターならいざ知らず、普通の人間が住み着くことはほとんどないと思うからね」


 まあ、世捨て人とかそう言う人なら住み着くだろうけど。




「元がエルフがいた森で、森がなくて去っていたのが、森が復活して戻ってきた・・・・あり得る話だな」


 とりあえずそこの事情を話すとサイトウは考える人のようなポーズを取った。


「しかしエルフかー、異世界と来たら見たい種族だけど、それがどのような奴かによって微妙なところがあるんだよなー」

「微妙なところ?」

「プライドが高い奴、誇り高い奴と言ったようなものがいれば、物凄くフレンドリーで親しみ奴い奴と言ったように極端なんだよ」


 

 エルフは一応、国を持っているようなやつらもいるそうだが、種族と言うか、集落としての塊で考えると結構バラバラなのだとか。


 

「笑顔を振りまいてくれる人もいれば、凍るような視線をしてくるようなやつ・・・・ようは温かいか冷たいかの寒暖差がはっきりとし過ぎているような感じだな」

「その口ぶりだと経験済みか」


 まあ、俺よりも前にこの世界に転生しているようだし、エルフとの出会いがあってもおかしくはない。


 というか、よくよく考えればエーゼット王国から助けた奴隷の中にもエルフの人がいたような・・・・・確か、元の故郷の方にゴーレムたちが送り届けたはずである。



「冒険者をやっているやつもいて、そう言うやつなら大概がフレンドリーだな。・・・まあ、美しきは罪かなと言っているナルシスト野郎はムカついたけどな。しかもエルフだけに無駄に美形だったから余計に腹立った・・・・」


 おおう、何やらどす黒い感情が出ているぞサイトウや。


 よっぽどそのナルシスト野郎がむかついたのだあろう。わかるような気はするが・・・。


 話によると、受付嬢の何人かが陥落したようだけど、女癖が悪かったのか20股ぐらいの交際がばれて、最終的には皆にぼっこぼこにされたというオチがあるようだ。



「まあ、これだけは言っておくぞ。エルフのやつらはそんなふうに極端に分かれやすい。だから、その森にいるやつらが冷淡なほうだとすれば下手すりゃ交戦。フレンドリーなら親交を深められるだろう。だから、ギャンブルのような賭けになるし、そこは関わりを持とうが持たなかろうがお前の自己責任だ」

「なるほどな・・・・・まあ、わかったよ。ありがとうな相談に乗ってくれて」

「ふふん、前世からの友の相談には乗ってやるのが友情ってやつだろ」


 お礼を述べると、ドヤァっとどや顔をしてきてちょっとだけイラッとした。



・・・なので、相談料として今回はホールケーキ3つ分(いちご、チョコ、チーズ)のそれぞれを渡してやった。


「え、ちょ、おまっ!!」

「それじゃ!!『転移魔法(テレポート)』!!


 受け取って中身を確認して、甘い香りが漂った瞬間にサイトウが青ざめる。


 そう、このギルドの女性職員は甘いもの好きであり、こうしてサイトウに渡されるとそれをめぐっての争いが起きるのだ。


 それを知っていて、俺はこうして渡してやるのだが・・・・・



転移魔法(テレポート)で逃げるほんの数秒前に、下から甘い香りをかぎつけたであろう人達の足音を聞き、その場から俺の姿が消えると同時に、部屋になだれ込んでくる女性職員の姿を見たような気がしたのであった・・・・。



 哀れサイトウ永遠に。安らかに巻き込まれて眠ってくれ・・・・・・・死んではないだろうけどね。


 



サイトウよ・・・彼は犠牲になったのだ。

しかし、甘いもので争いになるとは帝国ギルドはギルドで恐ろしいところだな。

他のギルドだとどうなるかちょっと気になった。

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